【挫折した同人のほうが多いです。】

  12, 2015 09:36
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誰しも自分の属する「ムラ」を守りたいのは当たり前です。だからこそ、現役のムラビトは、めったなことを申しません。

事情通ぶった顔をして、お金に絡んだ悪い話ばかり広めたがる人は、ひそかに現役をつぶしたいと願っている人です。

コミケも今年で40周年です。

どこの業界も同じですが「今年のナンバーワン」と認められる人は、40年間で40人しか存在しません。夏・冬を別に計上しても、80人です。

年2回開催していなかった時代もあり、夏冬を連覇したキング(クイーン)もいるはずなので、実際には80人以下です。

以下、100位まではランキングできるとしても……

その他は、ほとんどが挫折者です。途中で辞めちゃった人です。

【淘汰。】

世界最大といわれる日本のコミケも、七十二億人以上の内の、たった五十万人ほどです。日本全国四十七都道府県から平均的に上京してきているとすると、高校の同級生に会える確率は低いです。

やっぱり、ごく少数の人が才能を試すためにわざわざ出場してきているには違いありません。

二次創作というものも、他人の作品をすっかりトレースして、自分の名前で売るものではありません。目の肥えた常連には、すぐ見破られてしまいます。やっぱり、オリジナリティが必要です。

売れれば続けていられるのですから、辞めちゃった人は、アイディアが枯渇して、売れなくなっちゃった人です。

だからこそ「あの頃は売れた」と自慢したがるのですが、同人が悪目立ちしても利点はありません。

売れると聞いて、出展希望者が増えれば、会場キャパに限界がある以上、出展ブース割当抽選のハードルが上がるだけだからです。

自慢しすぎ、友達を誘いすぎて、けっきょく自分が出展できなくなった人がいるはずです。

【個人誌とは。】

個人誌というのは、たんなる私家版の作品集です。単発の自費出版というだけです。

本物の同人誌(同好会の会報)なら、前もって会員から年会費を預かっており、会員名簿に従って各自の自宅へ発送すれば良いですが……

対面販売なら、お客様は匿名です。そのつもりで個人で数百部も用意した私家版が、対面販売する機会をなくせば丸損です。

地方の似たような催事へ持ち込む手もありますが、交通費のほうが高くつく可能性もあります。

半年後のメインイベントに当選できても、半年の間に流行も話題も変わっています。

パロディにもいろいろあって、未来の戦士だった若者が現代日本の高校へ通っている話に改変されており、事実上のオリジナル連載となって固定ファンを得ていれば「待ってました」と言ってくれる人もあるかもしれません。

でも作者自身が「どうせただのエロ」という偏見を持っていれば、ワンパターンなものしか書けませんから、飽きられるのも早いです。

また自分自身が先輩の作品を読んで「ただのエロだから簡単」と思って書き始めたなら、若い人がそれを見て、同じように真似をします。

お笑い芸人の変遷がめまぐるしいように、ジョークのセンスなら、どんどん新しい人が出てきます。自分自身が大学・高校を卒業してしまえば、若者同士の会話にも疎くなります。

綿矢りさのように、青春の思い出を描いた純文学なら、文学賞を獲れる可能性があります。でも、アニパロを応募することはできません。

大学生なら18歳以上の成人ですから、エロスを書くことは構いませんが、名の通ったアダルト出版社であればあるほど、他社が出版権を有する作品の無断翻案を新人の投稿作品として受け入れることはありません。

もちろん一般書店にお願いして置いてもらうということもできません。ご当地の慈善バザーや市民フリマに出すこともできません。

流行に乗ったつもりのアニパロ個人誌が、一度赤字を出してしまえば、取り戻すことはできないのです。

【就活への影響。】

だから、卒業までに同人活動を辞められるように、就職内定を得ておかなければなりません。

が、同人活動に夢中で、資格もなにも得ていないために、つぶしも何もききません。

編集者との人脈だけ自慢しても無意味です。

繁華街で遊んだ経験のある人ほど勘違いしやすいのですが、通ぶった顔をしたお客様であることと、本物の業界人であることは、まったく違うのです。

学問の片手間に、小遣いかせぎのつもりで同人活動に足をつっこみ、業界人きどりになることは、本当にリスキーです。「足を洗えなくなった」という人がいる道理です。

でも、洗えない内はマシ、と考えることもできます。

もし何回出展しても売れなくなって、二重三重に赤字を抱え、完全撤退せざるを得なくなれば、足を洗わざるを得なくなったということですが、後がありません。

同人関係の炎上騒ぎが起きた時には、よくよく読むと良いのですが、売れ行き好調な現役同人が「有名サークルが私達の約束を破ったわ!」と告発することはほとんどありません。

ルサンチマン横溢する「もと同人」の言説は、黒バス犯と同じように、自分の人生の失敗を親や先輩や社会のせいにすることも多いので、創作のネタになるとでも思って読んでおくと良いです。

逆に言うと、若い参加者から「いつまでやってるんですか?」と当てこすりを言われる中年同人は、じつは「どうすれば生き残ることができるんですか?」と羨ましがられています。

自信を持ってください。そして、頑張ってください。

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