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【女のロマンの多様性。】

男のロマンは、親友と妻を同時に得ること。与謝野鉄幹『人を恋ふる歌』を参照のこと。

女のロマンも、本来は、親友と夫を同時に得ることだ。池田理代子『ベルサイユのばら』を参照のこと。あの作品が不動の人気を誇るのも当然だ。

マリーとオスカルは、互いを「悪い女ね」と罵り合うことはない。それぞれの道を誇り高く生きることを、心の内で応援し合う。

アンドレとオスカルは正式の結婚式を挙げていないが、決め台詞は「私の夫」だ。

マリーは……ルイ16世、じつは妻とフェルゼン伯の関係をご存知だ。妻を殴ったりはしない。

女性にとっての御都合主義ではあるが、男性が読んでも“気高く優しい男”という要素は、悪い気分ではない。

宝塚化は男性脚本・演出による。もちろん企画を通した上層部も、ほとんどが男性だろう。その名を冠した薔薇の品種改良に取り組んだのも、おそらくは男性だ。化粧品会社などの上層部も男性だろう。

女性が『ベルばら』を愛することを、男性も快く受け入れることができる。欲しがるなら、どんどん売ってあげなさいと笑いながら言うことができる。

いっぽう、信長の情人としての森蘭や、ジルベール・コクトーは、アニメ化されても着せ替え人形にはならない。実写映画化は、企画されてはならない。

男性社会の現実としても、物語においても、年齢差・身分差を利用したパワハラや、喧嘩後の制裁や、拷問の一種として、ストレート男性同士の性暴力というのはあり得る。

男性読者にとっては、もっとも恐ろしい・許しがたい場面のひとつだ。犯人は、だいたい後で誅殺される。そのような事件を軍隊の恥部として追及する映画もあった。

「この頃流行りの“男のロマン”に対して、彼らが最も恐れるアイディアで切り返すことこそ、真の女のロマン」

……ごく一部の才女が、どうやらそのように考えた。

最初からブラックジョークの性質を帯びており、しかも「これぞ至高」と自己陶酔する。傍目には奇妙な二律背反が、耽美趣味を満たしている。


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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。