BL界のアバンゲール、アプレゲール。

  24, 2017 11:06
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1970年代には、今でいう二次創作BL同人は、当時流行していたテレビオリジナルアニメに対する著作権問題を理解しており、アニメ自体の熱心なファンによる自主検閲を回避するとともに、二十四年組とは直接の関係がないことを示すために、自分たちだけ自虐しました。

並行して、早くも一部がゲイコミュニティとの軋轢を経験したようですが、これに対しても同人のほうが「絶対に本物を怒らせるな」という訓戒を共有することで対応しました。

逆に言えば「女性には弱者特権がある」などと言い返すことはなかったのです。これが二次創作BL界におけるアバン・ゲール。戦前的価値観。

その後、フェミニズム批評が流行する時代が来て、女性同人もフェミニストと一緒になって、一般男性およびゲイコミュニティからの批判に対して「女性は男性中心社会の被害者であるから弱者特権がある」と言い返すようになりました。

その批評の際に、プロと同人が混同されたので、現在に至るまで作品発表に当たって決して自虐したことのないプロのファンまで自虐的な隠語を自称するようになり、二次創作BL同人およびその購読者と糾合して、男性に向かって積極的に厭味を言う世の中になったのです。

いわば「やおい論争後」の世界なわけで、アプレ・ゲールです。

戦前的価値観からすると、プロ作品のファンが自虐するというのは考えがたいし、二次創作同人が著作権問題を大目に見てもらえると勘違いして積極的に発言するってのも考えがたいのです。

過渡期にあったのが1980年代の同人および購読者なわけで、両方の価値観をあわせ持っていることがあります。

すなわち、口先では先輩の真似して「同人はフェミとは別よ。議論に参加せず、おとなしくしていればいいのよ」と言いながら、その舌の根も乾かないうちに男性に向かって「どうせ本物の巨乳には興味ないくせに」と厭味を言ってしまうのです。

しかも「躾に厳しい母親の被害者だから同人にならざるを得なかった」とか言い訳するのです。

誰が聞いても「どっちだよ」っていう状態なんですが、当時の同人は「山も落ちもない」という言葉を真に受けていたので、物語を論理的に構成して結末まで持っていく訓練ができておらず、しかも購読者候補である同級生の人数がひじょうに多かった時代なので、そういう作品によってそこそこ利益を挙げてしまったものだから、そういう自分を反省しないまま今に至ってしまったということがあるのです。

なおかつ、もともと他人が設定したキャラクターに依存しておりますから、物語の開始に当たって、人物紹介・世界観の説明などの導入部を必要としない。

すると現実世界においても挨拶しない人になってしまうのです。

したがいまして、いわば「戦中派」の同人活動最大の弊害は、いい歳になっても挨拶ができず、どこへ行っても自分と似たような同級生であふれていた同人誌即売会にいる気分で「あんたも私と同じ考えでしょ!?」と押しつけがましく話しかけた挙句に、辻褄の合わないことを言い散らかすので、しまいにゃツイッター廃人と呼ばれちまうことです。

アプレゲール派の皆さんは、おなじ道を歩んでしまわないように、気をつけましょう。

なお、いまや「戦争を知らない子どもたち」が育ちつつあるので、フェミニズム批評そのものを「おかしい」と感じ、一般人に対しても、ゲイに対しても、良識を守った発言をするべきだと考える同人・読者も増えつつあります。

「表現の自由」を守りたい同人・サブカルファン自身が、自分の青春時代の先入観ばかり振りかざし、気がついたら最も差別的な人になっていたということにならないように、気をつけましょう。


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