【同人の作風は1980年から変わっていません。】

  14, 2015 10:19
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1980年の時点で、すでに多くの人の手に「この程度だったら私にも書けそうだから、次は出品してみよう」と思わせるか……

「友達に借りた同人誌が面白かったから、次は自分で買いに行こう」

と思わせる物が行き渡っていたから、1981年のコミケにおいて、最初のアニメブームが起きたと考えることができます。

つまり、すでに特殊なテーマを持った同人誌というものが存在し、多くの人に購入されていたのです。

1970年代後半というのは、ハイティーンを主人公とする巨大(合体)ロボットアニメが矢継ぎ早に放映された時代であると同時に、それが女性ファンにも人気があることが認識された時代でもありました。

だから、1980年に『ふぁんろ~ど』、1982年に『アニメージュ』が創刊され得たのです。

男性ファンに女性ファンが加われば、1.5倍から数倍の購読者が見込める道理です。

べつに欲目ではなく、アニメの興隆は、かなり早い時期から女性を駆動力の一つとしていたと思います。


【SFの皮肉。】

1980年代後半に入ると、男性が少年漫画として描いたものが、まるで少女漫画のようであるということが起きてしまいました。

これは、彼ら自身が二十四年組などを読んでみて「それまでの劇画に比べて新しく、カッコいい」と感じたことによっていたはずです。

なにも、もともと本宮ひろ志のような絵を描いていた同人が、プロデビューにあたって女性ファンにおもねるように編集者に説得され、泣く泣く画風を変えたなんてことは、なかっただろうと思います。

だからこそ、自分の味方が少なくなったと感じる旧世代ファンが嘆くわけですが、流行の変遷というのは、その最大の動機を「先代の否定」に置いていると思われます。

つまり、それが男性の未来にとって有益かどうかなどとはあまり考えられることなく、昔のものとは違うという、そのこと自体に価値があるのです。

そもそもSFというのは、大人社会に向かって「このまま行くと大変なことになる。今のあんた達は間違っている」と指摘するものです。

SFファン男性から、先代SFファン男性を否定する作風が生まれてくるのは当然なのです。

この運命の皮肉には、SFファンなら気づかなければなりません。


【一世代たちました。】

女性同人に話を戻すと、1980年には双葉だったものが、1981年に最初の花を咲かせ、1983年には一斉開花となったわけで、例のサッカーアニメの二次創作以来、作風は基本的に変わっていません。

男性プロ漫画家の作風が女性化したことが表面化したのが、1980年代後半だったので、「女流が先で、男が後」というタイムラグがあったように見えるのですが、水面下では、時を同じくして動き始めていたでしょう。

以来、30年。

そろそろ新しい作風が求められるようになっても良い頃ですが、如何。


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