記事一覧

プロとパロを区別した上で両方弁護することは可能ですが、論拠が違うのです。

当方はですね。もういちばん最初っから、プロとパロを区別しろというお話をしているものです。

二十四年組などのプロによるオリジナル作品としてのBLと、アマチュア二次創作BLでは、作風も違うし、権利問題という決定的な差異があるからです。

だから「プロ作品には少女も登場する」などの証拠を挙げるのです。その途中で「でも私の同人誌は違うよ!」と、キーキー騒がれても困るのです。

こちらは最初から「違うものだから区別しろ」と言っているのです。なぜ同人さんは、違うものだと分かっているくせに、プロ作品まで下品な隠語で呼びたがるのですか? プロに向かって「山も落ちもない」なんて失礼でしょ?

本来「山も落ちもない(が権利問題を抱えている)」という自虐語は、二次創作BL作品そのものを他から分類するためのタグであって、それを好む人々が自分から「私たち、やおい少女で~~す」と名乗ることはなかったのです。名乗る場所もなかったんですから。

だから「やおい作家・やおい少女と呼ばれる人々が抱える問題」なんてものも、ありゃしません。勝手に呼んだマスメディアが、勝手に差別しているだけです。

他人に勝手なレッテルを貼って、勝手に差別する人がいなくなれば、差別される人々が抱える問題はなくなります。そういう考え方ができませんか? 自分自身が「ノンセク」だの、ゲイと連帯するだのと言っているくせに?

「いや、私たちはちゃんと区別していた……」と言えるのが、1980年代前半までの同人です。それ以降の個人誌の時代に片足つっこんで、そのまま勘違いしているタイプの人は黙っててくれていいです。偏見を上書きするだけの証言なんて要りません。

そんな人は「セクマイ」でもないし、弱者でもありません。ただの「常識」を疑ってみることができないマジョリティです。

【BLと二次創作BLは別件】

「数十年前の受賞作品に対して現代の青少年健全育成条例を遡及して適用することは法律的に妥当か?」という問題と、著作権問題では、まったく話が違うのです。裁判としても別件です。

新時代の男性化した女性にはBLが必要だとしても「だからといって著作権法が免責される」ということにはなりませんね?

むしろ男性化し、自立をめざしているからこそ、二十四年組を見習ってオリジナル作品を仕上げてプロデビューするべきであって、いつまでも他人の作品に依存しているべきではないのです。

フェミニズムとして、女性の社会進出の一環としてBLを論じる以上、二次創作を放置してはいけないのです。

ここで慌ててはいけないのは「フェミニズムとして論じる以上」であって、フェミニズムによらなければ、二次創作を弁護することは可能であることです。

つまり、プロとパロの差異に注目し、明確に区別した上で、両方を弁護することは可能なのです。ただし論拠が違うのです。

BLなら「女性の自由」でいいのです。でも二次創作は男性同人と共同で「二次創作は著作権法違反には当たらない」と言うのが筋です。

またフェミニズム批評としても、プロが自虐していない以上、両方まとめて「女性はせっかく描いても自虐せざるを得ないんですよ! 男性中心社会の横暴ですよ! 男はよく反省しなさい!」という男女闘争の文脈に落とすことはできないわけです。

だから、まず区別することはひじょうに重要です。

だから「プロのファンがパロを毛嫌いしてつぶそうとしている! やられる前にやれ!」と興奮してしまわなくていいのです。

プロ作品にはあまり性的描写がないと言われたからといって「でもエロが好きな子は大勢いるんだよ!」とか見当違いなクレームをタイムラインの中心で叫ばなくていいのです。当方が批判しているのは、エロすぎる同人ではなく、中途半端なフェミニストです。

【最初から同人とフェミは別というお話です】

かつてのように、フェミニストが議論に参加して「女性の社会進出のためだから大目に見てやるべき」と主張するなら、女性の弱者特権とは既存の法律を無視してよいということなのかどうか、そこまで責任持って論じることができなければなりません。

確かに著作権法は古い法律で、時代に合わせて電子ファイルにも対応するようになったとはいっても、根本的に明治時代に成立したものですから「男だけで決めちゃった法律なんて女が守らなくていいんです!」と言うこともできます。

でも、それなら女性は他の刑法も民法も守らずに、窃盗でも横領でもしていいのか? そうじゃないですね。なぜ著作権法だけ守らなくてもいいのですか?

「いや、だから厳密には違反ではないから……」と言っても、げんに差し止め請求が起きていますよね? 社会学者の先生たちが盛んに二次創作BLを論じるようになるよりも前に。

プロとパロを混同しているフェミニストでは「なぜリスクを承知で他人のキャラクターを利用するのか」という重大な疑問に答えることができないのです。

ということは……そうです。「そもそもフェミが同人論に関わるな」と言ってやることができるのです。

同人さんが「同人はフェミとは別よ」と言うなら、まさに「いま、その話をしている」のです。

ここから派生的に「口先では同人はフェミとは別と言いながら弱者特権という意識に依存して思考停止に陥っている(一部の)二次創作BL同人」をも批判することになります。

だからこそ「私の場合、お母さんがトラウマになっているから二次創作BL同人誌を売る他なかった」という人が、慌ててクレームして来るのです。

【フェミに頼らないBL論】

本人の気持ちとしては「男の編集に指図されながらオリジナルBLを書くのはいやで、女の編集に助けてもらって二次創作BL同人活動を続けるのがよかった」ということかもしれませんね。

でも、女の編集が市販BLにも関わっていると自慢するなら、彼女を頼って自分もプロデビューすればよかっただけのことです。

「二十四年組が頑張ったから、私が男性漫画家を利用した」という話は成り立たないのです。

プロとパロを区別した上で、プロには受賞にふさわしい名誉の回復を。パロには女性の弱者特権意識に頼らない法的根拠の確認を。そしていずれの読者も実在同性愛者には迷惑かけないこと。

当方の主張は、一貫して、この通りです。

「こんな人の言うことを聞く必要はありません! 私たちはもっともっとフェミに依存して、フェミ団体と連帯して新宿二丁目に押しかけ、生意気なゲイどもに嫌がらせしてやるべき!」

と思う人は、自分のブログで言ってみましょう。短文投稿サイトでもいいです。でも、たぶん言わないほうがいいです。

Related Entries

SEARCH

Profile & Caution

Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。