書道をイメージ利用した漫画。

  16, 2015 10:14
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数年前に講談社『イブニング』誌上で、書道家を主人公にした作品が掲載されていたと思います。

市井で暮らす人々の人生模様を描いた上で、型破りな若手書道パフォーマーが、彼(女)の人生を象徴する漢字を記した作品を進呈するという話だったと思います。

その書を制作するにあたって、紙はどこどこ産の高級紙、筆は何号、膠の混ぜ具合は……なんて解説をするわけではないわけでした。

酒井美羽『ミルクタイムにささやいて』では、主人公ミミちゃんのお父さんが書道家という設定で、大作を書くための墨液に木工用ボンドを混ぜる姿が描かれていたと思います。

ミミちゃんの夫君は、たしか日本画家でしたが、やっぱり仕事の詳細はほとんど描写されていなかったと思います。

いずれも(今どき)普段から和装という男性たちで、書家や日本画家のステレオタイプ利用ということだったのでしょう。

漫画家はもともと絵や「描き文字」に興味のある人々ですから、ほんと言うと日本画家になりたかったな、書道もやってみたいなという憧れがあるのでしょう。

でも詳細を調べて描くということは、なかなか出来なかったというのが、少し前までの女流のふつうの姿だったかと思います。

いわゆる同人活動も、少女がサッカー選手を描いているといいながら、サッカーについては全く知らないということがあったもので、これが異端視されたこともあったのですが、女性の創作態度として、わりに一般的な現象が、そのまま若い世代へも引き継がれただけのことだったろうと思われます。

考えてみると男性の中にも、本当によく調べてから描くことのできる人は少数派で、だからこそ彼らの作品に高値がつくわけです。

……村上隆の作品は、よく調べて描いた内の一つでしょうか。

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