Category鑑賞記 1/25

池田悦子・あしべゆうほ『悪魔の花嫁』を再び論じてみる企画。

1975年から『月刊プリンセス』(秋田書店)で連載されていた女流漫画作品。数十年の中断を経て、数年前に新刊が商業出版されたんだけど、メインキャラクターたちの身の上に変化がなかったので、年来の読者が戸惑った名作にして迷作。女子高生・美奈子のもとに、クールビューティーな青年の姿をした悪魔が現れて「お前は私の花嫁になる宿命」と宣告するところから始まるので、分類としては少女漫画。きれいなストーカーは、好きです...

  • -
  • -

「肝臓のアルコール分解能力は遺伝で決まっている。それで男らしさを測るのはくだらん」

竹宮恵子『風と木の詩』(1976-1984年)序盤、名脇役パスカルの名台詞。ちょっと手元にないので逐語的引用ではないことを御承知おきください。とまれ、戦前の男子校に通う生徒の中でも成績優秀として周囲から一目おかれる者が、これをサラリと言っちゃうわけです。それはやっぱり、当時26歳の独身だった女流による、男性らしさのイメージに自分を合わせることに至上の価値を置く成人男性中心の社会機構に対する挑戦であったと言え...

  • -
  • -

2018年1月1日、相棒スペシャル。

名台詞満載の豪華顔合わせ。入場料支払わずにテレビで観ちゃっていいんですかこれ。(ありがとうございます)爆薬も軽機関銃もカーチェイスもない、レセプションの裏側の息詰まる頭脳戦。特殊効果が要らないわけで、比較的予算を抑えつつ、最大限の効果を挙げたのでした。ただしビックリするほど出演者は多いです。右京さんと鏑城くんのキャラがかぶってるのが良いほうに作用して、相補的会話によってリズミカルに推理が進むのが心...

  • -
  • -

寒中お見舞い申し上げます。

旧年中は拙文におつきあい頂き、まことにありがとうございました。本年もよろしくお願い申し上げます。元日には平成の30年間を振り返るテレビバラエティ番組を拝見いたしました。政治・軍事ではなく「テーマパークの変遷」「スイーツの変遷」など庶民の話題に特化していたので、しみじみと来し方が思い返されたことです。コンビニもAIBOもすごいことになっているようですが、これからの課題はロボットを点検・整備できる技師の...

  • -
  • -

アドラーと、岸見と、古賀。

アドラー(Alfred Adler アルフレド―)オーストリアの精神医学者。フロイトの性欲中心の学説に反対して、人間活動の最大の動機を優越欲求に求め、「個人心理学」を樹立した。(一八七〇~一九三七)(参考:国語大辞典(新装版)小学館、1988年)ふと思い立って、手元にある辞書を繰ってみましたら、アドラーが紹介されていました。してみると、2013年12月よりも前から、彼の存在と理論は日本に知られていたわけです。『嫌われる勇...

  • -
  • -

狂言師と、狂言方。

狂言師はマスメディア的な造語。正しくは能楽師・狂言方。ですけれども、べつに前者が間違いってわけではないです。そもそも大カテゴリとして「能楽」なわけで、その下の「子カテゴリ」として、シテ方・脇方・囃子方・狂言方という分類があるのです。西洋式オーケストラでいえば、第一バイオリン・第二バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス・金管・木管・パーカッションと。第一バイオリン担当者を素人(観客)が「バイオリニ...

  • -
  • -

演能中の私語は慎みましょう。

「これだから若い人がテレビにつられて見に来ると困る」という話だと勘違いされると困るので、あえて申し上げておきます。中高年のほうが態度が悪いです。シテが留め拍子の体勢に入って、後座が最後の一音を打ち切るまでが重要なんだから、もう終わりだと思って気を抜かないでくださいませ。ご自宅でテレビを観てるのとは違うのです。自分より年下の役者たちが修行の成果を披露してるんですから、聴いてやってください。困難を承知...

  • -
  • -

2017年8月3日、宮本督『これだけは知っておきたい「著作権」の基本と常識』フォレスト出版

オマージュとパクリの境界線は?動画投稿サイトにアップできるもの、できないもの。商用と「非商用」の違いは?タイトルが皮肉に思えるほど、インターネットを活用する若い世代をターゲットに絞り込んでおり、例題がものすごく具体的で、実用度はきわめて高いです。目次からして一問一答形式になっており、まずはそれだけで答えが分かる。もっと詳しく知りたいという気持ちを起こさせる。編集技法の教科書という点でも有益と思われ...

  • -
  • -

成田美名子『花よりも花の如く』に見る女心、男心。

シリーズ序盤のエピソードに基づく部分的考察。じつは能楽師というのも舞台上の男である以上、女性客から「顔で選ぶ」とか「若さで選ぶ」とか(本人に聞こえないように)言われちゃう可能性はあるのです。実際に『花花』に登場する若手能楽師たちは、女流漫画家自身の好みにしたがって、女性的(少女漫画的)な顔立ちの「イケメン」として描かれていますね。けれども劇中には、女性ファンがお舞台そっちのけでキャーキャー騒ぐ描写...

  • -
  • -

2011年11月、中谷彰浩『なぜあの人はすぐやるのか』ダイヤモンド社

私が速いのではなく、その人が遅いのです。いい男に言い切られると腹も立たない法則。いや冗談ではなく、男の顔は仕事ぶりで決まりますからね。すこぶる実践的なビジネス書ですが、これを読んで「ぜんぶできるわけないじゃん! 押しつけないで!」と被害妄想に駆られちゃう人は、すでに受身です。いい男にだったら引きずり回されるのも悪かないですが、自分がイニシアティヴを取りましょう。自分基準ですぐ出来ることをいくつかピ...

  • -
  • -