【著作権の件② ~二次創作許可マーク。】

  15, 2015 10:21
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複製権を無償で手放すと、海賊版売り放題なわけで、正規品は売れなくなります。

翻案権を無償で手放すと、映画化し放題なわけで、著作権者は莫大な権利料を受け取れなくなります。

キャラクター商品についても、いちいち権利料を受け取りたいです。

が、「二次創作だけは無償で許可してやりたい」というので考え出されたのが二次創作許可マークですが、それはもともと著作権の侵害に当たっていない可能性もあります。

原作者とは別人による仕事であることが一目瞭然な、似ても似つかない作品に原作の題号(タイトル)が表示されていれば「許可とったの?」となるのは当然ですが……

いわゆる二次創作に原作の題号が明示してあることは少ないものです。このへんの機微は、もうずいぶん前から「同人」に理解が共有されていたように思われます。

著作権法は、そんなに難しい決まりではありません。もともと創作同人というものは、最低でも字が読めるわけで、その何割かは進学を機会に上京した優秀な青年たちですから、法律の勉強だって、やれば出来ます。


【連想。】

では、明確に「あれのパロディです」と宣言していないものが、なぜ一部の人には「それだ」と分かるのか。

先に「あれ」を知っているからです。いくつかの要素の組み合わせによって「ああ、あれだ」と連想されるからです。

この、人間の脳に備わった「連想」という機能を利用した、分かる人には分かるという現象の面白さは、アニメ版『妖怪ウォッチ』が駆使しております。

根本的なことを言うと、人間には海馬領域が刺激されることを好むという性質があるんじゃないかと思います。アハ。


【運用上の不便。】

で……許可マーク。

じつはCCライセンスもそうなのですが、これは「許可マークを掲載した原作をつねに携帯しないと疑いを晴らせない」というものです。

二次創作を置いた展示台の隣に原作本(のマーク掲載頁)を展示し、問題ないことをお知らせする、という必要があります。

本当は、駐車許可証・入園許可証のように、二次創作物のほうにハンコを押すとか、許可証をプリントアウトして貼り付けるとか、創作者自身にカードを携帯させるとかでないと意味がないです。

ハンコ・印紙はもちろん検閲の意味を持ってしまいます。各自許可証を必携のこととなれば、原作の数だけ首にぶら下げることになるでしょう。


【BLであること。】

もう一つ、意味合いのちがう問題があって、これを提唱した人は男性です。

彼自身が二次創作畑出身であることを認めた上で、後輩にも認めてやると言い出したわけです。

彼が「BL化へのフェアユース概念の適用は無理でしょう」といえば?

フェアユースとは、一般社会によって、使用の公益性を認められることです。たとえば法律の条文などは、いちいち関連省庁へ許可願いを出さなくても、誰でも参照し、引用することができます。

BL化のフェアユースは無理といえば、ある作品の登場人物(の名前)を自作BL作品の主人公として使用した場合、一般社会がそれを認めないという意味です。

おそらく、彼の描いたものは、BLに分類されるものではありません。どちらかというと、「ロリ」とか「百合」とか言われるものであるでしょう。「残虐」かもしれません。

……それらは、一般社会によって公益性を認められるつもりでしょうか?

「いや、そのつもりはない」と言うならば、なぜ「およそ全ての二次創作は、公益性を認められない」(だから特別に原作者権限によって許可制を確立しよう)という話にならないのか?

ひらたく言うと、「ロリなら良いが、BLは無理」という個人的嫌悪感を表明してしまったのでした。

これによって偏見が助長され、BL派がひじょうに困るという事態が起こるわけです。

ここでBL創作者みずから「元々やばいし~~」と笑ってはいけません。

“表現の自由が自主検閲されるべきであると事実上強制されている件”について、創作者自身はあくまで「憤懣やるかたない」という言い方をしておくものです。


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