嫌儲型と即売型を混同しないほうがいいです。

  27, 2017 11:03
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インターネットを発表場所とするサブカル系表現活動は、その多くが公表を自己目的とする非営利型なので「嫌儲」と呼ばれることもあります。

プライド表現としての自称というよりは、それに反感を持つ人々が考え出したレッテルですが、ここでは便宜的にこれを「嫌儲型」と呼びます。

対するに、同人誌即売会を作品発表の場とする人々は、もちろん「即売型」です。

即売型は、作品を販売することによって生計を立てることができれば、ほかのアルバイトに時間を取られることがないので、より充実した創作活動に励むことができ、より人気が出て、作品が高く売れる・プロデビューの可能性も出る……という好循環が発生します。デフレ脱却道なかばの不況社会にあって、生活に困ったあげくの犯罪を抑止するという意義も重要です。

したがって、即売型は、じつは弁護しやすいのです。

けれども、嫌儲型は、当然ながら一般的インターネット利用者の眼に留まりやすく、めざわりだから強制削除しろといったバッシングにつながりやすいのです。

作品が掲示板・SNSに無断転載されるということも起きやすく、それによって、いわゆる炎上が起きたりもする。著作権者は何をしてるんだという批判・議論の対象にもなりやすい。

したがって、プロバイダが神経過敏になって、ほんとうに予告なき強制削除、さらにはサイバーアタックということが起こり得ます。

そこへ法律というものが加われば、サブカル反対派・規制賛成派にとって、伝家の宝刀を抜いたという強気が発生してしまうでしょう。

ここで、あえて言ってしまえば、即売会に警官隊が突入するという時は、会場入り口に物理的バリケードを築いて抵抗することができるのです。新左翼の血が騒ぎますか? 便乗してくださらなくて結構です。

けれども、インターネット上の悪意・強制執行は防ぎようがないということがあります。

そもそも即売型が「売れるからいいじゃん」と言うなら、嫌儲型は自己弁護の論拠を失います。「生活がかかってるというわけでもないなら、さっさと強制削除しろ」という話になってしまいます。

すると、泣かされるのは本当に弱い人々です。

同人誌即売会へ行くおカネもない人々。交通費がない。同人誌を買うおカネもない。

けれども、作品を無料公開してくれる人々の厚意と仲間意識に支えられて、身分保障のない非正規労働に耐えている。「仕事が終わったら無料公開されている二次創作を読むんだ」ということだけを生き甲斐に、なんとか暮らしていける。

なんとか働いているくらいだから、もともと悪いことをしようとも思っていないけれども、もし収監されてしまえば物語の続きも読めなくなると思えば、より大きな抑止力となる。

そういう本当の弱者。ほんとうの不況社会の被害者。

スマホを維持する程度の経済力はあるわけですから、下には下がいるぞとも言えてしまいますけれども、非正規雇用に耐えている若い人々を、そんなにイジメることもございますまい。

という具合に、嫌儲型が「キャラクターを非営利的に使用している」という理由だけで(TPP関連の)法律に抵触する可能性があるという場合は、即売型とは違う論拠による弁護が必要なのです。

即売型のほうで話を混同し、「私たちも非営利にすればいいってこと!? ふざけんな!」という具合に被害妄想に駆られて、過剰防衛的になってしまうと困るのです。

即売型の態度が悪いことは、他の即売型の皆さんにとってもご迷惑です。ご自分自身が孤立しないためにも、ご理解を頂ければ幸甚に存じます。

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