『少年愛の美学』は、女性中心社会に対する皮肉です。

Misha

男性主導で二面作戦の大戦争をおっぱじめて、戦って、戦って、結局負けて、戦後日本は非軍国化が至上課題となりました。

だから「婦人代議士」を筆頭に、女性の発言力が増したのです。それに対する反動が、谷崎潤一郎・三島由紀夫・澁澤龍彦・稲垣足穂あたりの男性中心主義的耽美路線だったのです。(おおざっぱな総括)

ことに稲垣が「いまどきの若者は、あたら青春時代を真っ黒な学生服に閉じ込められて可哀想に」といったことをいう時は、それを清廉である・若者らしいといって称賛する母親目線・主婦目線の教育的指導に対する挑戦です。

それに対して、若い女性がその「少年愛の美学」を面白がって漫画にしてしまうということは男性中心社会に対する皮肉ですわ、といってやるのは女性側が一本取り返したことになります。

ここまでは話が成り立つのです。古きよきフェミニズム批評。

けれども、1980年代以降、今でいう「二次創作BL」という形で低年齢層に流行してしまってからは、問題の局面が変わったのです。

ことに、その1980年代に少女だった世代が成人し始めると、夜の繁華街へ押しかけて、実在の性的マイノリティ男性を面罵するという事件が続発しました。

対するゲイコミュニティによる差別撤廃要求運動は、1969年以来、世界的潮流となっており、日本のゲイコミュニティも、前近代を引きずった自嘲的文化の枠内に留まることをやめました。

で、1990年代になると、女性の一部の言動に対して、明白な苦情を発したのです。

が、その文書を受け取った側は、対立の構図が変化したことを理解することができませんでした。これが日本のフェミニズムの黒歴史。

これを反省してからでないと、女性側から被害者ぶって、ゲイコミュニティに対して「夫婦別姓・パートナーシップ制度確立のために弱者の連帯しましょう」といえた義理ではないのです。



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Posted byMisha