MISHA'S CASKET

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2014年09月 1/3

【アナ雪グッズは男性キャラをプリントしちゃだめですよん。】

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あれは「女の子同士が互いを誤解せずに励ましあって生きていこうね」って話だから良いのです。ちょうど『ルームメイト』みたいな「女は怖い」式の物語の正反対で、それが世界中の心優しい女の子たちに歓迎されている。実際には、アナはクリストフに頼りっきりだし、エルサはハンスに優越できない。確かに「女は弱い生き物である」ことが前提になっているんだけれども、「でも女の子が二人そろえば無敵だよね」ってとこが良いわけで...

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【崖の上のぽにょの真実。】

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(※ 書き溜めたレビューを2時間おきに淡々と流す企画。)女王が主宰する巨大な球状の避難所は、子宮の象徴であるに決まっている。そこで再生の魔法が行われたのである。「本当はみんな死んでいる」のではなく、「本当はみんな蘇った」のだ。白雪姫の喉から毒りんごが外れるように。眠り姫が百年の眠りから目覚めた途端に老婆になることはないように。凍りついた妹姫が凍傷などの後遺症もなく息を吹き返すように。そこは、接吻に...

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表現の自由を守る「うぐいすリボン」キャンペーン。

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公式サイトはこちら:うぐいすリボンリボンを着けて啓発・協賛の意思表示をする運動のひとつだそうです。「じゃっかん色が地味(´・ω・`)」と思ったら、うぐいすって本当は茶色いんだそうです。黄緑色のはメジロなんだそうです。花の蜜を吸いに来るのもメジロ。だから「梅に鶯」も本当はメジロ。江戸時代には鶯茶という色が流行ったそうなので、江戸の人はちゃんと知っていたんですね。(※ ウィキペさん情報。)公式サイトでは、う...

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【ヴェルナー・ヘルツォーク『ノスフェラトゥ ファントム・デア・ナハト』】

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総天然色時代渾身のゴシックホラー。耽美って本来こういうもの。タイトルバックが怖すぎですが、頑張って見ましょう。タイトルバックの情景と物語は関係ありません。お話のほうは、むしろのんびりしてます。ネズミがいっぱい出てくるので、苦手な方は要注意です。風土と伝統文化を活かした民族色豊かな映画が撮られていた頃で、19世紀のコスチュームプレイであることもあり、眼の保養です。ロケハンとキャスティングの勝利。イザベ...

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【1950年 黒澤『羅生門』】

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脚本の面白さの基本は、芥川の知性によっている。脚色と撮り方の面白さには、日本が14世紀から蓄積してきた演劇術と、世界が20世紀初頭から蓄積してきた映画術の精髄が結晶している。日本文化の豊穣さを示す傑作をなにか一つと言われたら、これを提出してもいいと思う。未見の方は可及的速やかにご覧下さい。創作をこころざす人には大変勉強になると思います。展開上の仕掛けがあるので、ストーリーの説明はできません。さて……(以...

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【1969、パゾリーニ『王女メディア』】

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……沙羅双樹の花の色は、盛者必衰の理を表すとかや。・まさかの純邦楽が効果的。・たぶん当時までの文化人類学・民俗学的蓄積にある程度もとづいた、なんちゃって古代文明密着潜入ドキュメント。・衣装は一見地味だが実はものすごく豪華。・出だしのぎこちなさが素人の自主制作映画みたいで不安を呼ぶが、動き出してみるとエキストラ一杯で、実は大作。・オペラディーヴァの存在感。・イアソン役の自然体な男の色気がいい感じ。・素...

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【栗本薫『絃の聖域』】

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昭和55(1980)年初版であるから、すでに1970年代末までに「耽美」的な要素が読書子に受け入れられることの自信を(講談社編集部が)得た上で、波に乗って登場している。栗本薫の功績は、非現実的な存在である「たおやかな美少年」を自分の筆で描き出したいという耽美的な動機を基盤としながらも、その上に本格ミステリや、パゾリーニそこのけの古代ファンタジーを構築できることを示した点にある。ちゃんとしたミステリが書ける人...

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【柳広司『ジョーカー・ゲーム』】

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あるんでしょう? やるんでしょう?赤い唇の微笑み。部分から全体のつながりを暗示する叙述上の技法としても、読者の脳内イメージとしても、いいですな。 平成23年の文庫版。カバー絵で白手袋を着用した軍装姿の人物がふんぞり返ってますが、結城中佐は軍人と分かる格好はしないんじゃないのか。カバー絵アーティストと、どういう連絡とってるんでしょう……女性の起用は嬉しいことで、中味も活字が大きく読みやすいだけに惜しい、...

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【手塚治虫『MW』の誤算。】

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西村寿行は炯眼で、早くも1970年代後半に、「女王様が男たちに同性愛行為を命じる」という場面を描いている。手塚治虫『MW』は、さらに早く、竹宮恵子『風と木の詩』連載開始の数ヵ月後に発表されている。たぶん対抗意識を燃やしたのだ。でも、西村と違って、「女性がそれを描いた」ことの本質をつかみそこねた。独立・対等志向の女性ではなく、同性愛男性自身を国家転覆をもくろむ悪役にしてしまい、途中で「しまった」と思った...

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【福島次郎 『バスタオル』】

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冒頭、少年美描写の格調高さと、情念の深さに卒倒しかかる。文章はリズミカルかつ味わい深い。主人公の焦燥感を吐露する誠実さが、取り澄ました三島とはふた味ちがう。帯の煽り文句は「性を超えた!」……いや、超えてはいない。性の話題そのものだ。男色者に特有の悩みを赤裸々に語っている。が、編集者の言いたいことは「同性愛者と異性愛者、男と女の垣根を越えて、この切なさは誰でも理解できるはずですから、一度読んでみてくだ...

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【1937年 ディズニーアニメ『白雪姫』】

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昭和12年。これ、実は男性が御覧になるものと考えればよろしいかと存じます。1937年のクリスマスに、「自分の金を持って、一人で映画館へ見に来る女性客」を何人イメージすることができたか。実際に背景にあるのは、「体の小さな男たちに道化芸を演じさせて、ブラックタイ(いやホワイトタイ)の紳士たちが鑑賞する」という、ハイソサエティの社交の世界だと思う。現代人は「ここから始まった」と思うんだけれども、当時の人にとっ...

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【細田守 『おおかみこどもの雨と雪』】

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男性作家が「女性の息子離れを、娘の視点から描く」という離れ業。(逆に女性作家が「男性の娘離れを、息子の視点から描く」という作品は……あるかな? 渡鬼かな?)男性作家が「まぼろしの嫁さんを描いた」というべき作品が、ほんの30年くらい前から流行しているわけでございまして、軟化させれば「ハーレムアニメ」ですが、こちらはそのような関心を昇華した作品でしょう。雪山を美化した『アナと雪の女王』に対して、夏山の恐ろ...

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【豪華フルカラー同人誌を見てきた1980年代同人は】

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1990年代初頭に成人すると、就職氷河期の当事者となってしまった人々でもある。その一部には、ポルノ作家としてデビューすることができ、今では人気者という人もいる。その同世代の学生の中には、在学中によく勉強して、公務員試験に合格し、憧れの「○○隊員」となった人もあったし、免許を取得して(本採用されるのを数年間も待った上で)教員・学芸員になれた人もあったし、早くから業績を挙げて研究者としての活躍を開始した人も...

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【人生は割と早く決まる。】

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男女雇用機会均等法を制定する中心人物となった赤松良子氏は、津田塾で英語を勉強した後、東大法学部へ進み、1953(昭和28)年に卒業する前に国家公務員試験に合格した才女だ。当時は女性が家事を担当することが当たり前だと思われていただろう。しかも官僚の仕事というのは、タイトだ。ずば抜けて優秀な女性が、官僚の仕事と家事を両立するために、男性以上に時間をやりくりして頑張っても、男性のほうが昇進が早い……悔しい思いを...

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【やおい論の禍根。】

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「私がこんなふうになってしまったのは、お母さんのせいだ。だって、BLは家庭不和に悩む女の子が『はまる』分野だもの」いまだにこのように思い込む女性を生んだことが、かつての「やおい論」の残した禍根ではないかと思っている。さまざまな徴候からして、二次創作BLというのは、意気盛んな女子学生または女子高生の間から、男子学生の一部を夢中にさせる「男のロマン」へ切り返すジョークとして始まった。小説や漫画を自分で...

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【SFの基本は風刺精神。】

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宮崎駿監督のアカデミー名誉賞受賞を報じるのと同じ夕刊に、世田谷で開催中のSF展の紹介記事が載った。静岡新聞、GJ。両者に共通する言葉は「現代文明への批判」だ。地震が来たら原発どーすんだという課題を抱える静岡県だから、文明批判の言葉には、記者も熱が籠もる。1974年、宇宙戦艦ヤマトは、オイルショックに喘ぐ大地を蹴って、公害の空を飛んだ。その雄姿には、じつは……「戦後の日本が築き上げた現代文明なんて、全部ま...

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【星新一の手塚治虫評から二次創作へ話をつなげる試み。】

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「星は手塚作品の特徴を『構成のしっかりしている点にある。(中略)つまり、手塚さんが活字によって小説作法を完全に自分のものとし、それを漫画のなかに展開しているからではないだろうか』と評し、手塚漫画に文学性をみていた。」 (2014年8月29日付 静岡新聞夕刊『日本SF展・SFの国』紹介記事より孫引き)この「文学性」を、ひらたく言うと「山も落ちも意味もある」ってことになるのでしょう。『フクちゃん』の原作者...

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【非親告罪化に反対するほどに、著作権教育が強化される。】

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TPP交渉、大詰めである。年内妥結を狙っているという声もある。農協は本気で心配している。知的財産権侵害の一律な非親告罪化は、医薬品の開発など、一般産業界にも混乱を引き起こし得る。だから反対していくのはいいんだけど……PCでは、DVDを見ることができた。タブレットの時代には、DVDが売れない。洋画、アニメともダウンロード販売頼みになる。転載サイトの発生を抑えるために、「著作権を守りましょう」という呼び...

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【クラブダンス規制の件。】

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……あれはタイミング的に、NHK紅白の衣装がまずかったんじゃないかと思っている。「クラブ」とか「DJ」なんて連中は、放っておくと何しでかすか分からん、という認識が、一般人に広まっちゃったんじゃなかっただろうか。都会の若者らしいジョークが、全国の人々には受け入れられなかった。大人を怒らせると法律が変わるという好例だ。(悪例かな)弁護するつもりで「ダンス自体は学校教育にも取り入れられています」と言えば、...

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【法律ってものがある。】

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わりと年長の人が言う。70歳代とか。もっと上かな。思うに、日本の庶民は戦争中に良い思いをしなかったので、戦後になって平等な法律ができたときに、すごく嬉しかったんである。「こういうのは国へ言ってやって、法律を作らせないとダメだ」って本当に言う。地元は地縁・血縁・利権が絡んでダメだが、国へ頼めば平等に計らってくれるという、大岡裁きを期待する感じは、あると思う。黄門様の全国行脚は、もちろんその象徴だ。...

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【ゲーセンがつぶれた後のジモてぃーは何処へ行ったのか】

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と訊かれたことがあるんだけど、たぶん子育てしている。じつは四十歳代の非婚率は、そんなに高くない。逆に言えば、過半数の人が結婚している。おそらく、その内の大半が子供を得ている。または育児に意欲があるから、困難な不妊治療に挑戦している。……いずれも金がかかるし……自分の子供が部活動などで活躍している時、または「やっと生まれた」という時に、他人が絵に描いた子供なんて、付き合っちゃいられない。地元で鳴らした元...

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【男でないものは女であるわけではない。】

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「男児の胸を他人に見られるのがいやだから、海水パンツ型の水着を拒否する保護者がいる」という話題について、さるウェブ記者が「だからって男の子に女の子用の水着を着せるのはいかがなものか」と揶揄していた。ちょっと前の話だ。たぶん、その人自身が女児用スク水を大好きだから、たまらず連想したのだろう……誰も女児型を着せろとは言っていない。皮膚が紫外線に弱い子もいる。現に、日焼け防止用ラッシュガード型の上着が学生...

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【日本でシートベルトが義務づけられているのは。】

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国民皆保険だからだ。医療費を請求されたら、国は支払わなければならない。海外で「怪我をするのも病気になるのも自己責任」というなら、意味するところは「その際の医療費は全額自己負担」だ。「海外の人の自己責任の自覚はすばらしい!」と思う人もいるようだが、さりとて国民皆保険を廃止しろとも言うまい。自分も困る。日本で「国民皆保険を維持しつつ、シートベルトをするかどうかくらい自己判断にさせろ」というなら、……「シ...

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【アニメの捉え方が狭いんじゃないか。】

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確かにディズニーはうらやましい。家族そろって安心して見られるアニメ、“オタク”ではない若い人にも喜ばれるアニメを売り出して、記録的動員数を叩き出してみたい。かつて、それを成し遂げたのがジブリ(『千と千尋の神隠し』)なら、「ジブリよ、もう一度」と誰しもが思う。まして、暴力行為を賛美したアニメを「子供向け」と称して無料放映すれば、海外PTAが良い顔をしない。それなら、日本製アニメを浄化すれば、もっと売れ...

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【耽美を業界用語を使わずに語る試み。】

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と、いうのを個人的にやってみている。少々前に、地方新聞のひとつに竹宮恵子による漫画作品『風と木の詩』の紹介文が掲載された(ので懐かしかった)のをきっかけに……当時は耽美と呼ばれた(後にボーイズラブ)、非常に特殊な創作分野に関して、わざと一般的な語彙を使用して語る試みである。いかに官能的な要素を含む話題であろうとも、独特の隠語や、露悪的なオノマトペを使用した時点で、それに馴染んでいない読者を鼻白ませて...

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【耽美、JUNE、やおい、ボーイズラブ。】

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一般化して言うと「女性が想像で“衆道の契り”の現場を描いた創作物」である。単に「昔の貴族や武士の世界ではそういうこともあった」という報告・短い言及ではなく……小説・漫画などの技法によって「殿のお召しを受け、身支度を整え、参内して、言葉を交わし」などという場面を細かく描出し、鑑賞に供するものだ。映画『桜の森の満開の下』に、ちょうどそんな場面があるが、あれは男性監督の作品だ。ここでは、とくに女性が手がけた...

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【禁色と、恋人たちの森。】

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三島由紀夫は、少なくともゲイコミュニティの人間ではなかった。仲間意識があれば、貴重な出会いの場となっている喫茶店の内情について、暴露するはずがないからだ。興味本位で店へ押しかけ「二階を見せてくれ」と申し出る一般読者、潜入取材を試みる雑誌記者、見過ごしにできなくなって家宅捜索に踏み切る警察……仲間の大迷惑は、いろいろと考えられる。そりゃ店主も怒る。彼は銀座に集うゲイを「男の魅力をよく知っている男色者も...

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【二十四年組耽美作品は、成人女性の趣味の低年齢化。】

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森茉莉は『恋人たちの森』を書いた時点で、中高年と呼ばれる年齢だった。二十四年組と呼ばれる漫画家は、1975年の時点で、二十代後半に達していた。前者の父上の作品には、金井湛くんの青春時代を描いたものがある。後者の耽美作品には、西欧ロマン主義への私淑ぶりが認められる。成人女性が、古典文学や、ロマン主義文学や、それに詳しい日本の男性作家の作品を読んで、「男性による少年趣味」という心性・行動様式の存在に気づき...

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【女のロマンの定型化。】

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青池保子『イブの息子たち』を読むと、すでに冒頭で「古代ギリシャに憧れ、青年美を称賛する西欧貴族階級出身の男性詩人の倦怠的・美的な生活」が、ありがちな定型とされており、笑いの種とされていることが分かる。主人公の名は、バージル。ヴェルギリウスの英語形だ。彼の居室には古代ギリシャふうの青年裸像が、とりとめもなく飾られている。(整理整頓は苦手)そのような生活様式の発想元は、ワイルドであり、ヴェルレーヌであ...

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【青池と竹宮における耽美のパロディ化。】

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青池保子『イブの息子たち』は、月刊『プリンセス』1976年1月号に初登場している。月刊誌の慣習から言って、読者の手元に届いたのは、1975年末だ。作者が制作にいそしんでいたのは、10月末頃だろう。翌1976年の春に連載を開始したのが、竹宮恵子『風と木の詩』。共通点は「先行した文学的耽美趣味が、この時点で風刺されている」ことだ。一見すると、漫画家自身がおおいに楽しんで描いているようであるから、分かりにくいんだけれ...

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