母親の言いつけをよく守って、二次創作BL同人になったタイプ。

学生時代に、母親によって学生運動と新興宗教に参加することを禁じられていたという女性があるのです。

それは当然のことだと思うんですけれども、一般的学生サークルにも参加を禁じられていたそうなのです。母親が娘の男女交際の行き過ぎを心配しすぎたらしいです。

でも、同人誌即売会には参加していたらしいのです。

どうも「二次創作BL同人誌の即売会なら男性が参加しないので、自分も行くことができた。そこしか行くところがなかった」という理屈のようなのです。

それが本当はいやだったというなら分かるのです。

でも「1970年代の少女向け雑誌編集長は男性だった」という歴史的事実に反対して「女の編集者もいるんだよ!」といって怒るのです。

それは残念ながら「先駆的な婦人編集員が編集会議で口添えしてやったので男性編集長が二十四年組作品の掲載を決意した」といった証言ではないのです。

たんに、自分の大学の先輩が出版社に就職したという自慢話なのです。

1980年代に少女だったという人ですから、18歳以上の大学生だったのは1990年頃です。もう学生運動花盛りという時代ではなかったはずですが、母親の脳裏に1970年代の印象があったのでしょう。

それが裏目に出て、本人が浅間山荘事件などに興味を持ってしまったらしいのです。
(´・ω・`)

で、ひじょうに暴力的な二次創作BL同人誌を出展して、それがよく売れたというのがご自慢で、その同人活動の先輩が出版社に就職して便宜を図ってくれたというのもご自慢なのです。

並行して「男性教授にセクハラされたから撃退してやった」とか「男のくせにガールズトークに首つっこむなんて」とか「どうせ本物の巨乳には興味ないんでしょ」とか、男性への対抗的発言を連投するのです。

つまり、女のホモソーシャル・プライドが、すごく強いらしいのです。

セクハラを撃退すること自体は、とくに対抗心がなくても実行するのは良いことですが、その経験を自慢するってことは「私を甘く見ないで!」という啖呵ですからね。

【いい子】

母親のせいで好きな男性との仲を引き裂かれたという被害者ではなく、もともと本人に男性に対する敵愾心があって、交際したくもないと思っているだけなのです。

ということは、母親の「男は狼なのよ。気をつけなさい」という被害者意識を内面化して、男性に対して強い敵対心を持ってしまったタイプなのです。

あえて例えると、戦後の反日教育の成果であるところの次世代型抗日戦士みたいな……。

だから、男性と協力して新しい家庭を持つことに意欲がないから、二次創作BL同人活動で自立することをめざして、独身女性だけでホモソーシャルを形成し、そのことをたいへん誇りに思っているということです。

それは、たしかに旧来の「男性に従属的な婦徳を強いるタイプの母親に感情移入できない結果として二次創作BLに逃避せざるを得ない」というトラウマ原因論的フェミニズム批評とは多少ずれているということができます。

けれども「精神分析とは別」ということにはなりません。むしろ典型例の一種ということができます。

べつの意味で母親に従属的と申しますか、たいへん素直に母親の価値観を受け入れてしまったお嬢さんなのです。いい子なのです。

ほんとうに反骨精神旺盛なら、若い男と手に手を取って逃げたっていいわけですが、そうじゃなくて、ママのご希望どおり男女交際なんかしないで、男性に頼らずに生きていけるように、積極的に同人活動に身を投じたというわけです。

あえて例えると、植民地の独立運動みたいな……。

そもそも、文京区に実家があるというのでないかぎり、大学進学のために親元を離れて上京したはずです。一人暮らししている18歳以上の成人が「お母さんに叱られるから学生サークルに入れない」って、話がおかしいのです。

入りたきゃ入りゃいいのです。そして夏休みに帰省した時には知らん顔してりゃいいのです。みんなそうしろってんじゃないですよ。この人の場合、言い訳になってないということです。

だって「過激な二次創作BLを書いて、いちいち実家の親に見てもらって、売り出す許可をもらっていた」ということはないはずですから、親の目を盗んで行動することができたのです。

たんに本人が、自分の身を守るために母親の訓戒に従うことにして、男性部員のいないサークル活動を選んだのです。

で、そのことを後悔していなくて、女性の先輩との絆を重視しているわけです。「フェミとは別!」と自治権を主張し、「プロより売れていた!」と自慢したいわけです。

あえて例えると、植民地が独立政府を樹立したみたいな……。

もう一回いいますよ。「女の子が学問をつけると生意気になってお嫁のもらい手がなくなるから家にいればいいんです」という母親にさからったのではなく、自立した女性になるために上京させてもらうことのできた娘が、在学中の安全を保障してくれるおまじないの言葉(男は狼なのよ)を素直に聞いて、女性だけのサークルに入って、大活躍できたのです。

だから、そのこと自体は後悔していないのです。いまでも自慢の種なのです。

それは、フェミニズム批評の否定ではなく、継承です。部分的に修正し、更新するということです。

「やむを得ずBLに逃避しただけだから、優しい男性にめぐり会えれば同人活動から足を洗うことができる」というのではなくて、自由意志によって積極的に同人活動を選択したのだから御意見無用という、ラディカル・フェミニズムです。

「同人はフェミとは別だから干渉しないで」ではなく、まさに私たちこそフェミ系同人の最前線だから司令部の指示には従わないみたいな突出部隊なのです。

惜しむらくは、そこで頑張りぬけずに脱落してしまったことを、他人が起こした事件に責任転嫁する逃避性を、兼ね備えていることですね。

モラトリアムにも、いろいろあるようでございます。


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