メロドラマをひっくり返すと、ミステリー。

に、一歩近づく。

こういう男がいて、こういう女がいて、いろいろあって、男だけ生き残ってしまったが、それでも河は流れていく……。風景を映して終わりにするのがメロドラマの常道。

この基本路線ができたところで「えいっ」と倒置すると、ミステリーの第一歩。

ここに女性のホトケさんがいる。男ものの落し物がある。じゃあ男性もいたに違いない。誰だろう?……

いちばん簡単なのは、落し物の持ち主が申し出て「5年前に仕事の関係で出会って以来、それぞれに配偶者がいることを承知で交際していたが、別れ話がもつれて喧嘩になって」などなど、事情を説明するわけですね。あとは司法の仕事となります。

これでは簡単すぎるので、じつはその自白した人物が替え玉で、真犯人は別にいるとか、そもそも落し物というのが第三者がわざと置いたもので、持ち主だからというので逮捕された人物が「俺はやってない!」とか。

たんなる恋愛問題ではなく、男女とも5年前の強盗グループだったとか。国家機密が関わっていたとか。いろいろと「ひねり」を入れて行くわけです。

テレビの刑事ドラマは、推理・捜査するのが刑事に決まっているので、ゲストキャラクターとして、毎回ちがう男女の事情が説明されることになります。

一般的傾向として、男性はメロドラマそのものは観たがらないけど、ミステリーの仕立てになっていると「しょせんこの世は男と女」といって、観ていることができるのです。

逆にいえば、こう順序よく考えていけば、基本プロットを立てるということは、そんなにむずかしくないのです。

だから、まずは二次創作でもいいので、最初のメロドラマの部分を書いてみちゃいましょう。

もし、二人の掛け合い漫才のような口論や、性的な場面ばかり詳細に書くことに筆が乗って、それでいいやって気分になったら、あなたの才能もそこまでってことです。

そこまでっていうと聞こえが悪いので「そういうタイプの作家」として自覚を持つことになります。

【山も落ちもないハッピーエンド】

ここで、その毎日のように口論したり、性的な享楽を共有する人々について、読んだ人から「それで、これからどうなるの?」と質問された場合、作者であるあなたが「いや、べつに、毎日のようにイチャコラしてるだけ…」と答えるのであれば、それがハッピーエンドってことですね?

つまり、山も落ちもなくて、プロットが進んで行かないタイプの創作物は、じつはハッピーエンドを描いているのです。「それから二人は毎日なかよく暮らしました。おしまい」

これを分かってくれない人がいて困ったのです。自分はハッピーではなく、暴力的な場面を描いていたっていうんですが、それはその加害者にとって理想的な生活ですよね?

「だから、それを真似したい人が出てきたらどうするの」ってことで問題視されやすいわけですが、その前に、創作物そのものの構造分析としては、少なくとも誰かにとってのハッピーエンドを描いているわけです。あとは日常的に同じ光景がくり返される、という。

だから、それだけ描写したいという人は、そういうタイプの作家として自らを確立し、どんどん書いて自費出版すればいいですってことになります。

【夢幻の彼方へ】

ロマンチックが止まらないその先へ進めそうであれば、えいっと倒置して、ミステリーに挑戦してみましょう。時代劇や、ハイ・ファンタジーの場合でも、主人公が事件に巻き込まれて、裏の事情を探っていくというのは重要な要素ですね。

だから、まずは二次のまま書いてみて、完成したところでキャラクター名をオリジナルに差し替えれば、新作になります。

昔は手書きだったので、最初から書きなおすのが大変だったんですが、いまなら(少なくともPCで)置換ということが可能です。

ただし、二次の場合、登場人物がどこの誰かという紹介の段が省かれているので、オリジナル化した場合は、序盤で「この人物は何々県から上京して来た大学2年生で、今日は中学の同級生と一緒に電車に乗って…」などなど、事情を説明する文章をつけ加えることになります。

そのへんの上手な書き方というのは、やっぱり人生の先輩でもあるプロ作家や、ベテラン同人さんが書いたものを読んで勉強することになります。それを「この道に入った」っていうわけです。

それは、おカネのためだけで出来ることではありませんね。そもそも読むこと・書くことが好きでなければ「やってみよう」と思わない。かせぐだけなら他の仕事でもいいわけです。かせげるつもりで賭け事や投資をして、人生間違える人もあります。あなたの自費出版も、出版社への投稿も、うまく行くとはかぎりません。

でも、やってみようと思うわけです。それを途中であきらめさせられると、腹が立つわけです。それが創作家のプライドです。意地といってもいいし、誇りといってもいいです。こだわりといってもいいです。

自分で自分を笑いものにして「べつにそんなものないし~~」といっても、やっぱりあるのです。


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