現役は若い人を止めるものです。

  14, 2015 10:30
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「足を洗えなくなるからやめておけ」というのは、もうずいぶん昔から同人が言ってきたことです。

コミケが1975年に始まったとして、もう1980年代の前半には、そんなことを言っている人がいたのです。

でも出品するたびに大赤字というようでは早々に撤退せざるを得ないわけですから、足を洗えなくなるていどには成功したということです。

現代の作家も「小説家になれば他人に会わずに済むというわけではありませんよ。打ち合わせなど、コミュニケーション能力は大事ですし、礼儀も必要ですよ」って釘を刺します。

いずれも、トップランナーであり続けることの辛さを知っており、本当に若い人には苦労させたくないという思いとともに、ライバルが増えたら困るという、二重の意味を持っています。

だから、私はうまくやった・業界のことなら私に訊けと自慢したがる人は、途中で挫折した人です。

なぜ挫折したのか?

うかつに自分の活動を自慢して、「買いに来ない? 案内してあげる」などと誘えば、その人たちが来年には出展するほうにまわるからです。

上京したばかりで右も左も分からない新入生を勧誘し、百冊売ってやれば百人が、一万冊売れば一万人が、翌年にはライバルとなって牙を剥くのです。

もともと無審査で出展できることが魅力という場所です。

自分が「エロさえ書けば売れるんだから、同人誌なんて簡単じゃん」と思ったのですから、後輩だってそう思います。後輩よりも面白いものを書き続けることができなければ、終わりです。

この「からくり」に気づかずに、やたらと宣伝する人は、自分で自分をつぶす人です。

だから若い人は、いい思いができるという話を真に受けてはいけません。自分もうまくやれると勘違いしてはいけません。

うまくやっているつもりで挫折した実例が、そこにあります。

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