Category映画(2014年以前) 1/5

【クリストフは男の夢。】

ディズニー映画『アナと雪の女王』に登場するクリストフは、プリンス・チャーミング、エリック、フリン・ライダーに比べりゃ冴えた外見とは申せません。生まれながらの王子でもなく、学問もなく、幼い頃に保護者をなくしたらしく、氷採掘の労働現場に出入りし、トナカイだけを友達として過ごしました。恵まれた境遇とは申せません。それが冒険に出た王女を助け参らせ、その功績によって王子様にしてもらえた……のではなく、王宮付氷...

  • -
  • -

【2013年、ベン・スティラー『LIFE』】

珍しく新作。面白そうだったので(比較的)高い金払ってレンタルしましたとも。たぶん買って良い映画。タイトルバックに文字を仕込んだオープニングからしてセンスが光る、デジタル技術を駆使してお送りするアナログ讃歌。サイトでデート相手を見つける時代の、男の友情と家族愛。ママはいつも最高。ヤングエグゼクティブには鬚が流行ってるんですな(笑)たぶん分類上はロードムービー。シニカルでアップテンポでコミカルだけれど...

  • -
  • -

【細田守 『おおかみこどもの雨と雪』】

男性作家が「女性の息子離れを、娘の視点から描く」という離れ業。(逆に女性作家が「男性の娘離れを、息子の視点から描く」という作品は……あるかな? 渡鬼かな?)男性作家が「まぼろしの嫁さんを描いた」というべき作品が、ほんの30年くらい前から流行しているわけでございまして、軟化させれば「ハーレムアニメ」ですが、こちらはそのような関心を昇華した作品でしょう。雪山を美化した『アナと雪の女王』に対して、夏山の恐ろ...

  • -
  • -

【1937年 ディズニーアニメ『白雪姫』】

昭和12年。これ、実は男性が御覧になるものと考えればよろしいかと存じます。1937年のクリスマスに、「自分の金を持って、一人で映画館へ見に来る女性客」を何人イメージすることができたか。実際に背景にあるのは、「体の小さな男たちに道化芸を演じさせて、ブラックタイ(いやホワイトタイ)の紳士たちが鑑賞する」という、ハイソサエティの社交の世界だと思う。現代人は「ここから始まった」と思うんだけれども、当時の人にとっ...

  • -
  • -

【1969、パゾリーニ『王女メディア』】

……沙羅双樹の花の色は、盛者必衰の理を表すとかや。・まさかの純邦楽が効果的。・たぶん当時までの文化人類学・民俗学的蓄積にある程度もとづいた、なんちゃって古代文明密着潜入ドキュメント。・衣装は一見地味だが実はものすごく豪華。・出だしのぎこちなさが素人の自主制作映画みたいで不安を呼ぶが、動き出してみるとエキストラ一杯で、実は大作。・オペラディーヴァの存在感。・イアソン役の自然体な男の色気がいい感じ。・素...

  • -
  • -

【1950年 黒澤『羅生門』】

脚本の面白さの基本は、芥川の知性によっている。脚色と撮り方の面白さには、日本が14世紀から蓄積してきた演劇術と、世界が20世紀初頭から蓄積してきた映画術の精髄が結晶している。日本文化の豊穣さを示す傑作をなにか一つと言われたら、これを提出してもいいと思う。未見の方は可及的速やかにご覧下さい。創作をこころざす人には大変勉強になると思います。展開上の仕掛けがあるので、ストーリーの説明はできません。さて……(以...

  • -
  • -

【ヴェルナー・ヘルツォーク『ノスフェラトゥ ファントム・デア・ナハト』】

総天然色時代渾身のゴシックホラー。耽美って本来こういうもの。タイトルバックが怖すぎですが、頑張って見ましょう。タイトルバックの情景と物語は関係ありません。お話のほうは、むしろのんびりしてます。ネズミがいっぱい出てくるので、苦手な方は要注意です。風土と伝統文化を活かした民族色豊かな映画が撮られていた頃で、19世紀のコスチュームプレイであることもあり、眼の保養です。ロケハンとキャスティングの勝利。イザベ...

  • -
  • -

【崖の上のぽにょの真実。】

(※ 書き溜めたレビューを2時間おきに淡々と流す企画。)女王が主宰する巨大な球状の避難所は、子宮の象徴であるに決まっている。そこで再生の魔法が行われたのである。「本当はみんな死んでいる」のではなく、「本当はみんな蘇った」のだ。白雪姫の喉から毒りんごが外れるように。眠り姫が百年の眠りから目覚めた途端に老婆になることはないように。凍りついた妹姫が凍傷などの後遺症もなく息を吹き返すように。そこは、接吻に...

  • -
  • -

【ありのままに孤立。 ~FROZEN鑑賞記その4】

よく考えると、話がおかしい。なにもアナまで閉じ込めなくても、外国の親戚へ預けて、大勢の従兄弟とともに成長させるなどという手段もあったはずだ。エルサのためだけに、北方に土地を求めて、離宮を建ててもいい。貿易していたくらいだから、ある程度の財力はあったはずだ。国王夫妻が船旅に出たくらいだから、政務も執行していたはずで、王宮は完全に閉じられてはいない。王家は国民から嫌悪されてもいない。であれば、アナは貴...

  • -
  • -

【ありのままに骨太。~FROZEN鑑賞記その3】

『塔の上のラプンツェル』の長い髪を利用した豪快なアクションに比べると、『アナと雪の女王』って、じつはロケハンと背景CGを駆使すれば、生身の俳優を使って撮影できる程度のことしかやっていない。雪の崖から飛び降りるとか、吹雪をついてトナカイを走らせるとか。ミュージカル場面も少ない。姫君たちの他には、オラフしか歌わない。ハンスの「決意の歌」とか、クリストフの「愛の二重唱」とか、無い。その代わり、「救えるか...

  • -
  • -