2012年 『シュガー・ラッシュ』

  31, 2013 23:17
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街頭ポスターで見かけた黒髪の幼女の生意気な笑顔が可愛くて、ずっと気になっていましたが、買って良かったブルーレイ(・∀・)

参りました、というところでしょう。

ゲームの中には独自の現実があるというアイディア自体は、デジモンか? いや、それ以前にポケモンか? いずれにしても元ネタは日本じゃないかと思うのですが、それをよくもここまでやってくれやがったなというか面白いです。電源ケーブルの中を電車に乗って移動するって子供の発想ですよねぇ(*´∀`*)

なぜ別のゲームの世界へ行くことを「ターボする」って言うんだろう? 

最初のうちはこれが説明されず、観客は「?」と思ったまま、種明かしがあることを期待して、続きを見たくなってしまう。忘れた頃にご開帳。食べた物と同化する、ビーコン、メントス。まったく上手いです。伏線とはこうやって張るのだ、というお手本のようです。

悪役がじつは良いヤツだった、というアイディア自体もありがちでしょうが、一方でヒーローはやっぱりヒーローだったという二本立てになってるところがニクイです。

破壊するつもりで鉄柵にハンマーをふるったら、うっかり修繕してしまうところは爆笑。と思ったら壊し屋参上。彼の壊した車を直すには、もう一人の彼のちからが要る。

シリアスな顔して暴力をふるう世界の女性と、ギャグとして暴力を受ける世界の男性のコンビによるドツキ漫才。「解像度が高い」ゆえの悲劇と、低いゆえの打たれ強さ。

アクションゲームキャラのモーションキャプチャー的な動きと、レトロゲームのピコピコした動きの対比は、セルアニメで再現してもおそらく意味がないんで、ゲームそのものと同じCGで描くからこそ意味がある。もちろん実写では絶対に表現できない。

キャラクターに関しても、表現媒体という意味でも、伏線の点でも、まさに適材適所。これは論理のちからなのかもしれません。

悪役であることは悪いことじゃない。

戦闘部隊の指揮官が女性で、勲章をさずける将官が黒人。白人の少女にこそ最も似合いそうなピンクずくめのスイーツ世界の女王は黒髪。アメリカ映画は「マイノリティを愚か者、のけ者として描くな」というクレームを上手に消化してきたので、この点でも適材適所といっていいのでしょう。そのうち「かっこいいゲイの戦闘隊員」も登場するのかもしれません。

適材適所は米軍お得意の組織運営法かと思うと「かなわない」感満載で困っちゃうほどです。

ところでこの物語は、レトロゲームが30年間現役だったことが前提となるわけで、先日観た『レスラー』と同じです。

アメリカは物もちがいいな! と半ば呆れつつ、ヴェトナム帰りが凶行に及ぶ『タクシードライバー』以来迷走を続けてきた彼の国の社会も映画界も「俺たちのこの30年間は間違ってなかった!」と言いたいのかな、と、その前向きさがうらやましいようでもあります。



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