1959年10月、岡本喜八『独立愚連隊』東宝

  04, 2017 11:01
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こんの野郎。腹黒い奴だ!

製作:田中友幸 脚本:岡本喜八 撮影:逢沢穣 美術:阿久根巌 録音:渡会伸・下永尚 照明:西川鶴三 音楽:佐藤勝 監督助手:竹林進 編集:黒岩義民

岡本さんは西部劇が大好きだったんだろうなぁ(*´∀`*)

東宝スコープ、モノクロ。脚本兼監督の出世作。後の諸作品に通じる要素が小だくさん詰まってお買い得感いっぱいな、才能きらめく宝石箱みたいなブラヴォーな映画。だいぶ土煙っぽいですけども。

末期の北支最前線のどーしよーもない気だるさと緊迫感の混在が見事に再現されております。戦争の本質をえぐり出したとも言えますし、戦争を口実にした西部劇ふうアクションとも言えますし、公開当時から賛否両論だったようですが、面白いです。あえて力説しますが、面白いです。

三船が演技に対して誠実であることには感涙がにじみます。騎乗ぶりは思わず巻き戻すほどカッコいいです。嘘をつかない日本の侠客(=鶴田)は意外な役ですが、楽しそうに演じております。美しい表情の変化を拝見できます。

と言いつつ、彼らドル箱スターを特別出演状態に抑えて、中堅・若手俳優から骨太な演技力を引き出しております。主演はまだ若くて爽やかな佐藤允。独特の笑顔が光ります。

あらすじは言えませんっ。もったいないっ。

白煙と黒煙が上がるロケ地は御殿場。将軍廟と街並みのセットに阿久根の本気が入ってます。エキストラの人件費はやっぱり安かったみたいです。DVD特典の監督インタビューでは画面サイズに関するお話が聴けますが、東宝スコープの横長っぷりをよく活かした構図が続きます。勇壮な佐藤音楽もいいです。

物語は……言えないっ。もったいないっ。

男の友情も、男女の情愛も、明るいタッチで自然に物語に織り込むのが岡本さんのいいところ。

海外のおともだちとは一緒には観られないかもしれませんが、ボロボロの軍旗に象徴される戦争諷刺要素を持った冒険娯楽活劇という位置取りを覚悟のうえで臨めば、たいへん見事な作品です。

なお『隠し砦の三悪人』で鍛えた乗馬術が活きる上原美佐の出演が嬉しいです。

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