コミケに最も要らないもの。

Misha

じつは、自虐精神です。

「どうせオタクだから。どうせエロいことしか考えてない連中だから。どうせ山も落ちも意味もないから。私も手抜きしていいでしょ?w」という差別意識です。

ただし、現役出展者たちにとっては、強力なライバルが出現する可能性があるので「どうせ、どうせ」と言っておくのです。フェイントの一種です。引っかかったものの負けです。

だから「ほんとうは頑張る必要があります。工夫する必要があります」といって若い人を励ます者は少ないのです。それでも言わなければならない。なぜか。

「自分もテキトーな同人誌でも作ってコミケに出せば、勉強をサボることができる」と考えてしまう者を防ぐためです。

18歳になってから東京に住むようになったという人は、多くの場合、実家の親御さんの承諾を得て、進学や就職のために上京して来たことでしょう。まずは、その自分本来の課題にしっかり取り組んでください。

コミケ同人は、みなさんに楽しい余暇を提供するために全力を尽しています。それを口実にして、あなたが自分の人生をサボってしまわないでください。

同人たちが同人誌を売ることができるのはなぜだと思いますか? 買いに来てくれる人がいるからです。自分で働いて得たお給料を持って来てくれる人がいるからです。畑で野菜を育てて売ったおカネでもいいのです。

だから「同人誌をたくさん買いたいから、いい会社に就職しよう」ということでもいいのです。親の仕事を継ぐことを第一に考えてもいいのです。

また、国家試験に合格して、医師や法律家や教員になった人が、サブカルの極端な表現にも理解があるということを、コミケ同人は歓迎します。そういう人々が次世代に対して「現実と創作を区別し、現実の弱者の人権を傷つけないように」と教えてくれることも心強いです。

そういうふうに考えましょう。サブカルを楽しむということは、あなたが「サブカルを消費するばかりで自分の人生をサボってしまう」ということではないのです。

二十四年組は、若い人たちを喧嘩させたり、サボらせたりしたくて、精魂込めて小学館漫画賞受賞作を描いたのではありません。

どのプロも「漫画のせいで、うちの子がダメになった」などと言われたくありません。

同人たちは「同人のせいで自分の人生がダメになった」などと言われたくありません。

あなたが自分を甘やかすことは、あなただけの問題ではありません。あなたが好きな漫画家さんや同人さんにも迷惑がかかることなのです。


関連記事
Posted byMisha