ゲイは女性から「弱者の連帯」と言われると、イラっとすると思えばいいです。

  25, 2017 11:05
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今まさに自分自身がゲイの世界に割り込んで、彼ら同士の交流の邪魔をしておきながら、「ゲイはいいなぁ」と言ってしまう。女性には時々ある勘違いです。

女性は本能的に自分を弱く見せることによって、サービスを受けようとするのです。男性に守ってもらえる。優先してもらえる。「これやるよ。食いなよ」ってね。

そういうストレート社会の駆け引きをゲイの世界へ持ち込んで、「ゲイはいいなぁ」と言えば、一杯おごってよという意味になるのです。実際に客あしらいに慣れたオネエ様であれば、「まぁこれでも飲んで」って出してくださるかもしれません。(期待しちゃいけませんよ)

でも、げんに自分より不利な人々の前で「あんた達がうらやましい」と言うのは、厭味でしかありません。もしあなたが本当にゲイになったら、まさにあなたのような女に付きまとわれるんですよ……。

【ただのお客さん】

自分に都合のいい部分しか見ないのでは、弱者の連帯の内に入りません。

ゲイの世界にもDVはあります。写真を撮られて脅されるということもあり得ます。おカネの貸し借りのトラブルもあり得ます。こんなにおおぜい仲間がいるのに一生のステディはなかなか見つからないという悩みもストレートと同じです。

新宿二丁目の表面的なにぎわいだけ見て「ゲイはいつも楽しそうでいいなぁ。仲間がおおぜいいるからいいなぁ」では、ただのお客さんです。人権運動に合流しに来た内に入りません。

言っていいこと・悪いことの区別がつかない中学生ぶりっこは、女性が若く見せたいだけで、ただの自己満足です。相手はプロです。「水商売のゲイは女心をよく分かってくれる」という情報を頼ってきたなら、彼らが女の浅はかな計算も見抜いていることぐらい覚悟しておきましょう。

【同性愛者の悩み】

彼らは、一生を誓う相手を見つけても、一般社会によって配偶者としての特権を認められないことを、くやしく思っています。

日本は伝統的に「その道」に寛容なので、同居すること自体はできるのです。実際に何十年も同居なさっている方々もいます。けれども、法律が認めた配偶者ではないという理由で、医療機関における臨終に立ち会うことを認められない可能性があります。

保険金の受け取りの際にも、赤の他人が指定されていることで疑いをかけられ、保険会社の不用意な発言に傷つけられるかもしれません。

マンションなどのローンを、途中から失業した相方に代わって、自分が支払っていたのに、なくなった人が名義人で、その血族が(一回も見舞いにも来なかったのに)相続するというので追い出される。そういうことがあり得るのです。

ごく最近、すこし改善されたとはいえ、まだ完全ではありません。なによりも法律に反映されていない。

「恋人または伴侶がいない」という女性の悩みと、「いるのに認めてもらえない」という同性愛者の悩みは、決定的に違います。

【ゲイ・プライド】

ステディと何十年も同居している彼らは、既婚男女に対して「負けた」とは思っていません。

だから「男女だけが配偶者特権を楽しんでいる」ことに、ものすごく怒っていると思えばいいです。なんで俺らが差別されなきゃならねぇんだと思ってます。

男に惚れるように生まれついて、実際に男と同居して、いい人生だった。俺ぁ自分に嘘ついてねぇし、社会をだましてもいない。俺のどこが弱者で負け組なんだと思ってます。

女性が自分と他の女性を比較して、勝手に「負けた」と思ってしまい、ゲイに対して「あの女に負けたもん同士で連帯しましょう」と言っても、彼らはべつに負けたと思ってないのです。「てめぇと一緒にすんな」と思ってると思えばいいです。

女性は自分を敗者・弱者に見せることによって、特別待遇してもらおうとするのです。どう頑張っても(とくに腕力的に)強くなれないので、弱者の生きる知恵です。

けれども男性は自分を強く見せようとする。ゲイも男性ですから自分を弱いと思いたくはないのです。弱い子ぶって、カワイコぶって生きて行こうと思っていないのです。

だから女性から「あなたも私とおなじ弱者ね♪」と言われると、イラッとすると思えばいいです。

【マジョリティの横暴】

ゲイの「弱者の連帯というのはどうかと思っていて」という発言に敏感でありましょう。彼らは女性の依存心を決して歓迎していません。ありていにいって「うざっ」と思っています。

女性は、自分で気づいていないだけで、憲法によって、民法によって、すごく優遇されています。そのうえで自分と他の女性を較べて「負けた」と思ったからといって、ゲイとは本質的に問題が違います。

自分の恵まれている部分に気づきもせず、他人より劣っていると思う部分にばかり注目して、その傷を見せびらかそうとする。まさにそれこそマジョリティの横暴です。それが同性愛者の心を最も傷つけるということに敏感でありましょう。

謙虚になること。

それがほんとうの配慮であり、人権運動です。

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