2014年6月、本木克英『超高速!参勤交代』松竹

いかにも、田舎侍にござる。

製作総指揮:大角正 脚本:土橋彰宏 撮影:江原祥二 照明:林利夫 音楽:周防義和 美術:倉田智子 録音:山本研二 助監督:石田和彦 殺陣:中村健人 操演:羽鳥博幸 

「観てよかった」と思う映画ナンバーワン! 貧乏つらき2014年の世に問う、磐城の気骨とは。

パッケージからドリフのコントみたいのを連想していたわけですが、参りました御免なさい。いや確かにそういう要素もあるわけですが。

日本各地に残る古きよき風景と、観客の脳裏に残る傑作時代劇の数々へのリスペクト魂が胸に迫ります。

まずは「色合いは誇張してるけど、ちゃんと自然光下でロケしてるなぁ…」と、そこで驚くわけです。デジタル時代だと思うと。

しかもなんだこれオープンセット? カメラが廻りこんでワンカット? しばし拝見……

うわなんだこのスタッフ。最大限の尊敬をこめて、本物の映画バカだ……!!!

ありがとう。そしてありがとう。製作陣も気骨ある人々が集まったことを信じます。

しかも主人公を始め、いずれのキャラクターも今までの時代劇にいそうでいなかったタイプ。

6人1組の小隊は、アメリカ映画に多い軍隊もののパロディのようでもあり、旅の仲間の一人が若き弓の名手というのはケルティック・ファンタジーが意識されているようでもあります。

陣内の悪役も今までいそうでいなかった魅力的なキャラクター。そして石橋蓮司がっ! 片岡千恵蔵ばりの重厚時代劇演技!(嬉)

もともとの脚本がいいわけですが、その映像化に際して、本当によく工夫なさいました。

なお、時代劇らしさを大事にしたからこそ女性には辛い場面もあるわけでございまして、ご家族そろって御覧くださいとは言いかねます。「いまのどういう意味」と子どもに訊かれたら、ちょと困る。

そもそもチャンバラというのは暴力の美化ではあって、基本的に時代劇は成人向けなんですが、成人向けと言ってしまうことによる先入観を映画会社は恐れるでしょうし、ファンとしても困る。

創作物の社会的意義・立場というものを考えるサンプルとしても好適な作品なのかもしれません。

なお、色調補正を逆手にとった終盤の演出には苦笑させられたことでございます。やられた。


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