MISHA'S CASKET

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201701 1/2

本年もよろしく諸注意お願い申し上げます。

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皆様よいお年をお迎えのことと存じます。本年もよろしくお願い申し上げます。昨年に引き続き、映画等の鑑賞記と、特殊な創作分野に言及することの二本立てになりそうです。ときどき現実の社会問題に疑問・苦言を呈するということもございます。わざと特殊分野の話題につなげて行くつもりで映画を観ているのではないのですが、映画に表現された社会問題から、女権運動の負の側面を連想することは多うございます。以下、諸注意を申し...

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大島渚『日本の夜と霧』(1960年)再考。

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映画作品の内容に直接言及いたしますので、未見の方はご注意ください。象徴主義的な風景の遠望も、物体の接写もなにもなく、会話だけで成り立っている密室劇で、ときどき回想シーンとして違う場面が挿入されるんですけれども、それも黒澤時代劇のように「アクションそのものの迫力で魅せる」ってことではなく、基本的に立ったまま・座ったままで会話してるだけなのです。カメラは、その会話を演劇の観客の目線同様に発言順に追って...

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ほかの子が避難者をイジメなければ、恐喝が成立しない。

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どっかの中学生が福島からの避難者を恐喝していたって話。「あんたが避難者だって学校のみんなに言うよ」というのが脅し文句だったそうなんですが、よく考えると、おかしな話です。だって、もし「あの子、避難者なんだって」と聞かされたほうの生徒たちが「そうなんだ。大変だったね」と冷静かつ共感的に受け入れて、避難者に公平に接するなら、恐喝が成り立たないわけです。「あの子」が避難者だと知ったからって、急に仲間はずれ...

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2016年、ウシロシンジ『映画妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』

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そういう展開か!原案:日野晃博 原作:レベルファイブ 脚本:日野晃博・加藤陽一 音楽:西郷憲一郎 実写パート監督:横井健司 撮影:神田創 美術:佐久嶋依里 助監督:佐伯竜一なんだこれ!? タイトルも長いですが、たいへんな力作です。実物大セット? 模型っぽいCG? 合成もしてるけど、ロケもしてるよな……? 我が目を疑い、冷や汗を覚えつつ。テレビシリーズの背景画からして、実在感が売りでしたが、最初からこれ...

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1937年8月、山中貞雄『人情紙風船』東宝

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出雲の神様に縄張りァございませんからね。脚本:三村伸太郎 撮影:三村明 録音:安恵重遠 音楽:太田忠 美術考証:岩田専太郎二.二六事件の翌年に撮られた時代劇。実際の世相とも重なる明日が見えない貧乏暮らしを完全再現する手法はかなり贅沢かつ高踏的。ときに監督、二十八歳。町人パワー炸裂する長屋描写は大掛かりなセットを活かしたスーパーリアリズム。ちょっと珍しい角度から狙った、ドキッとするような構図がいっぱ...

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1949年3月、木下恵介『お嬢さん乾杯』松竹

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愛してるなんて、そんなお上品なことじゃ惚れたにゃなりませんよ。脚本:新藤兼人 撮影:楠田浩之 音楽:木下忠司 照明:豊島良二 美術:小島基司 賛助:八州自動車株式会社 特別出演:大日本拳闘協会 特別出演:市村襄次夫妻(ガルデニアサークル)・貝谷八百子バレー団 主題歌:灰田勝彦わずか1時間29分ながら、最高の心の贅沢。話法の熟練ぶりに加え、戦争が終わった喜びに満ちております。「Fantaisie-Impromptu」(...

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1949年7月、木下恵介『新釈 四谷怪談』松竹

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一人で獄門にさらされるのァ、寂しゅうござんすぜ。原作:鶴屋南北 脚本:久坂栄二郎・新藤兼人 撮影:楠田浩之 照明:寺田重雄 録音:高橋太朗 美術:本木勇 音楽:木下忠司上原謙、滝沢修、佐田啓二。まさかの美男ぞろいによる木下恵介流四谷界隈グランドホテル形式サスペンスはなかなかにハードボイルド。なによりも田中絹江(絹代です。訂正してお詫び申し上げます)の二役の見事さが怖い。女の意気地と男の独善性と、す...

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構築主義の否定はフェミニズムの自滅です。

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女は女に生まれるのではありません。女になるのです。同性志向者は異常に生まれるのではありません。成長してから、異性志向者によって「男同士でやる奴らは異常だ」と言われるのです。異性志向者が、同性志向も正常だと認めて、彼ら同士の結婚を許可すれば、男同士は異常ではなくなるのです。女同士も同様です。【構築主義の否定はフェミニズムの自滅です】古い映画には「女性が自活できないので男性のお荷物になるのが悲劇の元」...

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ゲイ・レズビアンとお付き合いする時は、真逆の発想が必要です。

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「男同士って結婚できないから可哀想。一緒に泣いてあげるわ」じゃダメなのです。彼らは結婚してハッピーになりたいのです。男同士の愛に将来性がなく、切ないのは、あなた自身が彼らを差別しているからです。彼らが不幸なのは、あなたのせいです。ストレート女性が彼らのためにできることは、観光気分でゲイバーへ行くことではなく、自分自身の職場や学校でストレート仲間に向かって頭を下げて「これ以上あの人たちを差別しないで...

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1950年4月、黒澤明『醜聞』松竹

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おい、オヤジ! 人生は涙ぐましいな!脚本:黒澤明・菊島隆三 撮影:生方敏夫 調音:大村三郎 美術:濱田辰雄 照明:加藤政雄 音楽:早坂文雄黒沢・三船が大都会の仮面を暴く鮮烈巨弾!(公開当時のポスターより)米軍憲兵司令部による道路標識が出ていた頃。「写真版と活字」が良くも悪くも生き生きしていた頃。カメラはライカ。オートバイはキャブトン。人々は当時から「来年から本気出す」的なことを言っていました。はら...

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1957年9月、黒澤明『どん底』東宝

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あたしだって、いろんなこと考えて、ほんとにそんなことになるの待ってんのよ。原作:ゴーリキー『どん底』脚本:小國英雄・黒澤明 撮影:山崎市雄 美術:村木興四郎 録音:矢野口文雄 照明:森茂 音楽:佐藤勝 昭和三十二年度芸術祭参加作品。こいつァ春から演技がいい、ベテランメンバーによるスーパー貧乏暮らし。黒澤さんのミュージカル好みもここまで来ました。目も当てられないようなビンボーのずんどこですが、どうも...

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1958年12月、黒澤明『隠し砦の三悪人』東宝

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真壁六郎太! 男ぶりが一段と上がったぞ!脚本:菊島隆三・小國英雄・橋本忍・黒澤明 撮影:山崎市雄 美術:村木興四郎 録音:矢野口文雄・下永尚 照明:猪原一郎 音楽:佐藤勝 美術鑑修:江崎孝坪 香取神道流:杉野嘉男 大日本弓馬会武田流:金子家教・遠藤茂 振付:県洋二でこぼこ水掛け漫才と男のロマン溢れるアクション巨編をシェイクして、能楽を小匙一杯、コンテンポラリーダンスを一振り、仕上げにリボンの騎士風...

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不思議な著作権問題。~中年と若い人に贈る言葉

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著作権保護の強化という話に同人があわてふためくというのは、考えてみると奇妙な話なのです。まず、有名キャラクターの「イメージ」を利用したパロディという技法そのものを禁止すれば『妖怪ウォッチ』を放映できなくなります。手塚治虫の漫画作品は再版禁止です。有名な台詞を利用することを禁止すれば、『クレヨンしんちゃん』の劇場版は文化庁メディア芸術祭受賞作なのに再上映禁止です。むしろ国民的損失であり、みんなの迷惑...

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1953年3月、溝口健二『雨月物語』大映

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でも、もう、あなたは私のものになりました。原作:上田秋成 脚本:川口松太郎・依田義賢 作詞:吉井勇 撮影:宮川一夫 録音:大谷巌 照明:岡本健一 美術:伊藤喜朔 音楽:早坂文雄 音楽補佐:斉藤一郎 風俗考証:甲斐庄楠音 能楽按舞:小寺金七 陶技指導:永楽善五郎 和楽:望月太明吉社中 琵琶:梅原旭涛王者大映がその真価を全世界に問う最大の野心巨篇。(予告篇より)1953年度イタリーヴェニス国際映画コンクー...

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1961年11月、鈴木英夫『黒い画集 第二話 寒流』東宝

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男と女の違いはあるが、事業のセンスは僕より奥さんのほうが上かもしれないな。原作:松本清張(週刊朝日連載)脚本:若尾徳平 撮影:逢沢譲 美術:河東安英 照明:猪原一郎 音楽:斉藤一郎1959年前後に発表された松本清張の短編集『黒い画集』所収の作品を映像化する企画のようです。今回は池部良と平田昭彦のツーショットが眼福な銀行内幕劇。序盤は編集が凡庸に思われますが、じわじわ来ます。池部良は、いわゆる滑舌があん...

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1978年9月、横溝正史シリーズⅡ『黒猫亭事件』TBS系

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こんな女に、誰がした。脚本:安倍徹郎 撮影:渡辺貢 照明:山下礼次郎 美術:西岡義信 音楽:真鍋理一郎 監督:渡辺祐介我が輩はクロである。かたきは必ず取る。昭和二十二年、晩秋。1978年4月から10月に放映された、角川春樹事務所と毎日放送と大映京都によるテレビドラマシリーズの第7話。今回唐突に第7話なのは、タイトルに惹かれたからですニャン。1時間番組2本による前・後篇。テレビサイズを活かした接写が印象的...

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二次創作は、読みたいと言ってくださる方々に支えられています。

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漫画アプリのテレビコマーシャルを観て「ちゃんとペンとインクで描いてる(涙)」と喜ぶ今日この頃でございます。守るべき伝統もあれば、克服すべき勘違いもあります。まず申し上げておきますと、同人活動はあなたの学業成績を悪化させる危険性を高め、人生を変えてしまう恐れがあります。未成年者・ヤングアダルトを問わず、周囲の人から勧められても決然として断る権利はあなたにあります。摂食障害を回避するために二次創作BL...

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1943年7月、木下恵介『花咲く港』松竹

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潜水艦におどかされてしりごみしたとあっちゃ、日本の漁師の名折れじゃ。原作:菊田一夫(情報局委嘱国民演劇脚本) 脚色:津路嘉郎 撮影:楠田浩之 美術:本木勇 音楽:安部盛 演奏:大東亜交響楽団 編集:杉原よし 照明:長島猛 大道具:矢萩太郎 小道具:島田信男名優ぞろいの名コメディ。完成度マックスの上を行く、初監督作品。東山千栄子が大活躍。色男趣味もすでに確立していたもよう。九州の小島。風の強い海浜、...

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1981年10月、篠田正浩『悪霊島』

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現代人の失っているもの。それは静かで激しい拒絶だ。製作:角川春樹 原作:横溝正史 撮影:宮川一夫 脚本:清水邦夫 美術:朝倉摂 照明:佐野武治 音楽監督:湯浅譲二 挿入歌作詞・作曲:ジョン・レノン/ポール・マッカートニー前時代的父権に翻弄される女性の悲劇を戦後の知性である金田一が「神」の視点から解明する市川路線に乗っかって、嫁さん撮らせたら世界一な人をひっぱり出したら、懐かしい既視感たっぷりな篠田...

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1994年6月、ローレンス・カスダン『ワイアット・アープ』

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勇気のある奴は前へ出ろ。全員道連れだ。人海戦術的リアル西部劇。ワイアット・アープさんがワイアット・アープさんになるまでを真正面から描いた一代記。堂々の2枚組み。かつて米国において、銃とは無法の象徴であり、法の象徴でもあったのです。いやたぶん今でも。町が若すぎて葬式を出すのが初めてだというほどの西部の黎明期に、人々は血の絆だけを信じて身を寄せ合わざるを得ず、争いごとを解決する方法は、その血を流すこと...

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シングル養子育児をイメージできていますか?

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養護施設から引き取られた児が里親の愛情を確かめるために、わざといたずらしたり、食卓を汚したりということがあるそうです。決して怒らず、しんぼうづよく付き合うのが基本です。彼(女)らが立派にひとり立ちできることの支援として世話をするのですから、いずれ基礎的な躾として「たしなめる」ということはあるでしょうが、「何回言ったら分かるの!」ではなく、百回でも千回でも穏やかな声で言ってやってください。割れた皿を...

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創作ファンは国民の一部にすぎません。

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1960年に20歳で、シュプレヒコールったりジグザグったりしていた人は、今年77歳です。(!)1990年代には50歳代でしたから、大学教員としてゼミ生に影響力をふるっていた可能性があります。そのゼミ生が、いまや40代です。マルクス主義的発想・口調が無反省に受け継がれちゃってる可能性は、けっこうあります。いま20代のゼミ生がBLを研究題材に取り上げると、自分の指導教員をすごい勢いで批判することになる可能性もあるので留...

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BLは、男性中心社会における既成概念の追認にすぎません。

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BLと呼ばれるようになった表現分野については「男性中心社会を否定しているのか、肯定しているのか」、まさにマルクス主義的な議論が行われていたわけですね。けれども、実態は「男性が権力をにぎると、異性ばかりか自分の後輩にまで性的な意味で手を出すことがある」という伝説に依拠しているにすぎません。また、かならず男女の真似をするというステレオタイプに基づいている。その際、年少者のほうが女に見立てられるというの...

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若い人が、おとなの女にはついて行けないと言っているのです。

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「いまの若い人々からは、同人・BL作品といえども多様化を求める声が挙がっています」という報告をしている時に「20年前にはエロが売れたんだよ! みんな私の同人誌を買いに来たよ!」と言われても困るのです。まさに、そういう「昔とった杵づか」というつもりの中年が過激なものばかり発行するから、若い人が「私の読みたいものがない」といって嘆いているのです。歳を取るにつれて、従来のものに飽きてしまい、刺激ににぶくな...

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あわててクレームすると、お局さま編集者が威張っていることになってしまいます。

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BL周辺が常に騒がしい理由の一つは、内部抗争があることでございまして、とくに市販作品の話をしている時に同人系が対抗意識を燃やして難癖つけてくるのは困るのです。もともと「BLにエロはいらない」とか「10ページに1回エロを書けなどと言われたくない」とかいうのは、市販作品の制作に当たって、出版社の編集者が偏見を持っているので困るという、プロ作家およびファンの愚痴なのです。アマチュア作家なら、自分の思った通...

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上野さんの百円レンタル発言の件。

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2014年2月19日付『Woman type』の記事の話。ふた昔前のような気がする話題ですけれども思い出したもんですから。個人的に、おかげ様ツタヤ様で本当に100円で映画観て幸せですから、そこはいいんですけれども。「年収300万円の男女が結婚すれば、世帯年収は600万円になります。今の平均世帯年収の400万円台を軽く超えますし、子どもに高等教育を受けさせるにも十分な額です。ですから、女性は年収300万円を確保しつつ、年収300万円...

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可哀想と思うことが悪いわけではなく。

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相手に聞こえるように「可哀想」と言っちゃってもいい、と思っていることが差別なのです。車椅子使用者を指さして、どっかの子どもが「可哀想」と言った。母親らしき大人の女性も「可哀想ね」と言った。俺は可哀想なのか?人権擁護啓発ポスターの一節ですけれども、ここは「車椅子使用者は可哀想かどうか?」を議論するところではないです。「思っても言わない気遣いができるかどうか」です。だって「可愛い」とか「かっこいい」と...

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「LGBTは生理的に無理と言えばいい」の真意。

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某市長さんのお話。これは「もっともらしい理屈をいって、おためごかしをしてないで、俺は差別したいとハッキリ認めればいい」ってことなのです。某市長が「LGBTは生理的に無理と言えばいい」と発言したと報道されると、「言えばいいんだ」という脊髄反射が生まれがちですけれども、そこじゃないですね?「言い訳するな」が本当の意味です。同性婚について「少子化が進むから良くない」と言うなら「孤独死を防げるから良い」と...

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女性が『薔薇族』に文句言う筋合いではありません。

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1975年のコミケ初開催に15歳で参加した人は、1980年には成人します。人によっては実家を出て、一人暮らしを始める。すると親に気兼ねせずに成人向け雑誌を講読できるようになるわけです。すると、女性が『薔薇族』の内容に難癖つけることも起きる。……いや、だから。なぜそこでクレームする!?ツイッターなどの無かった時代ですから、わざわざ手紙を書いて編集部へ投書したか、わざわざゲイバーへ押しかけて直談判したですな。そら怒...

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「私たちのもの」だから、フェミが責任取りましょう。

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「男同士は異常だ」と書かれた創作物を読んで興奮した若い女性が、わざわざゲイバーまで押しかけて来て、我々に対して下品な質問をして困るので、対応してほしい。ゲイコミュニティがこのように訴えてきた時に、フェミニストの答えが「そのような創作物は私たちのものです!」では、お話にならないのです。ゲイコミュニティは最初から「あのように失礼な創作物は、あんた達のものだろうから責任取ってくれ」と言ってきたのです。彼...

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