二次創作だけでは、自分の人生がせまくなります。

アニメファンの場合は、サントラ盤をきっかけにジャズ全般を聴くようになったり、声優の追っかけをきっかけに舞台劇全般を観るようになったりといった活動の広がりがあり得ます。

それによって、自分の心の財産が増える。「アニメを好きになってよかった」という自尊感情も深まります。

コスプレをきっかけに洋裁の学校へ進んで、服飾分野の企業に就職したという例も多いことと思います。

また、二次創作にもいろいろあって、宇宙戦艦もののために本物の軍艦の構造を調べたとか、心理描写のために純文学を勉強したといった場合は、それ自体が自分の楽しみにも話題にもなります。

原作者の作品を全巻そろえ、作風を研究したという場合は、そのまま続篇としてテレビ局に採用されるような台本を書くことが可能になります。これはオリジナル作品にもつながって行くでしょう。

が、二次創作として典型的な作品だけを営利目的で量産していたという場合、それを辞めた後、なにも残っていないのです。

全体の構成、それをひねった叙述トリック、キャラクター・世界観の設定、そのための下調べといったことが全く修行できていないので、オリジナルを書くこともできませんから、出版社に投稿ということもできません。

もともと同人誌というのは、明治時代の昔から、作家として食って行くという夢を持った人が取り組むことだったのですが、即売会を当てにしてしまった人は、自分で自分の人生の道をせまくしてしまったのです。

本当に「自費出版は生活のため」と割りきって、他に自分本来の趣味として、一般的なテレビドラマ鑑賞であるとか、スポーツであるとか、料理であるとか、何かしら確保しているのでないかぎり……

本当に何もないまま歳だけ取って、ふと他人から「若いころ何やっていたの?」と言われて、自分でも愕然とすることになるのです。

もう、その「気づいたら二次創作以外の趣味がない人だった」という場合は、すなおに認めましょう。最大の敵は自分自身の差別意識です。

「どうせアニパロなんか、どうせオタクなんか、どうせカネのためだから、どうせ売れなきゃ意味がない、誰が好きでやるもんか」という差別意識があると、取りかかりにくくなるのです。

けれども、性的なら性的でもいいので、また書いてみましょう。あの頃の、あの子の話でいいです。旧ジャンルが今でも好きだという読者もいるものです。もしかしたら、あの子が今の自分と同じアルバイトをしていると思えば、スラスラ書けるかもしれません。

あの子が今の私の気持ちを代弁してくれて、ごく自然に心理描写できるかもしれません。

それを、先行投資なく発表できるところがインターネットです。本業の片手間でいいのです。あなたの心のためです。メンタルヘルスのために二次創作が必要ということがあり得るのです。だから非営利ネット表現の自由が必要なのです。営利だけ守れればいいのではないのです。

どうか、強制削除しないでやってください。

(ゾーニングはランキング参加用URLの分離や専用ドメインの設定など、技術的に解決可能です。すでに実施されていますが、今後とも関係各位のご協力を賜りますれば幸いに存じます)


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