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【会田と田亀。】


ハイアートがサブカルを要素として取り込んでおいて、批判されると漫画を言い訳にするのは不愉快きわまる。

会田誠の展覧会が物議をかもした時に田亀源五郎が言ったことが、正鵠を射ていると思います。

この場合のハイアートとは、特権的な富裕層が支える文化とか、一般に「高級」と見なされる美術品とか、そういう意味です。

田亀は逆にサブカルへアカデミックな技術(ルネサンス的な正確な人体表現)を取り込んだ人ですが、それがかえってアカデミズムを刺激し、批判を生む恐れがあるのも承知で、つねに背水の陣を張っているわけです。

ただし、会田自身はあれこれ言い訳をしなかったと思います。したのは美術館だったはずです。

会田の作品が幾らで取引されるものか存じ上げませんけれども、希少性の高い作品ですから、一万円ポッキリってこともないはずで、彼自身はその作品を愛好する御仁へ直接売ってやることで、一度に数十万・数百万円(ドル?)を受け取ることができ、生活には困らないはずです。

熱心な愛好家だけで組織される品評会や専門店というものは、どこの業界にもあるわけで、その内部でだけ廻っていてもよかった作品を、広く一般に公開して、入場料という利益を得ようとしたのは美術館です。だから問題になるのは美術館の態度ということになります。

ゾーニングすれば大丈夫だと思うなら徹底的にやればよかったことです。営利行為の防衛策として「表現の自由」を盾に取るなら、それを徹底すればよかったことです。

森アーツも、最初は「自由」と言っていたはずですが、途中で変節したのが残念だったのです。たぶん批判の強さに耐えかねたということだったのでしょう。

でも正式に告訴されたわけでもなく、「事件の犯人」でもありませんし、たとえ事件の犯人であってさえも、人権が守られる措置は取られています。

それに対して、私的制裁を加える社会のほうは、どうなのか。憲法と法律に違反していないと言えるのか。

これについて法律家に尋ねれば、おそらく興味深い答えが返ってくるでしょう。彼らは遵法精神の味方であって、興奮した一般市民の味方ではありません。

だから「厳密に」考えていけばいくほど、事態は沈静化していくということがあります。だからこそ、最初からあまり興奮しないのが「大人の対応」と言うのでしょう。

大人になるということは、ずるいことをするという意味ではないですし、合理的であるということは「筋が通る」ことであって、打算的であるという意味ではないです。



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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。