Category映画(2017年の記事) 1/19

1955年1月、成瀬巳喜男『浮雲』東宝

敗戦だもの。変わらないのがどうかしてるさ。原作:林芙美子 脚色:水木洋子 撮影:玉井正夫 美術:中古智 録音:下永尚 照明:石井長四郎 音楽:斉藤一郎 監督助手:岡本喜八焼け跡。露店。赤いリンゴに唇寄せて、カストリは酔いやすい安酒。花も嵐も踏みこえて、結婚制度に縛られない自由恋愛のススメ。…………かなぁ…………。映画として投入された技術の意識高さと物語のギャップが、もはやカルト・ムービーの域じゃないかと思...

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2013年4月、石井裕也『舟を編む』

ちょっと男前になったね。原作:三浦しをん 脚本:渡辺謙作 撮影:藤澤順一 照明:長田達也 美術:原田満生 録音:加藤大和 編集:普嶋信一 音楽:渡邊崇 「大渡海」関連デザイン:井上嗣也心をば、何に例えん。恋をば、なんと説明せんか。きみの祖国は日本と呼ばれ、百万以上の言葉の海に浸っています。剣よりも強いペンを支える舟を編む男たちと女たちは、校正刷りとともに自分との闘いを重ねて行きます。昭和初期ふうの...

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1973年12月、森谷司郎『日本沈没』東宝映画・東宝映像

地球はとてつもなく大きい生き物です。原作:小松左京 脚本:橋本忍 撮影:村井博・木村大作 音楽:佐藤勝 美術:村木与四郎 録音:伴利也 照明:佐藤幸次郎 特技監督:中野昭慶東宝の面目。よく見てくだされ、この日本の特撮技術を。CGではありません。CGではないのです。しかも人物に投げかけられた光と影が画面に芸術的な深みを与えております。グッと低く構えたカメラが緊張感を高めます。脚本はジョークのかけらも...

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1953年8月、溝口健二『祇園囃子』大映京都

お座敷出てこそサービス営業やけど、外へ出たらレディやわ。原作:川口松太郎 脚本:依田義賢 撮影:宮川一夫 録音:大谷巌 音楽:斉藤一郎 美術:小池一義 照明:岡本健一 編集:宮田味津三 筝曲:萩原正吟 和楽:望月太明吉そうだ、京都行こう。アプレゲール・ビルドゥングス舞妓ロマン。保存がよかったようで画面たいへんきれいです。『祇園の姉妹』と同じ構図もあるようです。1953年なので海外向けPRの要素もあった...

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『荒野の素浪人』NET、三船プロ

第5話:『獄門 関所破り』 やると決めたこたぁ、やる。監督:土居道芳 脚本:安藤日出男 音楽:菊池俊輔 撮影:斉藤孝雄 美術:石田良之 録音:藤繩正一 照明:佐藤幸郎 編集:阿良木佳弘男の旅は二人旅。今日も峠から始まる社会派時代劇。今日も巻き込まれるオッサンと兄さんとタヌキ。どうしてもタイトルを『峠の素浪人』だと思ってしまっている件……。マフラー侍の得物がブラッシュアップされたようです。(初登場時は...

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2011年7月、三池崇史『忍たま乱太郎』

夢はでかくなけりゃ、つまらないだろ?原作:尼子騒兵衛 脚本:浦沢義雄 音楽:池頼広 撮影:北信康 照明:渡部嘉 録音:中村淳 美術:林田裕至 編集:山下健治 眼鏡プロデュース・デザイン:ヤマシタリョウ 衣装デザイン:松本智惠子 衣装:松田孝 ヘアメイクディレクション:冨沢ノボル 無常迅速。日本映画の底力を見よ。美しい国、美しい美術、美しい忍術。なんだか分からないけどすごいです~~。思いがけず超一級...

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1972年5月、熊井啓『忍ぶ川』東宝・俳優座

女には女の意地ってものがあるんだ。原作:三浦哲郎(新潮文庫版) 脚本:長谷部慶次・熊井啓 撮影:黒田清巳 美術:木村威夫 録音:太田六敏 照明:岡本健一 音楽:松村禎三水と雪を湛えた美しい国。なんという名だ、と尋ねし人あり。東宝創立40周年記念作品。東宝・俳優座提携作品。原作発表から12年。ギリギリでロケハンできた時代。あえてモノクロ、通常サイズ。出征も空襲もなくなった国で、青春の悩みを悩みぬくことが...

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1967年8月、山本薩夫『座頭市牢破り』大映京都・勝プロ

血で穢しては、大地が可哀想だ。製作:永田雅一 原作:子母沢寛 脚本:中島丈博・松本孝二・猿若清方 撮影:宮川一夫 音楽:池野成 録音:林土太郎 照明:中岡源権 美術:西岡善信男の旅は一人旅。山本薩夫の座頭市。……山本薩夫の座頭市!? あまり予備知識を入れずに借りに出るもんですから、時々嬉しい驚きもございます。勝プロダクション第一回作品。およしなさいよ無駄なこと♪と低い美声を響かせつつ、『白い巨塔』の翌...

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1966年3月、山本薩夫『氷点』大映東京

いまでも決して良いことだとは思っておりません。原作:三浦綾子 脚本:水木洋子 撮影:中川芳久 録音:須田武雄 照明;渡辺長治 美術:間野重雄 音楽:池野成 編集:中静達治 協賛:北海道旭川市映画は大映。ピアノメーカーは未詳。ファンタジー・インプロンプトゥお好きですよね薩夫さん。1966年現在、北海道。朝日新聞懸賞当選小説の映画化。あえてモノクロ。ワイドスコープ。樹氷、雪原、吹雪と、原作者の居住地の風景...

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1962年6月、森一生『新悪名』大映京都

何年ぶりの復員です?脚本:依田義賢 撮影:今井ひろし 照明:岡本健一 美術:西岡善信 音楽:斉藤一郎田宮二郎のキラキラした魅力が今さら惜しまれますが……。これ、スタジオの中ですよね? 善信のしわざですよね? まさかの俯瞰構図。溝口を支えた松竹もすごかったが、大映もカネの使い方を知っていたと思います。皮肉になってしまうところが悲しい。残ってほしかった映画会社でした。作中の対立の構図も面白いことになって...

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