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平清盛と整合性。


当ブログが創作物の整合性ってことを考え始めたきっかけは、2012年度NHK大河ドラマ『平清盛』でした。

「話がおかしいだろ、これ!?」と、すごく感じたのです。

並行して海外ドラマ『スパルタカス』(原題: Spartacus: Blood and Sand )をDVD視聴していたという個人的事情もあって、あちらは見事に伏線を回収して話をまとめていくものですから、物語の合理性における彼我の違いに呆気に取られたものです。

同じ頃、ハーバードのサンデル先生の動画が流行っていたのですが、あのように論理を駆使して矛盾をつくことは、日本のSF作家・ミステリー作家が行ってきたはずです。

で、優れた脚本家を輩出してきたはずの日本創作界が、なぜこうなっちゃったのかと考えていくと、やっぱり1980年代に「山なし落ちなし」という言葉を真に受けて、前後関係を無視する創作技法を身につけてしまった女流が輩出されたことに一因があるだろうと思われるわけです。

『平清盛』は、脚本家の「男の友情萌え~~♪」という女流同人的興味によって成り立っていることは明らかです。

それ自体は、マイノリティの表現活動がついに公認されたといってもよく、だからツイッターなどで一部視聴者が大フィーバーという現象が見られたわけですが……

清盛と信西の友情を追及すれば、平治の乱が起きないことになる、とは以前にも申し上げた通りです。

それでは困るので、清盛を危機感のない総領の甚六として描く必要があった。でも、それでは彼が急に貿易に目覚めるのはおかしい。

それもあって、海外担当の兎丸というオリジナルキャラクターが起用されたわけですが、一般に二次創作におけるオリキャラというのは、作者自身が作中に登場してみたい気持ちの表れで、コアな原作ファンは嫌がるものです。

案の定、加藤という俳優は熱演が好印象でしたが、兎丸というキャラクターは、視聴者から愛されませんでした。

なんというか、ルール無用の二次創作同人だからこそ「カタギに迷惑かけてはいけない」みたいなことはあるわけで、なまじNHKに起用されるほどの経歴か人脈かを持っていた人が、やってはいけないことを全部やってくれたことだなァ……(慨嘆)といったところです。

そんなこんなで、とくに清盛を商売繁盛・出世の神様として崇めるプレジデント系の中高年男性視聴者を納得させられなかったどころか憤慨させてしまった代償は、大きかったと思います。


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Misha

Author:Misha
スマホ時代にさからう評論系長文ブログ。冷静に通読できる大人の読者様を想定しています。

「若い人」に直接呼びかける文章は、18歳以上のヤングアダルト対象です。高校生は受験を最優先してください。

書く人は、新旧とりまぜて映画とアニメを見ながら文芸書に取りくんでみたり、昔の漫画を思い出したり、お国の先行きを心配したりしております。

記事中の色つき文字は、映画中の台詞・挿入歌からの引用です。あらすじは、あまり申しませんので、楽しみに御覧ください。取り上げる作品は、暴力・エロスなど特殊な要素を含んでいることもあります。

ときおり、耽美・BL・同人・LGBTに言及します。いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」「実在同性愛者に甘えるな」が基調です。

全体として、二十四年組ファンが社会学者に物申すという珍しい構図。一部勘違い同人を叱責することによって全体を守るという意図もあり、ときにかなり辛口です。

記事は時々予告なく手直し・削除・分割しております。保存は個人的閲覧の範囲で、お早めに御随意に。転載・改変利用は固くお断り申し上げます。

解題


Casketとは、玉手箱。

でも検索すると棺桶がならびます。来世まで持っていきたい好きな作品の記録帳とご理解ください。