MISHA'S CASKET

好きな言葉は残侠と耽美。うぐいすリボン協賛中。

 > 映画(2015年の記事)

1952年、新東宝『清水次郎長傳』

1952年、新東宝『清水次郎長傳』

石松三十石船、七五郎の義侠、閻魔堂の最期、青木屋の決斗。製作:杉原貞雄 監督:並木鏡太郎 脚本:三村伸太郎 撮影:横山實出演:高田浩吉(松竹)・田崎潤・月形竜之介・市丸(ビクター)・廣澤虎造見渡せば、富士の高嶺に久能山。田子の浦風そよそよと。東海道は良いところ。唐突な選択は、近所のホームセンターでDVDを売ってたからです。廣澤虎造の本人出演に惹かれました。ナレーションの代わりに浪曲が全編に用いられ...

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2014年、大友啓史『るろうに剣心 伝説の最期編』

2014年、大友啓史『るろうに剣心 伝説の最期編』

6日の金曜ロードショーで拝見しました。衣装、背景、殺陣、撮影とも見事なもので、日本の映画人が頑張っている様子が嬉しいです。横にズーーッと移動するカメラワークが印象的でしたが、アニメを意識しているのかどうか。自身の色男っぷりをよく分かっている福山さんの堂に入った演技が見ものでしたね。ご結婚おめでとうございます。物語のほうは……維新の功労者が、明治政府によって迫害される。歴史の暗部を描くというアイディア...

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2007年、ザック・スナイダー『300』

2007年、ザック・スナイダー『300』

続篇じゃないです。少し前に続篇の公開記念で1本目のほうが新パッケージになっていたので買っといたのです。絵が美しいので、たいへん好きな作品です。一枚ずつ隅々まで描きこんだ油彩画のならぶ美術館へ行ったような、お得な気分になります。背景と人物は明らかに合成で、スタジオ撮影感ありありなんですが、その作りものっぽさがまた舞台劇を見に行ったような気分にさせてくれます。実際の舞台劇では、遠景のスケール感を出せな...

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1960年、大映京都『大江山酒天童子』

1960年、大映京都『大江山酒天童子』

製作:永田雅一音楽:斉藤一郎脚本:八尋不二振付:花柳有洸監督:田中徳三総天然色特撮時代劇。「目千両」光線炸裂する新旧美男対決。伝統美への尊敬、意欲的な特撮。見どころ盛りだくさんの娯楽大作です。合戦部分は大ロケーション敢行。人馬大量投入。炎も本物。あいた口がふさがりません。CGのなかった頃です。くり返します。CGのなかった頃です。現場の熱意が伝わります。大江山の鬼退治、じつは朝敵退治という合理的解釈...

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1936年『河内山宋俊』

1936年『河内山宋俊』

日活、太秦発声。山中貞雄監督。原作:山中貞雄、脚色:三村伸太郎。河内山宋俊:河原崎長十郎。金子市之丞:中村翫右衛門。お静:山岸しづ江北村大膳:清川荘司(日活特別出演)お浪:原 節子(現代劇特別出演)河原崎長十郎美しい。いや原節子美しい。どっちを先に言おうか迷います。節子16歳。それにしちゃ落ち着いた風情と気品を備えています。確かに逸材です。運命に打ちのめされて項垂れる姿は、明治時代の日本画家たちにも...

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2008年、アンドレイ・クラヴチュク監督『アドミラル』

2008年、アンドレイ・クラヴチュク監督『アドミラル』

Admiral (Russian: Адмиралъ) コルチャック提督:コンスタンティン・カベンスキーアンナ:エリザベータ・ボヤルスカヤカペル将軍:セルゲイ・ベズルコフアレクサンデル・ヴァシリヴィチ・コルチャック。実在した黒海艦隊司令官。1917年の革命の際、セバストポリにいて粛清をまぬがれ、西側の協力を得て反革命軍のリーダーとなった人の半生記。以前にご紹介したグルジアのメラヅェ兄弟による『ヴァプレキ』(Вопреки)という楽曲が...

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デ・シーカ『自転車泥棒』ふたたび。

デ・シーカ『自転車泥棒』ふたたび。

ネオレアリズモの夜明けらしいんですが、基盤にあるのは人情喜劇だろうと思います。どの場面でも、もっと悲惨な展開は充分に考えられるのです。下町で喧嘩に巻き込まれたのに、刃物が出てこなかったのは、むしろ不思議なくらいです。終戦直後の時代に、まだそのへんに軍用拳銃が転がっていたっておかしくありません。揉み合ったはずみで相手に致命傷を与えてしまった、さらに逮捕に抵抗したはずみに警官が車にはねられたなど、不幸...

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【ヴィットリオ・デ・シーカ『自転車泥棒』1948年】

【ヴィットリオ・デ・シーカ『自転車泥棒』1948年】

エキストラが美男です。実際に敗戦直後に撮影しているわけで、わずかな給料をもらって喜んだ俳優の卵が大勢いたんじゃないかと思います。これで自分の自転車が買えるってね。イタリア中が薔薇色に染まる自転車レースは五月にやってましたが、あの底辺がこの自転車文化なんだな……と変なところに感心したり。あまりの名作ぶりに長いこと敬遠していましたが、290円になっていたので買ってきました。永岡書店より『懐かしの名作映画ベ...

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【引き裂かれる男心、充足する女心。】

【引き裂かれる男心、充足する女心。】

映画監督というのは軍人ではありません。徴兵義務を果たしてきた人はいるかもしれませんが、実際の戦闘に参加した人は少ないと思います。また、もちろん現役マフィアやヤクザではありません。機動隊員でもありません。マル暴でもありません。自分自身が体力派・武闘派ではないことを知っているから、創作家の道を選んだわけです。彼らの作品には、戦いに行く男たちに対して、置いていかれる女の悲しみが、妙に生々しく描かれている...

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【1936年『THE PLAINSMAN』】

【1936年『THE PLAINSMAN』】

監督:Cecil B. DeMilleゲイリー・クーパー美しい。あまりの美しさに、やや殺伐としたセントルイス港の日常風景から浮いております。海外の白黒時代の映画は、保存状態の良いところが、まさに有難いです。時おりカメラが切り替わって、不世出の美男のバストショットを堪能できます。ちょっと輝いて見えるようなフィルターかかってるですね。上背に優れた凛々しい美男が女に鞭を振るわれてみたり、異民族に緊縛されてみたり、だまし...

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