MISHA'S CASKET

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201705 1/3

1970年1月、岡本喜八『座頭市と用心棒』勝プロダクション

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なるほど。二百両の値打ちはある。製作:勝新太郎・西岡弘善 原作:子母沢寛 脚本:岡本喜八・吉田哲郎 撮影:宮川一夫 照明:中岡源権 美術:西岡善信 音楽:伊福部昭 助監督:中西忠三吹きすさぶ風は黒澤へのオマージュ。映画十本分の面白さ。かっこいいとはこういうことさ。映像美と男の色気に酔っていい映画。岡本喜八ここにあり。バケモノとケダモノの明日はどっちだ。いや、でもこれいいのかな!? 黒澤そこまで言って...

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1974年10月、野村芳太郎『砂の器』松竹・橋本プロ

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繰りかえし、繰りかえし。繰りかえし繰りかえし。製作:橋本忍・佐藤正之・三嶋与四治 原作:松本清張(光文社・新潮社) 脚本:橋本忍・山田洋次 撮影:川又昂 美術:森田郷平 音楽:芥川也寸志 ピアノ:菅野光亮 指揮:熊谷弘 特別出演:東京交響楽団 録音:山本忠彦 照明:小林松太郎 監督助手:熊谷勲寸毫の隙もなき圧巻の2時間23分。男性映画の金字塔。フルカラー&ワイドスコープの観やすさ、豪華出演陣とミス...

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1974年10月、斉藤耕一『無宿』勝プロダクション

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生まれて初めてや。こんなこと言うたのは。製作:勝新太郎・西岡弘善・真田正典 脚本:中島丈博・蘇武道男 撮影:坂本典隆 照明:中岡源権 録音:大角正夫 美術:太田誠一 音楽:青山八郎 編集:谷口登司夫 音響効果:倉嶋暢 助監督:市古聖智 色彩技術:渡辺貢我は海の子、白波の。「やどなし」と読みます。まさかの昭和49年度芸術祭参加作品。ジンタが流れる昭和初期。仁侠映画にリアリズムを持ち込んだり、別種の男の...

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1975年8月、黒澤明『デルス・ウザーラ』モスフィルム

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わが良き友よ。灰色の翼の鷲よ。脚本:黒澤明、ユーリー・ナギービン 撮影:中井朝一、ユーリー・ガントマン、フョードル・ドブロヌラボフ 美術:ユーリー・ラクシャ 音楽:イサク・シュワルツ 堂々141分。ゆっくり御覧なさいませ。アカデミー賞最優秀外国語映画賞、モスクワ国際映画祭金賞。エイゼンシュテインとロシア文学に憧れ、セットのリアリズムにこだわり続けた人が1年かけて撮る大シベリアの風景は、畏敬の念と親愛...

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1980年4月、黒澤明『影武者』東宝・黒澤プロ

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動くな。なにごとがあっても悠然と構えて、動いてはならん。プロデューサー:黒澤明・田中友幸 外国版プロデューサー:フランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカス シナリオ:黒澤明・井手雅人 監督部チーフ:本多猪四郎 アドバイザー:橋本忍 撮影:斉藤孝雄・上田正治 撮影協力:中井朝一・宮川一夫 美術:村木与四郎 録音:矢野口文雄 照明:佐野武治 音楽:池辺晋一郎 監督助手:岡田文亮 武家作法:久世竜 馬術指...

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1966年7月、大島渚『白昼の通り魔』松竹

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製作:中島正幸 原作:武田泰淳 脚本:田村孟 撮影:高田昭 美術:戸田重昌 音楽:林光 照明:三浦礼 録音:西崎英雄 助監督:佐々木守悪魔的作品、戦慄の大公開。(予告篇より)佐藤慶のちょっと危険な個性を活かしきったサスペンスの一種。男の甘え、女の自己陶酔。木下恵介の実験精神と映画界の新御三家を支えきった松竹ってのはいい度胸してるなァと思いつつ、悪魔的って言葉は澁澤龍彦や谷崎潤一郎にも使われた通りで...

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1981年8月、松林宗恵『連合艦隊』東宝

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これが、私の最後の教訓です。製作:田中友幸 脚本:須崎勝弥 企画協力:児島襄・豊田穣 撮影:加藤雄大 美術:阿久根巌 録音:矢野口文雄 照明:小島真二 音楽:谷村新司・服部克久 演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団 監督助手:今村一平 製作協力:東宝映像株式会社 特技監督:中野昭慶 作画:塚田猛昭・石井義雄 ナレーション:平光淳之助徳之島の西方、二十マイルの洋上。大和轟沈して巨体四烈。水深四百三十...

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1983年5月、大島渚『戦場のメリークリスマス』

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彼らは過去に生きている。立場上、虚勢を張っていたけれど、ほんとうは友達になりたかった。時代に翻弄された不器用な3組の男と男の物語。スーパースターを文字通り使い倒しました。名優ぞろいの実在感と、さんざんハードボイルドな描写した挙句になんかいい感じにまとめてしまう渚の料理術を嘆賞いたしましょう。国際合作映画の音楽として、すぐに思いつくのは「日本人を和楽器で表現する」ですね。武満音楽に憧れる海外映画人も...

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1983年7月、蔵原惟繕『南極物語 ANTARCTICA』

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そんな簡単なことが分かるまで、ずいぶん遠回りしてきました。脚本:野上龍雄・佐治乾・石堂淑朗・蔵原惟繕 音楽:VANGELIS シンセサイザー協力:日本楽器製造株式会社 撮影:椎塚彰 録音:紅谷愃一 美術:徳田博 照明:川島晴雄 別班撮影:田中正博 現場録音:橋本泰夫 助監督:山下稔 ドッグトレーナー:宮忠臣もはや戦後ではない1957(昭和32)年、オングル島、昭和基地。実話を足かけ4年で完全再現。撮影は、南極の...

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1999年1月、大島渚『御法度』松竹

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製作:大谷信義 原作:司馬遼太郎 脚本:大島渚 撮影監督:栗田豊通 美術監督:西岡善信 衣装デザイン:ワダエミ 音楽:坂本龍一 松竹・角川書店・IMAGICA・BS朝日・衛星劇場提携作品そうとは言わずに交わされる、男たちの純情とサディズムと嫉妬。大島渚ここにあり。妖しい美少年のお話ですが、初手から「その道」の話であることを隠そうともせず、終幕まで真正面から主題に取り組んだ監督の男らしさが清々しいです。画面...

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1958年9月、小津安二郎『彼岸花』松竹大船

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いいの。責任はあの子たちが持ちます。原作:里見弴 脚本:野田高梧・小津安二郎 撮影:厚田雄春 美術:浜田辰雄 録音:妹尾芳三郎 音楽:斉藤高順 照明:青松明 色彩技術:老川元薫 監督助手:山本浩三祝・総天然色撮影。昭和三十三年度藝術祭参加作品。初めて撮ったカラー画は、赤煉瓦の東京駅でした。小津さんらしくて泣けてきます。オープニングも本篇も、赤・白・黒の日本的トリコロール美学を追求したいもようです。...

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1959年5月、小津安二郎『お早よう』松竹大船

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困ったもんですねェ、テレビ。脚本:野田高梧・小津安二郎 撮影:厚田雄春 美術:浜田辰雄 音楽:黛敏郎 録音:妹尾芳三郎 照明:青松明 色彩技術:老川元薫 監督助手:田代幸三 もはや戦後ではない昭和34年。厚田が撮る浮き世の隅っこ暮らしは『生まれてはみたけれど』以来久しぶりの子ども映画。野田&小津は、敵に花を持たせる円熟の境地。小津作品の中でも若い人が観やすい一本ではないかと思います。当時の子どもに人...

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1962年10月、森一生『続・座頭市物語』大映

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お前さん、どうしてそんなに強いんだよ。原作:子母沢寛 脚本:犬塚稔 撮影:本多省三 録音:林士太郎 照明:伊藤貞一 美術:太田誠一 音楽:斉藤一郎 助監督:井上昭これですよ、これ。ロングショットでワンカット。巻き戻してもう一度。かっこいいいぃ。序盤30分間の盛りだくさん具合がすごいです。奇妙な行きがかりと過去のいきさつ。2本の物語の絡まり具合も鮮やかに、前作を踏まえて主人公の内面を描きつつ、情緒深い...

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1963年11月、田中徳三『眠狂四郎殺法帖』大映京都

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おい、やめろ。俺に剣を抜かせるのは。企画:辻久一 原作:柴田錬三郎「週刊新潮」連載 脚本:星川清司 撮影:牧浦地志 録音:奥村雅弘 照明:中岡源権 美術:内藤昭 音楽:小杉太一郎 祝・シリーズ第1作。雷蔵32歳。天下無双の巻き込まれ型ひねくれ者。オープニングがたいへんカッコいいのでございます。男にも女にもモテてモテて困る。(べつに困ってないか)物騒なタイトルですが、爽やかなカラー撮影。地志カメラは今...

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1964年1月、三隅研次『眠狂四郎勝負』大映京都

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相手は俺か!原作:柴田錬三郎「週刊新潮」連載 脚本:星川清司 撮影:牧浦地志 録音:奥村雅弘 照明:山下礼二郎 美術:内藤昭 音楽:斉藤一郎 大映スコープ、総天然色。かけ蕎麦が食いたくなる映画。公開月に合わせてお正月のにぎわいから入りますが、世情は不景気で浪人だらけで物騒だったもようです。主人公はクールぶってて曲がったことはきらいな赤毛の着流し。隻腕ではなく行儀が悪いだけです。併映は『温泉女医』だ...

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1966年7月、森谷司郎『ゼロファイター大空戦』東宝

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やまと魂が燃料になりますか。製作:田中友幸・武中孝一 脚本:関沢新一:斯波一絵 撮影:山田一夫 美術:北猛夫 録音:矢野口文雄 照明:大野晨一 音楽:佐藤勝 監督助手:山本迪夫 特殊技術監督:円谷英二 監督助手:中野昭慶 操演:中代文雄祝:森谷司郎第一回監督作品。男泣かせの戦争ファンタジー。伏線を張るとはこういうことさ。製作費に糸目をつけぬ実物大&3分の1大型模型により、量感あふれる離着陸、彼我入...

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1983年4月、森谷司郎『小説吉田学校』フィルムリンク・インターナショナル

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われわれの国はわれわれが動かす。製作:山本又一朗 原作・監修:戸川猪佐武 脚本:長坂秀佳・森谷司郎 撮影:木村大作 美術:村木与四郎・育野重一 録音:吉田庄太郎 照明:熊谷秀夫 音楽:川村栄二 主題歌『少年達よ』作詞:小椋佳 作曲・唄:堀内孝雄 助監督:中田新一 ナレーター:平光淳之助我は海の子、大磯の。森谷司郎、畢生の名作。1980年代東宝オールスター。竹脇無我、高橋悦史、西郷輝彦、石田純一、さらに...

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1985年6月、黒澤明『乱』ヘラルド・エース=グリニッチ・フィルム

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なんだって俺ァこんな爺ィにくっついてるんだ。脚本:黒澤明・小國英雄・井手雅人 演出補佐:本多猪四郎 撮影:斉藤孝雄・上田正治 撮影協力:中井朝一 美術:村木与四郎・村木忍 照明:佐野武治 録音:矢野口文雄・吉田庄太郎 整音:安藤精八 効果:三縄一郎 衣装デザイナー:ワダエミ 助監督:岡田文亮 音楽:武満徹 指揮:岩城宏之 狂言指導:野村万作 能作法指導:本田光洋(金春流) 横笛演奏指導:鯉沼廣行 ...

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1990年5月、黒澤明『夢』ワーナー・ブラザース

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こんな夢を見た。脚本:黒澤明 撮影: 特殊効果 技術協力:SONYやると思えばどこまでやるさ。カメラかついで東へ西へ。いや、セットかな…?美術さんと特殊効果さん大活躍で虚実不分明な幻想世界は、シビアなお話も含んでおりますが、映画を撮る喜びに溢れております。黒澤作品の楽しいところは、1940年代から変わってないところ。おなじモチーフ、おなじ表現を繰り返している。単館上映系ならまだしも、これほどの大作を撮...

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林芙美子・成瀬巳喜男『めし』再考。

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どう考えても上原謙の横顔は「日本のグレイト・プロフィール」であって、映画界広しといえども、最も非凡なのです。それを眺めて、また世紀の美人女優・原節子が「この平凡な横顔の男を支えて生きるのが私のつとめ」ってのは、やっぱり無理がある。映画会社の興行的思惑によるものだったそうで、まァそりゃそうでしょうが、本来どうあるべきかと考えてみると、まずお互いに非凡だったからこそ、駆け落ち同然の熱愛結婚で結ばれたの...

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同人誌即売会からは、撤退するんじゃないです。

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イベントは一日で終了するので、「テナントを年間契約していたが、打ち切って撤退した」というのとは訳が違います。「一日かけて売ってみたが、たいしたことなかったので、自信をなくして次回は挑戦しなかった」というだけです。動きの方向性が違うのです。確保していた拠点を放棄したんじゃなくて、イベント終了の時点で、すべての参加者がいったん終わるのです。全員が拠点(出展ブース)を放棄し、日常生活に復員するのです。そ...

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男心も女心も分かるゲイは、最も厳しいお局さまです。

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男性として自立して生きて行く覚悟と、女性としての細かい観察眼を兼ね備えたタイプのゲイというのは、ストレート女性にとって、最も辛辣な「お局さま」です。若い女の礼儀知らずを甘やかしません。また若いふりしてわざとバカっぽく振舞う中年女を腹の底から軽蔑していると思えばいいです。そもそも、ストレート女性が「ゲイから軽蔑されることはあり得ない」と信じ込んでいることが、すでに差別です。自分より彼らのほうを下に見...

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二次創作者は、おカネの話をしない約束です。

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利益があったということは、キャラクター使用料を支払うことができるということです。著作権者が「だったら支払え」と言って来ない保障はありません。彼(女)には、それを言う権利があるからです。あなたには断る権利はありません。それをどうしても自分から「ここに支払ってない人がいま~~す♪」と言いたいなら、使用料または損害賠償金を支払う用意をしてから言いましょう。これは「法律がそうなっている」という話です。警察...

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BLと二次創作は、別です。

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すでに森茉莉以下、二十四年組・『JUNE』連載陣を含めて、プロとして作品発表していた(している)人々があり、作品の蓄積があるのですから、BLを書評することは可能です。「確かに女流による男同士というのは特殊な表現ですが、なにごとも差別するのはよくありません」と弁護することも可能です。だからといって、二次創作者が「私が二次創作を売るのも自由で~~す♪」と言うことはできません。言うだけ言ってもいいですが、ピ...

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なぜ先輩たちが「同人はフェミとは別」と言ったのか考えましょう。~自立支援の時代の陥穽

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どのような創作物も、さまざまな角度から解釈することができます。たとえば映画であれば、美術の一種として構図が良いとか色合いが良いとか言うことができます。「この当時、何々という機材が開発されたので、その効果が遺憾なく発揮されている」と技術面を指摘することもできます。また「骨太な男性ナルシシズム表現に心が震える」ということもできれば「男の自己満足なんて笑っちゃうわ」と言ってやることもできます。BL・二次...

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コミュニティ内部の多様性と、外部に対する一枚岩的対応を混同すると、内ゲバ。

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わざわざ「30年前の私の同人誌の客は『エロ』を求める少女だけだったよ!」と言って来る人は、こちらの話が「それを好まない人もいる」というものであることを分かっているわけです。分かったうえで否定するわけです。でも、ここは「BLはエロであるべきか、非エロであるべきか、そこが争点だ」といって喧嘩するところじゃないです。なぜなら「エロくないBLなら売ってもよい」という規制案が決定すれば、どこで線引きするのかと...

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二次著作物とは。

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二次著作物があまりにも原著作物(一次著作物)から乖離しており、もはや独立別個の作品という時は、二次著作物とは認められません。つまり原作者が告訴しても、裁判長が「これは二次でさえない」という可能性は、あります。この場合、原告敗訴というか、取り下げです。だからこそ「なぜ、あえてそのキャラクターを使うのか?」という問題が発生します。逆にいえば、わざわざ「二次」創作と言っている以上、自費出版者のほうで、他...

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日本のサブカルが説得するべき、本当の相手。

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第二次ベビーブームが終了し、年間出生数が激減した1975年に生まれた人々が、今年42歳になります。(すでに上半期も終わりつつあります)彼(女)らが30歳で人の親になったとすれば、お子さんが12歳。早生まれなら中学1年生に上がりました。1980・90年代には、少女が同人誌即売会に通うことに夢中になっているというので、評論家・社会学者・マスメディアが面白がったわけですが、それは「児童生徒の非行はおとな社会の不条理を反...

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二次創作の代案を挙げつつ、その問題点を指摘してみる。

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世の中には「好きでやってることなら無報酬でもいいだろう」と言われることを恐れるあまり「誰もキャラクターなんか好きじゃないよ! 最初から金目だよ!」と言っちゃう中年がいます。だったら、全員が「せーーの」で二次創作をやめちゃえばいいです。そうすれば、全員がオリジナル作品で勝負する他なくなるので、その中でランキングがついて、新たな壁サークルが成立し、それなりのにぎわいが続くはずだからです。社会はくだらな...

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二次創作許可マークの本当の意味。~見つけられない権利

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非親告罪になってしまえば、決めるのは警察であり、国家です。著作権者自身が「フリー」を宣言すれば免責になる権利を保持できるのであれば、それは非親告罪化ではないです。残念ながら許可マークという発想は最初から破綻しているのです。それは要するに「著作権者自身が決める権利」の可視化であって、非親告罪化してもらわなくて大丈夫です、ぼくら漫画家同士で話し合うことによってやって行けます……という意思表示なわけです。...

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