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区別したうえで共存するのが多様性の尊重です。

共存を拒む人は、一方の価値観に他方を従わせようとするのです。

卑近な例でいうと「BLってゆぅのはみんなエロに決まってるのよ!」って言っちゃう人は、エロくないBLという価値観との共存を拒む人です。

その発想は、全体主義であり、マジョリティの横暴です。それを主張する本人が「私もマイノリティだから弱者の連帯できるじゃないですか~~」じゃ困るのです。

しかも性的マイノリティ中の最大マジョリティであるゲイにすり寄っていくのでは、下心が見えているというものです。(´・ω・`)

【経緯(おさらい)】

本人が「二十四年組=アニパロ=エロ」と思い込んでいるなら、他人が「二十四年組が少女漫画誌に載っていた頃が懐かしいですね」というのを聞いて「そんなエロいものを普通の雑誌で読みたいなんて言う人は変よ! これだから素人は困るわ!」と思っちゃうのも無理はないのです。

当方は、まさに「そういう混同を反省しろ」という話をしてるんですが、現時点で混同している人(自分が混同していることに気づかない人)なら、他人の話の意図を180度とり違えるのは、それなりに理屈が通っているわけです。

けれども、自分の勘違いに気づいた後がいかんのです。

「でも私が同人やっていた頃はエロをほしがる子ばかりだったよ! みんな私の同人誌を読んで興奮していたんだよ!」って。

そりゃそういうものをほしい人が同人誌即売会へ行ったからであって、ほしくない人は行かなかったのです。そもそも現代の声を紹介してるんだから、30年前の経験は役に立たないのです。

過激BLで「カネもうけ」することに夢中になっていた当時のあなたは気がつかなかったのでしょうが、じつは過激な二次創作BL同人誌なんかほしくないという人もいたのです。

そういう人は「BL氏ね。少女漫画こそ至高」という人ばかりではなく、何割かは「あまり過激ではないBLが好きだ」という人だったのです。

そういう人は、すでに過激化した同人誌即売会には来なかったから、あなた自身が彼(女)らを消費者として認識できなかっただけです。

けれども現代ではインターネット掲示板やSNSによって認識されやすくなったので「じつは私も」とカミングアウトする人が増えたのです。

そこで過激タイプの同人が「さぁ大変。客を取られる」と焦る必要はないのです。なぜなら、すでに過激が好きという人が「もっと物足りないものを読みたい」ということはないからです。

だから、たとえば現時点で過激BL好きな人が100万人いるとして、非過激BLなら買ってもいいという人が30万人カミングアウトすれば、BL市場全体として130万人になるのです。それだけの話です。

かつて、市販雑誌・文庫が同人界の流行を取り入れて過激化したとき、即売会へ行く交通費を支払わなくてもそこそこのものが手に入るということで、同人の客足がにぶったことがあったかもしれません。

それを覚えている人は、今でも「地元にいながらにして普通の雑誌でエロが読みたいなんていうネンネは同人の敵よ!」と言いたくなるのかもしれません。そういう変なレッテルを貼って差別したくなるのかもしれません。

けれども、この話は、過激タイプの同人とは競合しない話です。共存が可能という話です。互いに他をつぶそうとする必要はありません。多様性の尊重です。これを自分が「ノンセク」だという人が理解できないのでは困るのです。

多様な生き方を認めてほしいという「性的マイノリティ」が、自分とは違う存在を認められないのでは困るのです。

じつはBLファンは、BLしか読めない・実在男性と交際したくないからといって「ノンセクシュアル」を自称することがあります。でも中味がマジョリティのままということがあるのです。

縄張り意識ばかり旺盛で「私には仲間が大勢いるのよ! 多様性なんていう奴はつぶしてやる!」と思っちゃうのです。

【同人は呼んでない】

そもそも、この話は同人の話ではないのです。「BLにエロは要らない。ポルノだと思われたくない」というのは、編集者から口出しされたくないというプロ作家の愚痴なのです。

同人なら好きなように書いて、それなりの読者を集めればいいだけのことですから。

だから読者のほうから「私はもともと二十四年組作品のような精神的な絆を描いた作品が好きです」と言ってあげるのがいいのです。そういうニーズもあるということに出版社が気づけばいいのです。

そして旧作が再版されたり、いままで無視されていた作家志望者が発掘されたり、これなら私にも書けそうとやる気を出す若い人が増えたりして、出版界全体の活性化につながればいいのです。

30年前の同人が「また私のエロ同人誌が売れなくなったら困るわ!」と被害妄想を持つ必要はないのです。

「エロが要らないなんて言うやつは生意気だ! うちは30年前から濃い味つけで売ってるんだ!」と頑固職人ぶってもいいですが、そんなに自信があるなら、ほんとうにまた売ればいいです。

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。