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1961年5月、森一生『大菩薩峠 完結篇』大映京都

うたた寝の邪魔をする者は容赦せん。

製作:永田雅一 原作:中里介山 脚本:衣笠貞之助 音楽:塚原哲夫 撮影:本多省三 照明:中岡源権 美術:西岡善信

おなじ旅がらすの着流し素浪人でも、まがりなりにも正義感で動いてる狂四郎さんとはちょうど裏表な竜之助さんは、時々メンタルやられちゃうので剣豪もののわりにお話のトーンが暗いです。

でも三部作を三部観ないとこっちの寝覚めが悪いし。

大長編を端折って映像化してるので、波乱万丈すぎて構成の緊密度は低いです。基本的に女で人生間違えて、あてもなく流浪する身になっちゃった人なので、物語の先行き不透明感は残念なほど高いです。

それでも観る価値があるのは、雷蔵が剣を持つと、小道具であることが分かっていながら、その重みと切れ味が伝わってくるような凄みがあることです。音無しの構えも相変わらずカッコいいです。殺陣はたいへん美しい人だったと思います。

ある意味正しい方法で女性への復讐を貫いたわけで、気分のいい話じゃないんですが、逆にいえば「雷蔵は悪役もできるよ」ってところを見せたわけで、1931年8月生まれですから、まだ30歳の若さですけれども、重々しく、憎々しく、演じきっております。

結末はちゃんとつきますから、その点は安心して。タイトルが「菩薩」ですから仏道の教えを重要なモチーフにしたのは良い選択だったと思います。終盤は不意にスペクタクル。やっぱり大映はすごかった。

それにつけても「私も~~」って便乗したがる女って、めんどくさいなぁ……。

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験・就活を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

映画評は、アップロードする以上は「下げる」ようなことは言わないことにしております。あらすじもあまり申し上げませんので、楽しみに御覧になってください。記事冒頭の色つき文字は映画中の台詞・挿入歌の歌詞からの引用です。

なお、取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・分割・削除しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。