「アダルトチルドレン」という言い訳を認めないのが、アドラーです。

  30, 2017 11:05
  •  -
  •  -
まず「アダルトチルドレンと言えば他人に怪我させても許される」という発想を捨てましょう。

それが認められるなら、男性が「俺は母親がトラウマになっているから時々女を襲いたくなるんだ」というのも認められることになってしまいます。

アダルトチルドレンという発想の根本にあるのは、ダーウィン的進化論なわけで、人間はしかるべき時期にしかるべき刺激を受けることによって進化するから、正しい刺激を受けなかったものは、もう一生修復不能っていうわけですね。

んなこたぁない」って言っちゃうのがアドラーです。

黒バス犯を始め「母親のせいだと言えば許される」という考え方が蔓延しているようなら、そういう言説が流行った時代の名残なのです。それをあっさり否定するのがアドラーです。

が、これは「自分はアダルトチルドレンだ」と信じ込んできた人にとっては残酷な宣告なのです。

「母親に責任転嫁しながら生きる人生を選んだのはあなた自身です」と言われることだからです

「こんなに苦しいのに? 何度も死のうと思ったのに? いまでも夢に見るのに?」

そうです。夢に見るほど「こだわることに決めている」のは、あなた自身です。お母さんのせいだと思い込むことに決めているのは、あなたです。

そうすれば、次の課題に挑戦しないことの言い訳ができるからです。

アドラー式というのは「隣近所に嫌われても気にしな~~い、気にしない。わがまま一杯に好きなことして生きればいいんだよ♪」ということではありません。その際の全責任を自分で負うということです。

トラウマなど存在しませんと言われ、トラウマから解放されるということは「もう母親のせいにはできない」ということです。

しかも「自分の責任だから、自分が死刑になればいいんでしょ!」じゃないです。ここで「大きな共同体意識」というのが意味を持つのです。

「世のため人のためになる」という課題とは、嫌われてもいいから自分勝手なことをして、やばくなったら死んでしまうということではないのです。

もともと、その「世の中の役に立つ人になるために努力する」ということが怖いからこそ母親のせいにしているのです。

「こんな人生は私のせいじゃない。あんな男に引っかかったのは私のせいじゃない。女の先輩の言うことを信じたのも私のせいじゃない。うまく行くと思ったのも私のせいじゃない。ストレス解消のために他人に怪我させるのも私のせいじゃない。みんなに失礼なことを言うのも私のせいじゃない」と言いたいからです。

それを「全部お前のせいだから、認めてしまえ」と言うのがアドラーです。

それは、母親に守られているという世界観がガラガラと音を立てて崩れて行く恐怖なのです。


Related Entries