【商業的に確立されたBL分野は氷山の一角】

  19, 2014 20:06
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商業的に確立されたボーイズラブという分野は、「娯楽消費される男子同性愛表象」という氷山の一角にすぎない。

消費する当事者はゲイであることもあるし、ストレート男性であることもあるし、ストレート女性であることもあるし、レズビアン女性であることもある。

最後のパターンは「ない」かのように思われるが、じつはあるんである。(アメリカから報告されている)

アメリカにおける「スラッシュ」は、最初から中年男性俳優同士をイメージモデルとしていた。

日本における二次創作BLが、1970年代のSFアニメから始まったというなら、そこに登場したのは筋骨たくましい青年たちだった。なんせ地球を救うヒーローである。

にもかかわらず、なぜボーイズラブは「線が細い」のか。そのようなものだけが出版を許されていた時期があり、それが模倣を生んだからだ。

青池保子は歴史上に実在した美少年(だったとして伝えられる人物)への関心を少女漫画の技法で表現した。彼らは、日本人としては、いかにも身長が高すぎ、目が大きすぎた。

竹宮恵子は、寄宿制中高一貫校において音楽を勉強する少年たちと、後期ロマン派の文学者への関心を、少女漫画の技法で表現した。

一部の成人女性漫画作家による少年趣味の表現が、男性編集者によってGOサインを与えられ、少女漫画雑誌の読者という低年齢層へ向けて公開されたから、……

「低年齢者が、少女漫画という媒体によって、本来は成人のものだった少年趣味を嗜む」という行動自体が、ステレオタイプ化しただけだ。

その他の部分は、べつに禁止されたわけでもないから、そのまま存在している。表面的に禁止したところで、「内面の自由」までは手のつけようがない。

だから「女性がこんなものを読むようになったか」と不思議がる必要はない。

「時代だなァ」と感じるポイントがあるとしたら、「これを扱う編集者が出てきたか」だ。

そして多分、「そこまで踏み込む必要があるほど、出版事情が逼迫している」というあたりに思いを馳せるとよろしいんではないかと思う。

二十四年組ほかによる美少年作品の発表が許された1970年代後半が、好景気だったか、不景気だったか、よくよく思い出してみるまでもない。


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