絵本『ヘリオット先生とドノバンおばさん』を読みました。

  11, 2012 10:13
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翻訳絵本じゃないのですなこれ。リアル獣医師ヘリオット先生による短編の、日本人画家による絵物語化。
1950年代の映画を観ているような、古き良きイギリスの街を行く紳士淑女(と飼い犬をはじめとする動物たち)の様子が、サッとデッサンしたところへ軽く水彩をはいたというタッチで描かれ、とてもロマンチックです。

原題を直訳すると『ドノバンおばさんと彼女の犬』
獣医師さんから見た、街の世話好きおばさんのエピソード。
子供には(大人にも)ややショッキングな場面が詳述され、その後、おばさんと犬が救い救われて爽やかなハッピーエンドを迎える。

読後感は『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン)に似てます。あれと同じくらい文章量があるので、子供に「読んで」って差し出されたら、腰をすえて下さい。たぶん大人のほうがジンワリ。
うちは次女が幼稚園で借りてきたのですわ。よくぞ見つけた。以下は細かいネタバレです。



ヘリオット先生は街の獣医師さんです、と始まるので、この人が犬を救う物語かと思うと、違うのでした。彼はワトソン役なわけで、絵本には珍しい「額縁」構成と思ったら、手記的なシリーズ小説の一貫なのですね。

ドノバンおばさんはイギリスらしい噂好きの小柄なおばさんで、動物好きで、彼ら用の傷薬やシャンプーまで独自調合し、治療にも口を出す。ヘリオット先生はまだ若い男性として描かれており、この人から見ると厄介な素人のはずなんだけど、飼い犬を連れて街行くおばさんを見守るこの先生の、優しい温かい眼差しが良いです。

犬と人との支えあいに加えて、世代と性別と立場を超えた人と人の友情。
……震災後に出版された(2011年5月)にふさわしい物語かと思いました。

リアルなようでリアルだけでは済ませない、動物たちのおちゃめな様子を描いた、絵的なイタズラがもう一つの見どころです。
手にとって御覧ください(*´∀`*) 
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