MISHA'S CASKET

-・別 201407 1/2

【広義の第二次ベビーブーマー】

第二次ベビーブームというと、1972年前後に年間出生数が200万人を超えた驚異的な時期を指すが、じつはその数年前から、年間出生数が190万人内外の年が続くという、現在では考えられないような現象が起きていた。三島由紀夫は「男は27歳くらいが一番いい」と言った。20歳の若造よりも、少し世慣れて遊び方もスマートになり、しかもまだ中年太りはしていないからだそうだ。かつて男性は、その27歳くらいで見合い結婚して、29歳頃に第...

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【失われた80年代】

1970年前後に生まれて、1980年代を十代の少年少女として過ごし、バブル景気のおこぼれに預かって、(その一部が)豪華フルカラー同人誌などを目にしてきた人々は、1990年代初頭に成人すると、みずからの人数の多さによって、就職氷河期の当事者となった。1969年生まれは、大学入試の「足切り」を経験している。入試で得た点数が合格ラインに達しながら、人数が多すぎて入学させてもらえなかった。翌年に入試を受けなおし、新入生と...

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【アニメファンの分母】

判官びいきという言葉がある。あるいは、葵上に取りついた六条の御息所は、悪い女だったのか。あのような人々のためにこそ、我々現代人は祈りをささげ、成仏させてやるべきではあるまいか。この国には、少なくとも600年前から、そのような問いかけがある。自分は悪くないのに追い詰められてしまった悲劇のヒーローは、無声時代のチャンバラ映画にも登場した。1970年代に流行したテレビドラマは「正義のために悪者を暗殺することは...

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【やおいとクィア・リーディング】

例によって「私の目にはこう見える」という、エッセイ。(今はこれが精一杯)【アウティングには当たらないのか】たびたび2人だけで旅行に行く男性たちがいるので、あとをつけて行って証拠写真を撮ってきたなどといえば、もう明らかに人権侵害だ。作家が世間の耳目をはばかってか、煙に巻くことを面白がって、行間に落とし込んだ性志向に関するカミングアウトを、一方的に明らかにすることは、声高に「あの人、本当はゲイなんだっ...

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経験談はひとつのサンプルにすぎない。

なんとか細胞が200回できたのなら、その200回分のデータを公表すれば済むことだ。やおい「少女」について語るなら、1回のイベントで何歳児が何人観察されたのか、公表すればよいことだ。それについて、保護者は何と言っていたのか、アンケート結果を公表するのが本当だ。できないならば、「少女たちは母親と折り合いが悪く、将来に絶望した」というような説明は、言った人自身の経験談か、憶測に過ぎない。みずから研究サンプルと...

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女性作家が男児の成長を描こうとしたんだ。

『風と木の詩』は、「少年同士の性愛」という要素が取り上げられがちだけれども、よく読むと、セルジュの成長物語である。作品の冒頭には巻頭言が掲げられている。ジルベールを「我が青春の炎よ」と呼ぶセルジュは、その時点で老境に達しているか、臨終の床にあるかもしれない。物語が開始した時点では、彼は「やがて芸術家となるべき将来有意の若者」である。それが少女との過ちを通じて大人になったのではなく、少年との過ちを通...

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低年齢化は氷山の一角。

たとえば、女性の売春を美化した遊女・花魁という存在が登場するから、能楽・歌舞伎を上演禁止にすべきだろうか。かつての僧院における稚児趣味・お大尽の若衆遊びなどというものの実態は、ほめられたものではなかった。稚児たち自身がひじょうにいやがっていたという話もある。(当時だって戒める声はあった)では、現代において、すでに寺院における喝食、日本橋の陰間宿などというものが実在しない前提で、「眉を抜き、紅をさし...

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【74年組。】

出生数の多かった時期のトリとなる、1974年に生まれた人が、今年40歳になる。きりがいいので、(無理やり)振り返ってみようと思う。 ※一消費者による回想で、業界の裏話は聞けない。彼らは、宇宙戦艦ヤマトが発進した年に生まれた。ピンクレディを盛んに歌真似し、ファーストガンダムの玩具を買ってもらったはずだけど、実はほとんど覚えていない。小学校に入学したのは、1981年。この頃から、すでにアニメは子供達への訴求力を...

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SFというのは、もともと外国のおじさんが書いた小説だった。

日本の子供は、それを読みこなすことができない。小説が外国で映画化されても、日本の子供は見に行けない。日本人の大人が翻訳出版し、あるいは映画を輸入し、字幕をつけて上映するが、漢字が読めない子供には、やっぱり読みこなせないし、映画館へ行く小遣いもない。そもそも、子供は長いこと黙って座っていたくない。淀川氏は、奇特な例だ。日本人のおじさん(おにいさん)が翻訳小説を読み、映画を見てきて、小学生が一時間以上...

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創作物の鑑賞動機は同一視だけでは説明できないんだ。

昨今、ボーイズラブ分野で中年男性が受身とされる作品の出版が増えたのは、読者がその男性と同じ年頃に達したからだそうだ。人間、他人が旨そうに食事をしている顔を見せられれば、レストランを予約してみたり、お取り寄せ窓口へ電話してみたり、コンビニへ走ったりすることになっている。テレビのグルメ番組は、食うに食えない人を切歯扼腕させるために放映しているわけではなく、視聴者に消費行動を起こさせることを狙いとしてい...

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【お手伝いさん要請講座が必要だろうか】

サウジアラビアの女性は元気だそうだ。女性専用商工会議所があって、男性ガードマンに警護されており、中は受付・メンバーである経営者たち・会頭まで、すべて女性。女性だけだから、女性が働きやすい職場ができる。静岡新聞7日付け夕刊のコラム欄『窓辺』(静岡銀行社外取締役、藤沢久美氏の担当回)による情報だ。文章は「日本でも、男性がつくった職場を女性向けに改造するのでなく、まずは、女性による女性のための、女性が働...

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【ボーイズラブは世につれ】

女性を、男性のものした創作物から遠ざけておくべきだろうか?衆道を描いた作品を鑑賞する自由を、女性に許さなければ、何ごとも生まれなかっただろうか。男性同士の寄り添う姿から、恋人同士の語らいを連想してしまう女性のあること自体は、止めようがない。純文学者と美少年シャンソン歌手の親交、歌舞伎役者と付き人の逃避行も伝えられたのだから、彼らの人間関係が実際にはどの程度のものであったかにかかわらず、「芸術的・都...

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2040年にはアニオタも終わるだろうか。

出産適齢期女性人口がいなくなって、世代交代が不可能になり、消滅する市町村多数だそうだ。アニメグッズの売上も減るだろう。今でも、じつは言うほど売れていない。都市部の比較的若い世代とネットの中が騒がしいだけで、地方人士は見向きもしない。そもそもアニメの放映ができなくなる。子供がいなくなるんだから、玩具が売れることを前提に連続アニメ作品を制作し、テレビ放映するビジネスモデルが成り立たなくなる。その頃には...

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押井さんの嘆きは微妙だと思う。

すでに古い話題になってしまったが、どうも気になるので書いてみる。かつて、文芸調の映画と、ピンク映画は両立していたはずだ。今でも社会派作品と、「ひたすらAVアイドルが映るだけ」というDVDは両立しているだろう。映画館へ行くか、盤を買うしかなかった頃に比べれば、いずれもオンラインに押されて苦しいかもしれないけども。アニメだって、文芸調・ファミリー向け・アート系など、意欲的な作品には事欠かない。逆に、デ...

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【BLファンはマゾなトランスなのか】

顔も肉体の一部だ。ボーイズラブに典型的なのは、「少女漫画に登場する少女と同じ顔をもった男性」という存在だ。女性的な肉体美を示す男性が、性的な文脈で屈辱を受ける姿を描くのが、物語の定石のひとつだ。それを好む人々がトランスゲイであるとするならば、女性の肉体をもって生まれながら、「心は男」である人々が、まるで自分自身が暴力を受けるかのような漫画(的な挿絵をともなう小説)を好むということになる。では、女性...

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【女に取られると悔しいからボーイズラブというのも中途半端だ。】

男に取られたら、もっと困るのよおォォォ!という人のほうが多いに決まっている。女性が苦手だからと言って、男同士を眺めていられる理由にはならない。BLファンが実際になにを考えているかというより、浅い見通しでうまいこと言った気分になる人が寂しい。たぶん、この短絡的な論法を現実へ敷衍してしまうと、「女にふられたから、ホモになった」という理屈になる。もし、それが本当なら、多くの男性が、むしろ幸せになっている...

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よーでるよーでるよーでるよーでる

……って曲が流れると男児が踊り出します。地元の夏祭りで目撃しました。そのうち幼稚園などのお遊戯で定番化するかもしれません。女児は以前からモー娘やAKBの曲に合わせて踊っていたけど、男児が踊りたがる曲は少なかったので貴重です。思えば「ハルヒダンス」の低年齢化だけど、子供たちは自分の金を持ってない。子供に人気ということは、その保護者が「これなら買ってあげる」と判断したってことで、ニンテンドー、ディズニー...

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【漫画雑誌サイズのタブレットPCはできないだろうか】

デジタル漫画ダウンロード購読、専門端末。べつに専用でなくても、映像も見られるに越したことはない。キンドル・ファイアの、でっかいの。見開きという表現手段の魅力は捨てがたいから、薄型の折りたたみ式。定期購読契約をしておくと、受信メールフォルダを開いた時みたいに勝手に最新刊をダウンロードしてくれるというのが楽だ。XPサポート切れの後、PCが売れてないそうだけど、ちっちゃなポータブルPCで「フキダシ」を1...

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【漫画単行本は小さいと思う。】

作家が精魂こめて描いた絵が、縮小印刷されちゃって良いものか。同人誌制作が人気なのは、A5からA4程度の間で、印刷の仕上がりを自由に設定できるからではないか。漫画は出版社を陰で支える、縁の下の力持ち事業みたいなところがある。どんな人気作品でも、高価な装丁は施してもらえない。箔押しハードカバーとか、無い。作家の画面の使い方としては漫画雑誌の大きさをイメージしてると思うんだけれども、単行本になると「いか...

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【漫画は作家の自己表現とは見なされていないような気がする】

昔の少女向け作品は、男性作家によって描かれた。彼らがトランス女性だったのではないかと心配する人は、あんまりいない。プロの仕事として、自分自身のナルシシズムを度外視して、子供の喜ぶものを与えて「やっている」という意識がある。でも、実際には、自分の好きなものを描いていたはずだ。竹久夢二は、もう明らかに若い女性が好きだったし、手塚治虫は宝塚が好きだった。アニメ放映とタイアップした玩具というのは、児童心理...

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【漫画は市民の自己表現手段になっているだろうか】

どこの自治体にも、県民文化祭や市民文芸賞があるだろうけど、そこで漫画が募集されることはあるだろうか。カルチャーセンターで中高年のための漫画描き方講座は設けられているだろうか。「まんが」という言葉から「くだらない・子供向け」という印象が消えないのであれば、「中高年のためのグラフィック・ノベル講座」なんて言い方でも良い。子供の頃に横山光輝なら読んだことがあるという人は大勢いるはずで、『はだしのゲン』の...

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【ネットサーフィンは有害だという(古い)説】

今ならブログに流して終わる程度の文章が、ちょっと前まで「文化人が現代文明を憂える」という体裁で書籍化されていたものだ。いわく、検索をかけて偶々ヒットしたページから、次々とリンクを辿っていくだけで、後で何を読んだか覚えていない。どこをどう辿って来たか覚えていない。人間から考える能力を奪うから危険だ……適宜、お気に入りやダウンロードを活用するといいと思う。ご本人がクリックする度にページが変わることが面白...

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【食パンくわえたお嬢さんが登場していれば世間は悩まなかった】

谷崎潤一郎の作品に、「私」と称する男性主人公が、あばら屋の外壁のすき間から室内をのぞくと、美女が男を扼殺する場面を目撃してしまった……というのがある。彼は飛び出していって凶行を防いだりしない。じつは奉行職で、背中の桜がお見通しってこともない。ああ、恐ろしいものを見てしまったと思うばかりだ。ボーイズラブ作品の冒頭に、食パンをくわえたまま「遅刻、遅刻」と叫ぶ女生徒が登場し、彼女が住宅街の曲がり角でぶつか...

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【粘土層はアニメのためには動いてくれるだろうか】

50歳代を「粘土層」って言うそうだ。企業トップや政治家が、女性の重役登用・そのための仕事のシェアなどを推奨しても協力せず、まったく動かないから。なお、「女性の活用」って言い方は「性処理に利用」ってのと似ていてアレなので、せめて登用っていうか、すなおに「雇用」って言えばいいと思う。で、粘土。団塊のちょうど10年後に生まれた人々で、1980年頃に成人した。80年代は女の時代だったのではないのか?むしろ、女性の自...

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【各社ともアニメの販促効果に期待しないほうがいいです】

売れ残ってます。果ては安く売られてます。おそらく都心部で独身として働く、比較的若い人々(の一部)に瞬間的な人気があって、ネットの中が騒がしいだけで、地方人士は見向きもしません。とくに配偶者のために酒類や男性用化粧品の備品を購入する「リア充女性」は、いわゆる萌え系アニメには全く訴求力を感じていないと思っておいたほうがいいでしょう。どうしてもこだわりたければ、アンテナショップのようなところで限定販売な...

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【女性向け日本酒の広告には美男を起用なさるといいです】

「このように素敵な女性に飲んで頂きたくて、心を込めて醸しました」と言いたい気持ちは分かる。が、それを他人へ勧める段階では、「みなさん、僕らが思い描いた理想の女性を見てください」という自己主張ではなく、知的な男性モデルを起用して「僕から貴女へお勧めします」と言わせるのが良い。男性による消費を意図したビールには、ビキニ水着のキャンペーンガール、ウィスキーには「ウィスキーがお好きでしょ」と微笑む美女がい...

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団塊の世代は、イマジンの精神をもって職場改革を成し遂げたのではないのか。

革命とラブアンドピース、男女平等とフリーセックスの時代を知る団塊の世代が、今年、全員65歳になる。彼らのほとんどがすでに引退したはずの職場で、いまだに飲む打つ買うを尊重するオッサン主義と、男性の育児を嘲笑する風潮があり、若い男女がやりにくくて仕方がないのは、どういうことだ。団塊の世代は、イマジンの精神をもって職場改革を成し遂げたのではないのか。地方の現実を思うに、町内会では75歳~80歳のじっさま達が決...

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【ボックス席は4人掛け】

ファミレスもファーストフードも、店内ボックス席は4人掛けだ。だから自分のほかに3人の友達を見つけて、たびたび向かい合わせに座り、額を寄せ合って、「私たちっていつも同じ意見ね」「ねーー」って言い合うと、世界中が自分の味方のようなバーチャル満足を得ることができる。だから「みんな言ってる」「みんなやっていた」などと言いたくなった時には、その「みんな」が3人以上だったかどうか、思い出してみるといい。...

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【皮肉でもなんでもなく】

たとえば西村寿行の『峠に棲む鬼』は、叙述の半分が女性主人公の目線からだ。西村は男性でも女性でもなく、両性者だったのか。女性作家が男性キャラクターの視点から女性への愛情を描けば、「この作家は男性になって女性を抱きたがっている。レズビアンだ」と指摘するべきか。もし、ボーイズラブが明確に男性社会への皮肉を意図していた(という説もあった)ならば、それは男性が主宰する社会学研究会の機関紙へ、一種の爆弾として...

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【アニパロ耽美を生んだ心性に関する推論】

「シャーロック・ホームズを読んだら面白かったので、自分もミステリーを書いてみようと思って、アニメを見てみた」ドルリー・レーンも面白いよ。「司馬遼太郎を読んだら面白かったので、自分も時代小説を書いてみようと思って、アニメを見てみた」図書館へ行くほうが先だ。「LaLaという少女漫画雑誌を読んだら面白かったので、自分でアニパロを書いた」どうしてそうなった。【短絡の展開】世の中いろんな同人誌がある。俳句、...

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