1973年12月、佐藤純弥『ゴルゴ13』東映東京

これは俺の仕事だ。

原作:さいとう・たかを、さいとうプロダクション 脚本:さいとう・たかを、K.元美津 撮影:飯村雅彦 録音:広上益弘 照明:梅谷茂 美術:藤田博 音楽:木下忠司 擬斗:日尾孝司 日本語版協力:テアトル・エコー

イスファハンに陽は落ちて、男は黙ってアーマライトM16。

健さんお久しぶりです。アジア一、単独行が似合うかもしれない男。『新幹線大爆破』よりも前であることが嬉しい。

まさかのオールロケにより、背景はペルシャン・プライドに満ち満ちております。ロケ隊も体当たりだったようで、時々画面が揺れております。ニーノ・ロータ張りの音楽は忠司でした。おお。

日本とは青の色合いが違う空を大きく取り込んだ画面からは、肌に吹きつける風の質感の違いさえ感じられるようです。007シリーズの向こうを張っていることは明らかですが、この風景の活かし方は日本的美学かと思います。

物語は時事問題を反映しておらず、やや稚気を帯びたギャング路線ですが、これは1960年代の東映作品の特徴ですから、もはやいろいろ言わずに。

原作ファン(と原作者)には食い足りないでしょうが、デューク東郷の超人性よりは「その男、高倉健」を描くことに成功したわけで、降旗作品の系列にあると思えばいいんじゃないかと思います。

共演男優たちも魅力的で、ボンドガールに相当する女優はやや年増ですが、気丈なアジア女性の美しさを見せてくれます。

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