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婦女子と成人男子。


女性を意味する「婦人」に対して、男性を意味する「夫人」という言葉はありません。

婦人参政権の前提となった普通選挙の当事者は、男性参政権というふうには言われません。貴族にかぎらず「一般成人男子の参政権」というふうに言われるはずです。

成人男子とは「成人のオッサンと、男の子」ではありません。「成人で、男のやつ」です。

とすると、本当は婦女子という言葉も「成人で、女のやつ」を意味したんじゃないんでしょうか。

「いや、それなら成人女子というべきで、婦という言葉を使う時点で成人(一人前の人間)として認めていない。差別だ」ということもできそうではあります。

ねえやが15歳で嫁に行った時代には、見るからに子どもだけれども異性と同衾した経験もあれば、出産の経験もあるという人がいたわけで、確かに男性から見て「判別しにくい」ということがあったかもしれません。

それもあって、江戸時代以前には未婚者と既婚者で髪型を変えたり、歯を染めたりしたわけです。

でも白い歯が良いとされる時代になり、洋装や断髪が流行る時代になると、もう見た目では判別しにくくなる。

妊娠中には太い帯ができないので、女学校時代の袴を着用していたという話もあり、こうなると「当世ふうの女学生だと思ったら人妻だった。実年齢18歳」ってなこともあったわけです。

「あんた、若く見えるけど人妻ですか、処女ですか」と確かめることが失礼なのは言うまでもありません。とすると、ミセスとミスを区別せずに「婦女子」というのは、むしろ女権尊重となります。

あまり小さな子を指して「尋常小学校へ通う婦女子」って言い方もしないわけで、実際のところ婦女子という言葉が意味していたものは現在でいうところの女性一般、端的には「すでに大人の女性としての経験がある人」のことだったんじゃないでしょうか。

言葉の本義が失われて、文字通りにとらえた民間語源的な解釈が生じることはあります。山なし落ちなしを本当に下手でもいいと思い込んだ「やおい」がいい例です。

個人的には「いつまでも旧弊な男性中心社会も困るが、ラディカルフェミニズムの言い分もおかしいだろう」という中道派として、ちょっと最初に戻って考え直してみませんかという、別の意味のラディカリズムを提唱してみたい気分でおります。

ここで同人方面へ話を振ると「二次創作活動に夢中で婚期をのがした女性」という意味であれば、重要なのは前半です。

それは「二次創作に関する約束事を守ることができる」、すなわち仲間を守るためなら泥もかぶる、余計な暴露話をしない業界人を意味していたはずです。

「二次創作なんて出品したこともないが、私もオールドミスだから腐女子である」と言いながら、はた迷惑な暴露話で書籍や論文を挙げちゃう人が現れると、話がややこしくなるわけです。

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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。