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【宇宙戦艦ヤマトは九州の泥に埋もれていた。】

1974年、オイルショックに喘ぐ大地を蹴り、光化学スモッグの空を飛んだ。

それは、資源のない国の最後の希望である、海外最先端技術を理解し、持ち帰ることのできる者、すなわち地方出身の優秀な大学生の象徴だった。

誰かがそれをやらねばならぬから、傾きながらも飛び立った。格好悪い者が、いちばんカッコいいのだ。

その後、対米輸出が輸入を上回る時代がきた。1970年代に20代だった人が、働き盛りの中年となって、確かに頑張ったのだ。

だから、ヤマトは都会で遊びすぎて人の変わった女のようになってしまってはいけない。それはそうだ。

では、当時の人にとってはどうだったろうか。

戦後29年である。

1945年の人口ピラミッドというグラフを見ると、20代後半の男性が極端に少ない。

海軍兵学校卒業生の中で最も戦死者が多いのも、この世代だ。

からくも復員できた人は、1974年には50代後半。現役だ。官公庁・企業・教育現場の指導的立場にいる。政治家・伝統芸能家などにとっては、まだまだこれからだ。

彼らの目に、茶髪の若者と金髪の若い婦人が乗り込む巨大戦艦は、どのように映っただろうか。

「ビートルズが戦争ごっこか。ふざけるな」か? 

「まァ仕方ないさ」か。

1950年代に大学生・高校生で、SF御三家の登場に衝撃を受けた人々はどうだろうか。20年が経過して、彼らは働き盛りの中年だ。「ワープ、ワープ」と繰り返す勧善懲悪スペースオペラを彼らはどう見たろうか。

「今の若いもんは」

……って言っただろう。たぶん。

そのヤマトの再放送ブームからちょうど20年後に発表された『エヴァ』を鼻で笑う人がいるように。

(『エヴァ』から約20年後が『進撃』だ。)



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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。