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Misha

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Posted byMisha

2008年『セントアンナの奇跡』

Misha

流血をともなう戦争映画を娯楽のうちと思って観る腹がくくれていれば、おすすめです! 

ドイツ将校の肩章・勲章などと、ルガーがアップで見られます。キャラクター描写、伏線の回収ぶり、名台詞の数々。脚本と演出の工夫が効いており、緊張感は非常に高く、そう言っちゃなんですが、面白いです。スパイク・リー監督はアメリカの人ですけども、序盤のアメリカ国内描写から既に欧州映画、単館上映系の雰囲気があるのは不思議でした。たぶんカメラの使い方。

ファルファッラ役ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(『炎の戦線エル・アラメイン』)お目当てで借りておいたらしいです。いつ見てもいい男です。頬の深い皺がいい。

前半は人種問題直球勝負。実際に黒人である俳優たちが差別される黒人を演じるのですから、タフな現場です。監督がちがう人種のひとで、気を使っていたら撮れないわけで、AAチームが円陣組んでGO!

冒頭の玄関ドアからサイコ・ホラーな雰囲気が漂います。室内へ入るとテレビ画面に『史上最大の作戦』の中でもっとも残酷な場面。グッと不安な感じが高まるとともに戦争に関わる話だなという予感(予備知識ゼロ)

BGMがやや饒舌でメロドラマ調なのと、そのくせカメラはずっと手ブレしており、フリードキンそこのけのハードなドキュメンタリータッチで、方向性が分かりにくく、最初なめてかかりましたが重量級でした。

戦場残酷描写もやり過ぎず、ぬる過ぎず。ドライなタッチ、かつ美的にも優れています。川を運ばれる人血の赤が美的ならね。基本的にはドイツ人を悪役とする戦争冒険映画ですが、ドイツ人の描写も好悪とりまぜて手抜かりがありません。ちゃんとドイツ語でしゃべってます。ナチっぽさというのか、俳優さんたち熱演です。イタリア人はイタリア語。こちらは素人さん?というほど自然な風情。秋枯れのトスカーナの自然と、石を積んだ壁で迷路のようになった街が美しいです。そこで起こる……ミステリーでもあるストーリーは、全くネタバレしないでご覧ください。

現代で起きた事件から話が順に前へさかのぼって、伏線がきもち良くツボに入っていく式。読める展開であることの安心感を下地に、痛さと悲しさの情緒が急激に高まってきます。イタリア男の涙は女々しく見えないからずるいです。

後半は泣くと画面がよく見えなくなっちゃうので苦労したり。

面白いというべき題材ではないのですが、場面の切り替えが早く、話題が盛りだくさんで面白く見られます。迫撃砲や銃器ののタイミングが気持ちいいです。ドイツ軍の重機関銃はどの映画でも良い(?)働きをしますが、今回は火を噴く銃口を真正面から映した(もちろん特撮)のが効果満点。血糊の量も気が利いています……

そんなわけでストーリー的には悲劇ですが、なにしろイタリアの子役がいい顔します。黒人兵は知ってるような知っていないような、でも印象的ないい顔をした男をそろえております。紅一点のイタリア女はスタイル抜群のべっぴんさんです。

悲劇なんだけどしっかり面白い。リアル描写とファンタジーのミックス具合が陶酔感を高めます。『史上最大』へのオマージュ描写は伊達ではありません。興行収入が制作費を下回っちゃってるっぽい(出典:ウィキペさん)んだけど、もっと評価されていい映画。



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