MISHA'S CASKET
misha109

好きな言葉は残侠と耽美。

1964年8月、石井輝男『御金蔵破り』東映京都

2017年10月11日
映画(2017年の記事)
お前さんは幸せな男だ。夢を持ってるからな。

原案:高岩肇 脚本:野上龍雄・石井輝男 撮影:脇武夫 照明:前田光秋 録音:安田俊一 美術:塚本隆治 音楽:八木正生 編集:河合勝巳 助監督:平山亨 擬斗:足立伶二郎

仁侠映画の陰で、石井輝男と野上龍雄が粋な時代劇をこさえていました。娯楽映画が2本立てだった時代。長すぎず短すぎず収まりのいい90分。やたらと低いカメラワークと編集の工夫、前衛的なジャズが魅力です。

女性の着た赤色が美しいカラー撮影で、血糊の使用も見られ、時代劇としてはニューウェイヴの部類でしょう。松竹の『無頼漢』は何年だったかな……ドゥロンとブロンソンの『さらば友よ』は何年だっけかな……とか思いつつ、漫画『JIN-仁-』(村上もとか)も思い出してみたり。

どーしても監獄から離れられない石井さんによるタイトルそのまんまの大江戸クライム・サスペンスなわけで、じゃっかんの成人向け要素もございます。石井さんらしい(ある意味で)クサイ演出もございます。

全体の構成は意外なほど丁寧に、時系列通りに語るのも石井さんらしいところ。大掛かりなセットはCGではございません。

冒頭から終盤まで、よくも悪くも男の美学にあふれております。東京オリンピック開催の年なわけで、各ご家庭にカラーテレビが普及したみぎり、映画館は独身男性のいこいの場となっていたのでしょう。

チャンバラ劇ではないですが、千恵蔵はさすがの所作を見せてくれます。

アルセーヌ・ルパンの三代目とかいうこそ泥が大野雄二ジャズに乗ってテレビで大活躍するようになるのは、もう少し後のことでございます。


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この記事を書いた人: misha109
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同人論の基調は「二次創作の責任を二十四年組に押しつけるな」、BL論の基調は「実在LGBTに甘えるな」です。

いずれの分野からも、偏見と差別と自虐がなくなるといいと思っております。

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