出版社も自虐していたことになってしまうので、気をつけましょう。

当方の同人・BL論の出発点は「二十四年組などのプロ創作家が二次創作と混同されているのはおかしい」という疑問を言上げすることです。

言いかえれば、すでに流布している同人・BL論の前提を問い直すものです。

常識を問い直す、すなわち否定するというのは勇気の要ることで、その発想自体について来られない人もいます。とくに二次創作同人は著作権問題で糾弾されやすいので、言い逃れしたがり、自他を混同したがり、責任転嫁したがるものです。

したがいまして、あえて一般的な創作ファンの皆様ならびに出版・報道関係者の皆様の冷静かつ合理的な判断を賜りたく存じます。

プロが自虐したことはありません。出版社が自虐したこともありません。アマチュアと一緒になって低レベルなものを発行して自分だけ面白がっていたなどという濡れ衣を着せられる筋合いはありません。

プロ創作家たちの努力に対して、相応の敬意が払われることを望みます。

念のため、この話は「同人はおかしい」じゃないです。勝手に短絡しないで頂けるようにお願い致します。同人は好きなように描けばいいです。けれども混同していいことではないです。違いが分かりますか?

【あわてすぎです】

プロが自虐したことはありません。榊原史保美によるトランスゲイという自己申告を含む解説書のタイトルは、本人の小説家としての活躍を知る者にとって唖然とするものでしかありません。

業界を牽引した専門誌『JUNE』創刊から20年。すでにインターネットも普及し始めた1998年という遅い時期になって、なにをやらかすのか、日本の出版界。いかにゲイコミュニティからクレームがあったとて、あわてすぎです。

二十四年組ほかの漫画家も、専門誌『JUNE』を拠点とした小説家も、その作品はプロ編集者によって出版権の設定に値するものとして認められ、彼らの手を経て上梓され、市販されたものです。

それが自虐していたというなら、出版社も自虐していたことになってしまいます。すなわち出版社が購読者を愚弄したことになります。ここに出版関係者が気づかないようじゃ困るのです。

女流が人生の大先輩でもある戦前(生まれ)の男性作家に私淑してオリジナル作品を完成させ、日本国憲法に保障された権利に基づいて発行したなら、一点の咎もありません。

同人が自分自身を差別して面白がるのは勝手ですが、出版社とプロ創作家が差別の内面化に甘んじてしまってはいけませんのです。


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