【文科省・学校基本調査速報に見るアニメファンの動向。】

  24, 2014 20:41
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1950年代に生まれて、1970年代に学部へ現役合格した率は、1980年代の現役合格率より高いです。

「率」ですから、背景にあるのは高卒者の絶対数、さらにその背景にあるのは出生者の絶対数です。

1950年代生まれは、その親が出征した世代に当たり、一夫一婦制の前提となる青年男子の人数が少なかったので、生まれた子供も少ないです。

中卒で働き始める人が今より多かったかもしれませんが、学生運動が一段落した後の昭和45年から「高校へ行った以上は大学まで行こう」という人が急増します。

この中に、初期の同人誌即売会を支えた人々がおり、その何割かが『宇宙戦艦ヤマト』を含むアニメ番組を応援し、さらにそのうちの何パーセントかが男女を問わず二次創作を始めたことになります。

学生運動の闘士たちがバリケードの中で『あしたのジョー』を読んでいたのは有名な話です。草野球というのはありますが、企業や自営業者の漫画部というのはあまり聞かないので、やはり漫画・アニメは大学生、その候補である高校生が支えた文化だったでしょう。

ごく大雑把な印象として、この時期のそれは、高学歴志向が支えていたとも言えそうです。

1960年代、特に後半に入ると、出生数が急激に伸び始めますが、その子たちが現役受験生となった頃の進学率は、逆に漸減します。「あれ?」って感じです。生まれる子供が増えたから、一層多くの子が進学したのではなく、進学者の絶対数がそんなに変わらなかったことになります。

受け入れ大学の数が急に増えるわけではないので、当たり前といえば当たり前です。足切りなどという恐ろしい言葉もありました。

現役合格率を見ているので、浪人後に合格・進学した人がいるはずですが、そのぶん年下の受験者が押し出された格好になるので、同じことだろうと思います。

もし大卒者のほうが有利な就職ができるなら、今の40代は、そんなに有利な就職ができなかった人の数が、ひじょうに多いことになります。しかもこの世代はバブル崩壊に巻き込まれ、就職氷河期の当事者となっています。

しかも、今の40代の非婚率はそんなに高くありません。たしか2割くらいです。逆に言えば、8割くらいの人が、そんなに有利な就職ができなかったにもかかわらず結婚し、その内の多くの人が、懸命に子育てしています。

ということは、彼らは自分のためのアニメグッズなんぞに金を出しません。

非婚者の全員がアニメファンでもありません。

ファースト・ガンダム人気は嘘ではありませんが、おそらく子供のために契約したスカパーで「見るだけ」です。

グッズの売上を見込んで各企業が競って「あやかろう」とするほどではありません。

さらに厄介なのは、平成2年度から進学率の驀進が始まりますが、これ以降の世代の正規雇用率が良くないことです。

親御さんにしてみれば、学費を取り戻せていません。30歳過ぎた子供を養うために貯蓄を切り崩している、または貯蓄ができない状態のはずです。

なぜ、ここでアニメグッズが売れるのか。

海外旅行へ行けないからです。なけなしの金を、より安価なアニメグッズのまとめ買いに投じるなら、そのぶん、テレビも買えません。

A社が若者に与えた給料を、アニメグッズと引き換えにB社が受け取れば、同じ金が国内を廻っているだけです。B社が利益の投資先をまちがえれば、A社がつぶれ、若者が受け取る給料もなくなって、B社もつぶれます。

1980年代の同人誌即売会で廻っていた金は、やおい少女とか、ロリ少年とかの親が輸出でかせいだ外貨の一部が、二十代の同人作家の手に渡っていただけです。フルカラー同人誌とかの豪気な話は、要するにまともな社会人活動のおこぼれです。

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