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中年女性が「ビッチ」を自称しても、無駄です。~レッテルの貼り替え

まず一般論として、昭和ふう過激言説が「なんちゃって」で済む時代ではないので、今さら面白半分に不良少年少女グループごっこしてしまうことは自粛しましょう。

さて。

まだ若い風俗嬢が「これから結婚して、子どもを産んで、幸せになりたい」と言うと、世の男性たちがバッシングする。当該女性に対して、さまざまな蔑称・レッテルを与える。時々インターネット上で見かけられる光景ですね。

そういう騒ぎに中年女性が便乗して「私もビッチよ!」と叫んでも、誰も振り向いちゃくれません。

ほんとうに下品な女性・暴力的な女性は、おなじ女性からも嫌われて孤立します。にもかかわらず自分から騒ぐ人は何をしたいのか。男にモテると勘違いしているのです。

女性の口から「私は淫乱よ。尻軽よ。一般社会の常識なんて気にしないわ」と言ってやれば、周囲の男たちが「おお、すげーーw」と言って注目してくれると思っている。

そうやって注意を引きつけた後で「でも私は『ノンセク』よ。あんたなんかと交際してやるつもりはないわ」と言うと、男性一般に復讐してやったような気分になれるのです。

「や~~い。引っかかった、引っかかった。これだから男はダメなのよ♪」というわけです。

自分がセクハラされたという恨みを持っている人は、男性の性欲をからかうという復讐手段を取ることがあるのです。

それが、ギリギリで20歳くらいまでのアプレゲール女子大生で、中年の男性教員をからかっているというなら、映画の材料にもなるでしょう。中年女性たちも「最近の若い人はたのもしい。もっと言ってやりなさい」と面白がってくれるかもしれません。

けれども、女性のほうが歳を取ってしまい、自分の息子のような「人生これから」という年齢の若者をからかうとなると、構図が違ってきます。それは息子の性欲を罰する恐ろしい母親という絵でしかありません。

もし女性自身が「母親がトラウマになっている」と言うなら、自分自身が他人にトラウマを与える存在になってしまったのです。結婚・出産しなかった代わりに、恐ろしい母親の戯画・ミニチュアのようなものになってしまったのです。

【ノンセクの派生形】

女性における「ノンセクシュアル」の派生形が「男の同性愛の話題にしか興味がない」というタイプ。

これが現役の二次創作BL同人として活躍している場合は、おそらく「腐女子」を名乗るのです。名乗ったうえで、意外なほどおとなしくしているというのが、言ってよければ「本物の同人」です。

誰よりも自分自身が著作権問題を抱えていることを知っているからです。

誤解されやすいですが、誰でも二次創作BLを描けば必ず売れるということはありません。売れなかったので恨みを持ったという黒バス犯の例がある通りです。オリジナル作品で固定ファンを得ている同人も大勢おります。

それでも二次創作にこだわる人は、心のどこかに自分自身が「アニメが好きだ」という、いわゆる二次元コンプレックスの気持ちを持っている。

アニメに関わる仕事がしたい。原作漫画もアニメ版も二次創作もぜんぶ好きだという人の気持ちが分かる。彼(女)たちが面白がる「つぼ」が分かる。自分が面白いと思うものは仲間も面白いと思ってくれる自信がある。

営利目的とうそぶきながら、どこかに「好きな道で食って行きたい。仲間とともに生きたい」という意地や誇りのようなものがあるのです。

それが「アニメーターになる」ということではないのだから、自分本位な理屈にすぎないことは分かっている。そういう謙遜の思いをこめて(意外にマジで)自虐したうえで黙っている。他人の話題に絡もうとしない。

案外、そういうものです。

けれども、その世界で人気をなくしてしまうと、他のレッテルに頼ろうとするのです。

【トランスとの混同は困る】

ここで少々脱線しますと、婦女子という一般名詞の誤変換に基づく自虐語が流行するようになったのは、1998年以降。

この年に「やおい少女は、トランスゲイである」という誤説が発表されてしまったので、今でいう二次創作BL同人たちは、急いで違う「名乗り」を挙げる必要があったのです。本当のトランスを怒らせないためです。

もし実際のトランス自認者が性別適合手術などを求めて医師を訪ねた際に「お嬢さん、それは『やおい漫画』の読みすぎですよ。自分を『心のゲイ』だと思い込んでしまっただけですよ。脳が落ち着くお薬を出しておきましょう。漫画ばかり読んでないで、ときどきは運動するといいですよw」

なんて、したり顔に説教されたり、笑いものにされるようじゃ大迷惑なのです。なんとしても、BLとトランスの混同は防ぐ必要があるのです。

まして、二次創作は著作権問題を抱えているので、トランス人権問題としてマスメディアから注目されたり、政府またはNPOの介入を招いたりということを避けたいのです。

で、くさっても鯛ならぬ、くさっても女性であると宣言することになったのです。

これを、フェミニストたちは「結婚したくないからですよ」と説明しましたが、それは「いかにフェミ自身が結婚にこだわっているか」という証拠でしかないのです。

【レッテルに頼る】

というわけで、1998年以前に「同人やっていた」人は、腐女子を名乗らない代わりに「ノンセク」や「セクマイ」や「ビッチ」を名乗って、一風変わった女性として、ゲイコミュニティと連帯できるつもりになっちゃうことがあるんですが、これも勘違いなのです。

ゲイだって、下品な女性と連帯したかありません。

トランスFtoMも含めて、ゲイというのはまず男性です。彼らは、彼らも利用する公共の場において、女性が男性の肉体や男性の同性愛に言及することに対して「いやらしい。下品だ。我々に対して失礼だ」と感じるのです。

「一般社会の常識にさからう下品なビッチが、男の同性愛に興味あるから、下ネタを聞かせてくれるでしょ?」とゲイを頼っても、それはやっぱり受け入れられないです。

一般論として、レッテルに頼る人は、先入観を持っているのです。

「何々人って何々を食べるんでしょ」とか「何々族ってふつう何々に興味あるんでしょ」といった偏見を露わにするものです。

だから「あんた、ゲイなら性的な体験が豊富なはずだから、私の性的な疑問に答えてちょーだいよ」と、なってしまうのです。

表現は自由ですから、私もナントカよと名乗ることは自由なんですが、もれなく特権がついて来ると思ってしまうものではないです。

風俗嬢としても「ほんとうの苦労も知らないくせに」と思うでしょうから、連帯してくれるとは限りません。

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。