【ワイン国際大会金賞者にセクハラ。】

  13, 2015 12:34
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3月21日に見たテレビ番組の思い出。

甲州ワインの醸造家で、世界的コンクールの金賞受賞者である女性の丁寧な仕事ぶりを紹介した後、「ひな壇」の若手芸人が結婚に関する質問を開始し、その場で交際を申し込み、彼女から仕事を理由に断られると怒鳴りだす、という展開がありました。

なぜ女性が仕事に集中したいと、男性に侮辱されなければならないのでしょうか。

日本では「怒鳴りつける」ことが言葉の暴力として認識されていませんが、威圧行為であり、暴力の行使であり、パワハラであり、人権侵害です。

また、話の内容からいって、セクハラです。

西欧文化の後追いでしかない日本が、世界的醸造家を輩出した。幕末の開国以来の悲願を達成したといっても良いでしょう。スタジオ全員・国民全体がスタンディングオベーションをもって迎えるべき快挙です。

それを「俺から見れば、ただの女だぜ」という話に落として行くのは、不適切です。

ワイン醸造も「男の世界」として、彼女は並々ならぬ苦労を乗り越えてきたことでしょう。「女には無理」といった性差別発言にも苦しめられてきたかもしれません。

彼女のご両親・友人たちは、彼女が醸造家の道を歩むことを応援したでしょう。それは、無礼な男に怒鳴らせるためではありません。

日本のテレビ番組が、世界的ワインコンクールを侮辱したことにもなります。

芸人は台本に従って「仕事」をしただけなので、企画・脚本といった裏方の責任です。

若手芸人に「もてない」という損な役柄を割りふり、彼自身を「いじる」ということのために、女性の尊厳を利用し、犠牲にしたのです。

ことの重大さに気づかない人が、日本のテレビ局に多いのであれば残念です。


【テレビは独身男性で出来ている。】

地元に残って家業を継ぐという人が、同時に中央へ進出してテレビマンになるということはあり得ません。

一旗あげるといった意識をもって地元を出発した独身男性が、テレビの世界へ入ります。

東京都民であっても、浅草の老舗・伝統芸能の継承者といった人々は、やっぱりテレビマンにはなりません。

根なし草とか、風来坊とか、失うものは何もないとか、どこかそういう要素をもった若者が、テレビ局や制作会社といったところへ集まって、自分たち自身が「面白そう」と思うものを追求すると、性と暴力の話題が多くなる。

テレビドラマに多かったのは、無一文の風来坊が、どこからともなく現れて、かっこいいところを見せて去っていく。女が惚れてくれる。そういう話でした。

かっこいいとは、事実上、暴力沙汰に勝ち残ることです。

洋の東西を問わず、そういった番組は、視聴者以前にテレビマンの自尊感情を表現していたのでしょう。

先輩が後輩に暴言を加えたり、わざと辛い事をさせたりするというのも、独身男性社会のイニシエーションとして、普遍的な要素です。

アニメも、テレビ番組の一種として、子供向けを口実にしたヤングアダルト自身のための娯楽という要素をもっています。これは今に始まった話ではなく、すでに1960年代からそうだったといってよろしいでしょう。

結論的には、これもゾーニングの問題で、芸人を起用したバラエティ番組で、素人さんを紹介する時には、気をつけるとよろしいです。



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