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2012年 『シュガー・ラッシュ』

街頭ポスターで見かけた黒髪の幼女の生意気な笑顔が可愛くて、ずっと気になっていましたが、買って良かったブルーレイ(・∀・)

参りました、というところでしょう。

ゲームの中には独自の現実があるというアイディア自体は、デジモンか? いや、それ以前にポケモンか? いずれにしても元ネタは日本じゃないかと思うのですが、それをよくもここまでやってくれやがったなというか面白いです。電源ケーブルの中を電車に乗って移動するって子供の発想ですよねぇ(*´∀`*)

なぜ別のゲームの世界へ行くことを「ターボする」って言うんだろう? 

最初のうちはこれが説明されず、観客は「?」と思ったまま、種明かしがあることを期待して、続きを見たくなってしまう。忘れた頃にご開帳。食べた物と同化する、ビーコン、メントス。まったく上手いです。伏線とはこうやって張るのだ、というお手本のようです。

悪役がじつは良いヤツだった、というアイディア自体もありがちでしょうが、一方でヒーローはやっぱりヒーローだったという二本立てになってるところがニクイです。

破壊するつもりで鉄柵にハンマーをふるったら、うっかり修繕してしまうところは爆笑。と思ったら壊し屋参上。彼の壊した車を直すには、もう一人の彼のちからが要る。

シリアスな顔して暴力をふるう世界の女性と、ギャグとして暴力を受ける世界の男性のコンビによるドツキ漫才。「解像度が高い」ゆえの悲劇と、低いゆえの打たれ強さ。

アクションゲームキャラのモーションキャプチャー的な動きと、レトロゲームのピコピコした動きの対比は、セルアニメで再現してもおそらく意味がないんで、ゲームそのものと同じCGで描くからこそ意味がある。もちろん実写では絶対に表現できない。

キャラクターに関しても、表現媒体という意味でも、伏線の点でも、まさに適材適所。これは論理のちからなのかもしれません。

悪役であることは悪いことじゃない。

戦闘部隊の指揮官が女性で、勲章をさずける将官が黒人。白人の少女にこそ最も似合いそうなピンクずくめのスイーツ世界の女王は黒髪。アメリカ映画は「マイノリティを愚か者、のけ者として描くな」というクレームを上手に消化してきたので、この点でも適材適所といっていいのでしょう。そのうち「かっこいいゲイの戦闘隊員」も登場するのかもしれません。

適材適所は米軍お得意の組織運営法かと思うと「かなわない」感満載で困っちゃうほどです。

ところでこの物語は、レトロゲームが30年間現役だったことが前提となるわけで、先日観た『レスラー』と同じです。

アメリカは物もちがいいな! と半ば呆れつつ、ヴェトナム帰りが凶行に及ぶ『タクシードライバー』以来迷走を続けてきた彼の国の社会も映画界も「俺たちのこの30年間は間違ってなかった!」と言いたいのかな、と、その前向きさがうらやましいようでもあります。



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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。