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【ありのままに化粧は濃いめ。~FROZEN再見記】

「人魚って素敵だな。わたしも海の中を自由に泳いでみたいな」
「薔薇に囲まれて眠り続けるお姫様って素敵だな」
「魔法でのびた長い髪って素敵だな」
「おそろしい野獣と可愛らしい女性の組み合わせって素敵だな」

と思いながら彼女たちを鑑賞する人にとって、人魚が人間になり、呪いが解ければ、夢の終わりである。

少なくともディズニー好みのお姫様物語というのは、「魔法によって一時的に異常な状態におかれていた人々が、平凡で健全な世界へ戻ってきました。皆さん、こころよく迎えてあげましょう」というものになっている。

もし「ボサボサの赤毛を笑いものにされた姫君が、『雪の結晶のように美しくなりたい』と願い、理想の姿を手に入れたけれども、心まで凍らせてしまい、国民に復讐しようとする。が、幼馴染の青年の『昔の君が好きだった』という言葉によって目を覚まし、もとの姿を取り戻す」なんて話だったら?

ここで「ありのままに」が歌われれば、「平凡で我慢しな。高望みしなさんな」というメッセージになる。

お姫様物語は、しばらくお休みだった。ポカホンタス、リロなど、化粧っけのない女性の時代が続いた。

『ターザン』では、ヴィクトリア調のドレスをものともせずジャングルを動き回り、しまいには野生児ならぬ野生女子となってしまう姿が描かれたが、時代はちょっと変わったようだ。

エルサというのは、当初は賢明な女王らしい清楚なドレスに装っていたものが、まるで「夜の蝶」のように派手な化粧と露出的なドレスにお色直ししながら、「ありのままに」と歌う。

そして、心の氷が解けてからも、その華麗な姿のままで国民に受け入れられる。

従来のディズニーヒロインには見られなかった、あのピンクと紫の派手な化粧は、けっこうに重要だと思う。

ひっこみ思案なアヒルの子から、誇り高い白鳥へ。でも、どんなに美しい女性も、独りでは生きていけない。

女心のツボの突き方は、じつに巧みだ。

セルアニメでアイシャドウや頬紅まで描くと、きつくなるので、透明感を表現できるCG時代ならではの成功例でもある。

これが世界の女性に受け入れられたなら、いまなお化粧っけのない少女を愛好し続けるジブリは……どこで勝負できるだろうか。





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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。