MISHA'S CASKET

-・別 201609 1/2

価値判断は各自の責任において、冷静に行ってください。

大きな事件もあり、水害・水難事故もありました。心よりお悔やみ申し上げます。オリンピックはメダルたくさんで、やっぱり嬉しいものでしたね。ポケモンGOはほどほどに。マナーも携帯しましょう。夏の間に鑑賞した映画・書籍に基づく記事を挙げて参ります。一日1記事~最大5記事の連投。例によって同人論・BL論をはさみます。当ブログの同人論・BL論は、個々のサブカル作品の書評ではなく、時事問題・社会現象を論じる一環...

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2013年12月、岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』ダイヤモンド社

副題:自己啓発の源流「アドラー」の教え。声を荒げる必要はありません、一緒に考えましょう。(p.136)約290ページ、A5ソフトカバー。2015年3月の時点で第24刷。「2014年 年間第1位 70万部 この一冊からアドラーブーム!」という帯が掛かっております。70万部……なかなか出なくなった数字ですね。擬古文というのはよくありますけれども「擬訳文」というのがあるとは思いませんで、何度か表紙に戻って「書いたの日本人だよなァ...

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1986年3月、永原和子・米田佐代子『おんなの昭和史』有斐閣選書

「わたしたちはベトナム戦争の共犯者になりたくない。ではどうしたらいいか。このとき八○歳になろうとしていた平塚らいてうは、気力をふりしぼって北爆をやめさせ、アメリカのベトナム侵略を日本の婦人の手でくいとめよう、と訴える。」(p.248)A5版、約300ページ、ソフトカバー。基本的には母性を尊重し、生活実感を共有する立場から、簡潔・平易な文章で、戦後女性史・婦人運動史を概説した、まっとうな歴史書。豊富な引用に...

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柳田国男『遠野物語』新潮文庫

そのとき炭取は廻っている。(p.144 三島由紀夫『小説とは何か』より)平成28年6月1日発行。唯青き山と原野に梟が飛ぶカバー画:小林敏也。大きめの活字で読みやすく、山本健吉による解説、吉本隆明・三島由紀夫の論考が併録され、文庫のくせに索引までついてる豪華お買い得な逸品。新潮社の本気。なお、タイトルは「とおのものがたり」です。約160頁の薄い本で、旅のお供にも最適。本文は87頁で終わっちゃいまして、あとは解説で...

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1976年-1984年、竹宮恵子『風と木の詩』小学館

これこそ三島由紀夫に読ませたかった。論じている内に40周年を迎えてしまったなァと、ふと思い出したので、改めて述べておきます。あの作品最大の評価ポイントは、全体の構成だと思われます。まず巻頭言によって全体が回想録であることが示され、第一部序盤で第二部の主人公になる人物の存在が暗示された上で、第一部と第二部が時系列的に倒置しており、第三部を最後まで読んだところで、セルジュという若者が、その後の人生をまっ...

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一番若かった兵隊さんは85歳。

大東亜戦争または太平洋戦争の頃にいちばん若かった兵隊さんは、1945年8月に14歳で海兵団に志願入隊した人。1931年生まれ。今年85歳。それより若い人は、軍隊生活も戦場も知りません。「日本男児の心を取り戻せ」みたいなことを言っても、自分自身が知らないという人のほうが多いのが現代です。こればっかりは、数字で出てしまうことなので、否定はできません。ただし、1931年生まれの人が60歳を迎えるのが1991年。定年を65歳と考...

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BLはフェミニズムだが、同人はフェミとは別。

まず、「女性の表現の自由」なのに「フェミとは別」って云われると、奇妙な感じがしますね? この奇妙さの原因は、フェミニズムという言葉の捉え方にあります。もともと、婦人参政権運動・女権拡張運動というのは明治時代からありました。少女に教育を与え、屈辱的な性産業から解放しよう、『女工哀史』のような劣悪な労働条件も良くないといった運動は、ずっと昔からあったのです。これに反対する女性はいないと思います。ウーマ...

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「萌える」の意味が違う。

息子に背広や和服を着せて「萌える」と言ってる母親がきもち悪いという声があったのです。が、一般人が同人的な言葉を使うときは、意味が違う可能性があります。より正確にいうと、過激BL同人だけが「萌える」という言葉を別の意味で使うのです。少なくともツイッターには、ヒヨコなどの小動物を見て「萌え~~」という人々がいます。明らかに、単純な「可愛い」という意味で使っているのです。インターネット上には、サブカルま...

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若い人は中二病を嫌う。

これ、意外なようですが、いまの若い人の「空気読め」というのは、いわゆる中二病への対抗策という可能性があります。中二病というのは、中途半端に大人の世界が分かったつもりになって「大人はきたない」とか「最後は金目でしょ」とか言っちゃうアレです。大人社会の裏事情を暴露して「ほんとのことだからいいじゃん」とか言っちゃうアレです。自分の将来の道を見出したわけでもないくせに「こんな勉強してなんになるの?」とか言...

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1980年、森谷司郎『動乱』

いつの日か、きっと誰かが分かってくれる。脚本:山田信夫 撮影:仲沢半次郎 照明:川崎保之丞 助監督:沢井信一郎 音楽:多賀英典・星勝・三枝茂章・小椋佳 ナレーター;佐藤慶きみの祖国は日本と呼ばれ、美しい四季があり、深山の緑は濃く、鳥は朗らかに啼き、貧しい男たちは体を張ってお国に尽くすことを強要され、貧しい女たちも体を張って男に尽くさざるを得ませんでした。構想三年、撮影一年、製作費十億、日本列島縦断...

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1958年、内田吐夢『森と湖のまつり』東映東京

昔々の物語。詩人は消えても歌は残る。製作:大川博 原作:武田泰淳 脚本:植草圭之助 撮影:西川庄衛 美術:森幹男 アイヌ風俗考証:更科源蔵 アイヌ舞踊指導:河野廣道 昭和三十三年度芸術祭参加作品。東映現代劇が総力を結集し堂々世に問う空前の話題巨編。武田の原作は「本年度最高のベストセラー」だそうです。(予告篇より)大北海道、大ロケーション、大敢行。雄大に、遠大に、のけぞるばかりにスケール感あふれる吐...

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アドラーたちの時代。

民族主義の嵐が吹き始めていたのです。もっと前から帝国主義の時代だったのです。戦争が繰り返されていたのです。若者が徴兵され、植民地(とされたアジア・アフリカ)へ送られていたのです。その時代に「人生には高邁な目標が必要で、それを達成できない人生は無意味だ」と云ってしまえば、学業半ばで19歳で戦争で死んだ奴は無意味だったということになってしまうのです。職人修行の途中で民族差別によって15歳で死んだ少年は、最...

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心理学関係者が絶対に言ってはいけないこと。

「なんだよ! 心配してやったのに!」自分の特技を活かして、相手から感謝の言葉を引き出したいので、特定個人に粘着し、なにくれとなくアドバイスしてやったところ、先方から煙たがられて「もう結構です」と断られた。すると怒鳴りつける。これは、心理学関係者には「あってはならないこと」です。他者貢献は、最終的には自分が生きがいを感じるためであって、自己満足すること自体は良いことなんですが、手段を間違えてはいけま...

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大きな共同体感覚とは。

人間心理の中で最も卑しいのは、性的な想像をする心ではなく、自他を比較して優越感を得ようとする差別意識だと思っておくといいです。実在児童や女性の虐待・性的被害というのも、加害者が自己満足のために他人(自分の子どもでも自分自身とは別の個体)の人権を利用したということですから、差別意識に還元することができます。つまり弱い者イジメです。女性は腕力に乏しいので他人に具体的に「手を出す」ってことが少ないのです...

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プロは自虐しておりません。

榊原史保美の奇妙な解説書に漂う悲しさは、自分たちが1978年以来心血を注いで書き上げてきたものが、後から発生した稚拙で粗雑なパロディ作品と混同され、無礼なレッテルを貼られて、自虐したことにされてしまったことによります。実際には自虐していない人々に対して、あたかも自分から言い出したかのように責任転嫁しつつ、無用なレッテルを貼ることは、差別行為に当たります。1980年代の吉田秋生も、秋里和国も、彼女たちを売り...

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性的マイノリティと個人心理学。

「母親がトラウマだから性的マイノリティになった」と、本物の性的マイノリティの皆様の前で云ってはいけません。「じゃあ、お母さんがもっといい人だったら、私がレズビアンにならなかったってこと!?」「この子のママはすごくいい人だよ! 私のことも受け入れてくれたよ!」って、なるからです。新宿二丁目には、レズビアンもいます。トランスFtoMもいます。彼(女)たちは、シス・ストレート女性の甘えがきらいです。シス・ス...

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2015年、細田守『バケモノの子』

胸の中の剣を握れ。原作・脚本:細田守 作画監督:山下高明・西田達三 美術:大森崇・高松洋平・西川洋一 音楽:高木正勝 CGディレクター:堀部亮 助監督:青木弘安一本刀、落とし差し。日本人の得物は、やはり日本刀がよろしゅうございますね。渋谷区全面協力により街頭一大ロケーション敢行(違)金曜ロードショー(の録画)で拝見しました。スクランブル交差点や闘技場など、CGでなんでも描ける時代になったとはいえ、限...

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村上隆のリトルボーイ論は克服されつつあると信じたい。

「シン・ゴジラとエヴァ」というキャンペーンイラストを見て「相変わらずファンの神経を逆撫でするのが得意だなァ」と変な感心を覚えつつ。村上のリトルボーイ論は、日本のサブカルが「下手である、田舎くさい、洗練されていない、子どもっぽい」という点に掛かっているわけでございます。子どもっぽいといっても無垢な童心が表現されているというのではなく、中途半端に「性」に関心を持ち始めた中学生が自己満足できるレベル。彼...

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同人活動は他者との競争ではありません。

現実が混沌としているからこそ、理念が必要です。どんなに時代が変わっても、守るべき精神があります。人生が他者との競争ではないように、同人活動も他者との競争ではありません。旧作だろうが、ピコ手だろうが、自分の描きたいものを描いて、無理のない範囲で製本・出展すればよいのです。出展権利は抽選であり、すべての同人は平等です。他人を笑いものにする人は、その人のほうが勘違いさんです。「プロより私たちのほうが売れ...

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自分の跡を追いかけた1980年代コミケ参加者。

アニパロは「売れるから売る」という人に質問してみましょう。買う人は何が面白くてカネを出すのですか?「エロいからだ」と答えるでしょう。では、なぜオリジナルよりもエロく感じるのですか?もう、ここで答えられなくなると思います。人によっては怒鳴り出すでしょう。「昔からそう決まってるの! そんなことも知らないの!?」ってね。じつは本人の中で本末転倒が発生しているのです。【流行の自己増殖】冷静に考えると、「パロ...

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競争型ライフスタイルは、うつ病になりやすいと思いましょう。

世の中、下には下がいて、上には上がいるので、つねに自他を比較する人は、優越感で興奮した次の瞬間には、劣等感によってマイナス方向に興奮します。つまり、激しく落ち込みます。この劣等感というのは、他人から与えられるものではありません。自分勝手に自他を比較し、自分で自分を差別してしまったことによって、自分勝手に感じてしまったものです。優越感も同様です。自分勝手に自他を比較し、他人を差別することによって、自...

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性的マジョリティにおける心的障碍は、性的マイノリティとは別です。

GLBTにとって最も困るのは「親の育て方のせいで同性志向または性別違和になった」と思われることです。親も差別されてしまうからです。また「再教育によってホモを治す」という発想につながって行くからです。「差別しなければいい」とも言えます。「二度と治らない」という知識を共有してもらえばいいとも言えます。でも根本的に誤解されたままというのは気分の悪いものです。いっぽう、性的マジョリティにおいて、親のしつけ...

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1974年『宇宙戦艦ヤマト』(DVD第3巻)

【第13話】 作画:スタジオ・メイツ 小泉謙三 朝倉隆貴様も人間なら、命の大事さを知れ!ドメル将軍登場。右手を挙げる挨拶が、いかにもあれな感じ。よくこれをアメリカへ売り込もうと思ったな、と。総統のお風呂は豪華でした。念のため確認しておきますが、欧米で売りたいなら金髪の男性が悪役として登場するものは無理です。大原則です。今なら向こうの若者のほうが日本流サブカルの文法にだいぶ慣れたかもしれませんが、より...

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1975年2月『宇宙戦艦ヤマト』(DVD第4巻)

【第19話】 脚本:山本暎一 作画監督:岡迫亘弘匂い優しい白百合の 濡れているよな あの瞳。(『北上夜曲』作詞:菊地規)相原くんがメンタルやられちゃったようです。心理描写主体ですから画面的には地味で、編集が荒いですが、山本脚本らしい脇役キャラクターに焦点を当てた良エピソード回です。想い出すのは、想い出すのは、北上河原の雪の夜。母に会いたくて脱走した・姉に会うために脱走したというエピソードは実写映画に...

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1974年3月『宇宙戦艦ヤマト』(DVD第5巻)

明日の幸せというものは、自分の力でしか獲得できないものですからね。【第25話】脚本:山本暎一 作画監督:岡迫亘弘イスカンダル星へ投錨。スターシァは前々回で「ガミラスもイスカンダルも地球人もおなじ人間」と云っていたのですが、彼女と雪が似ていることには(ここで見るかぎり)とくに深い意味はないようです。守の無事を喜ぶ真田さんは若々しいです。この期に及んで画像と音声のシンクロ具合が良くないんですが、編集の問...

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1952年、ルネ・クレマン『禁じられた遊び』(Jeux Interdits)

100年、これを預かって。原作:フランソワ・ボイェル 脚本:ジャン・オランシェ、ピエール・ボス、ルネ・クレマン撮影:ロベール・ジラール禁断の遊びは、本人にとっては遊びじゃないのです。幼い恋の悲劇は、それが人間の無力さの象徴だから切ないのです。1940年6月。戦争がなければ起きなかった小さな出会い。古典的名作を順に見てみよう企画。でも意外に新しくて1950年代に入ってからでした。オープニングクレジットは絵本の形...

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2008年、榊英雄『ぼくのおばあちゃん』

優しい嘘って、いうこともあるんだね。製作総指揮:木下直哉 原作:なかむらみつる(「ぼくのおばあちゃん」ぴあ刊)脚本:龜石太夏匡・榊英雄 撮影:宮川幸三 照明:鈴木康介 美術:井上心平 音楽:榊いずみ 特別協力:愛媛県・大洲市 東京ロケ協力:木下工務店柿の実、鶏頭、物干し台。ひっさつ・せーばい剣ッ。おとながまじめに子どもと遊んでくれた頃。大事にしたい作品。第21回東京国際映画祭、日本映画「ある視点」部...

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2011年、ポール・W.S.アンダーソン『三銃士』

船のボーイにしてください!脚本:アレックス・リトヴァク、アンドリュー・デイヴィス 撮影:グレン・マクファーソン 美術:ポール・デナム・オースタベリー 衣装:ピエール・イヴ=ゲロー 視覚効果監修:デニス・ベラルディ 音楽:ポール・ハスリンジャー独・仏・英合作。日本的副題「王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」『ダ・ヴィンチ・コード』の記憶がまだ新しかった頃に、『トゥームレイダー』じゃなくて『バイオハザ...

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1966年、篠田正浩『処刑の島』

俺たちは、またこうやって、やっとめぐり会えたというわけだッ。原作:武田泰淳(流人島にて) 脚本:石原慎太郎 撮影:鈴木達夫 美術:戸田重昌 音楽:武満徹 編集:篠田正浩 助監督:宮川昭司映画は大映。日生劇場プロダクション第一回製作。企画製作は石原なので、配給が大映。石原慎太郎にだけァ、今どきのサブカル作品についてなんだかんだと言われる筋合いはねェぞと啖呵切りたくなる作品。篠田正浩の唯美主義的映像に...

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アドラーからフロイトへ退行してはいけません。

復讐は甘美な夢ですが、アドラーからフロイトへ退行してはいけません。「うちの母親は自分の課題と子どもの課題を分離することができず、子どもの課題に介入する自己中心的な人間だったので、私が母親のトラウマから一生のがれられないアダルトチルドレンになってしまい、何歳になっても自他の区別ができないのは仕方がないのです」じゃダメなのです。アドラーを知った後でフロイトに戻っちゃいかんのです。だいたいアドラーが云っ...

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