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1969年10月、岡本喜八『赤毛』三船プロ

時の流れというやつを、知っていますか。

製作:三船敏郎・西川善男 脚本:岡本喜八・唐澤栄 撮影:斉藤孝雄 美術:植田寛 録音:市川正道 照明:佐藤幸郎 整音:下永尚 音楽:佐藤勝 

昭和四十四年度芸術祭参加作品。喜八魂疾走する新左翼時代の王政復古ええじゃないか秘史。三船敏郎49歳、永遠の菊千代。ひゃっほーーい!

主人公のキャラクター性と役者の実年齢が合ってないことが冒頭から明らかですが、楽しそうに演じております。ノースタントなのでしょうねぇ……。

冒頭30分間のコメディ展開は、岡本作品らしい「この話まとまるのか?」という不安感に満ちておりますが、じつはテーマは明快です。大東亜戦争を諷刺する人は、やっぱりその根幹にある武士道精神の本質を見逃さないのです。

1969年らしく、ポスター上には「革命」の文字が見られますが、その実態はどうだったのか。真の革命家は誰だったのか。柿の実はふたたび実ったのか。

なんて書くと重いお話みたいですが、なにぶん菊千代です。佐藤音楽もカッコいいです。

映画産業全体がテレビに負けたぶん、人海戦術や騎馬や爆薬や血糊によってテレビサイズを超える迫力を追求していた頃で、その総決算ともいうべき豪快さに満ちております。久世流殺陣の大盤振る舞いでもあります。

脇役が印象的な作品でもあり、伊藤雄之助のコミカル演技最高。高橋悦史は声の良さを活かして。ややメイク濃いめ。

松竹から借りた岩下志麻が純情すぎて愚かな女を体当たりで演じており、起用センス抜群です。篠田『心中天網島』(1969年5月)と同じ年ですね。木下『香華』(1964年)で印象的な母親役だった乙羽信子はここでも度胸が光ります。

男のドラマは女がチョイ役ってことも多いんですが、男女の情念を明るくとらえるのが岡本さんのいいところ。三船の顔色はライティングによるものだそうです。こういうことするから鬼才って呼ばれる。

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

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Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。