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1980年代は三番煎じです。


1978年に連載開始された魔夜峰央『パタリロ!』が、先行する萩尾・竹宮作品のパロディであることは明らかですから、その後で白泉社『花とゆめ』誌上で連載開始した女流作品は、三番煎じ以下です。

アマチュア作家の一部において、アニメを見ながら小説を書くという奇妙な流派は、すでにその頃には成立していて、それがプロ作品と混同されるとプロに迷惑がかかる。ひいては同人誌即売会そのものの存続にかかわる。だからこそ、わざわざアマチュアのほうから差別化を図って、アニパロ耽美ではなく「やおい」と称することにしたのです。お間違えなさいませんように。

それを受けて、1981年に、さるSFアニメ番組に基づく「ブーム」が起きたと伝えられます。

その後、1983年に、有名なサッカーアニメに基づいて、さらに大きなブームが起きたのが、多くの人に「やおい元年」のように認識されているのですが、そういうわけですから、この時点ですでに三番煎じです。

その三番煎じ同士を混ぜこぜに呑んだだけで「自分は漫画しか読んだことのない同人界の大先輩だ!」と変な自慢をしてしまう人もいることです。

少し前に「にわか」という言葉が取り沙汰されていましたが、このタイプを「80年代にわか同人」と呼んでもいいのかもしれません。

その中には自分が「イナゴ」と呼ばれるタイプだったことにも気づいていない人もいるようです。

(そのような言葉が使われるようになる前に、売れなくなって辞めてしまったからです。)

【自己中心主義の逃避先。】

重要なのは、1970年代の漫画家が、先行する文芸作品を読んだ結果、ぼんやりと抱いていた「美少年への憧れ」という気持ちに支柱を得て、作品に結実させたことです。

彼女たちが少なくともエドガー・アラン・ポー、森鴎外、稲垣足穂を読んでいたことは、彼女たちの作品から明らかです。

泉鏡花や江戸川乱歩を読んでいた人もいたらしく思われます。澁澤龍彦と、彼が訳したサドは基本中の基本かもしれません。

二十四年組は、まずなによりも女だてらにSF漫画を描いた人々として認識されていますが、SF作家は三島由紀夫を通じて耽美派につながっています。

またSFというのは、もともと現代社会を風刺する文芸で、過去の芸術を志向する耽美派とは、発生時期からいっても、背中合わせの双子です。

だから「美少年漫画の源流には文学がある」という話は、読んだことのある人ならみんな知っていることをくり返しているだけで、珍奇な説でもなんでもありません。

「でも小説なんか関係ない! 私は漫画しか読んでない!」という人は?

おそらく、二十四年組作品をきちんと読んでいないのです。本当に1980年代の三番煎じしか読んでいないのです。

さらに、話の主題が1970年代の漫画家であることが理解できずに、自分が話題にされていると思い込んでしまっているのです。

いわゆる同人の中に、ひじょうに短絡的で自己中心的な人が含まれていることは確かです。

ある意味「純粋培養されたアニパロ同人」とは言えるのかもしれません。それが病んだ感じになりやすいという点に留意する必要があるでしょう。


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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。