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同人とは、二次創作を売る人のことではありません。

そういう人もいますが、それが同人という言葉のもともとの意味ではありません。

これを同人のほうで分かっておかないと、ぜんぜん言わなくていいことをSNSでえらそうに自慢して、フォロワーさんの信用を失うという残念な結果になってしまいます。

国民誰しも自分に不利なことは自白しなくてよい権利があります。しかし何が不利かは、あなたの立場にもよります。参考になることをできるだけ言っておくので、18歳以上の成人として、有権者として、社会的責任を自覚して、懲役刑または損害賠償金を課される可能性も考慮した上で、冷静に判断してください。

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変わらない意味

どんなに時代が変わっても、もともと「同人」という言葉は、同人会(同好会)の会員という意味です。同人誌とは、その会報という意味にすぎません。

現代でも、一般向け新聞の文化面に「俳句の同人誌できました」という告知が載っていますね?

国語や社会科の教科書に出てくる有名な俳人・文豪・批評家たちも、旧制中学・高校在学中に学内同人会の同人になって、その会報である同人誌に投稿して、先輩や教員に添削されることによって鍛えられました。部活動の一種とも言えます。

現代の書道家や能楽師も「同人」という言葉を使うことを考えると、もともとは単に「仲間」という意味です。じ組織に属するですね。

誤解されがちですが、プロが同人になってもいいのです。プロと同人は対立概念ではありません。プロ同士で同人会を結成すれば「プロのサークル」です。同人会を英語で言ったのがサークルですね。

もともと何の分野でもプロになれる人は人数が少ないから、プロのサークル、プロの同人というのも数が少なく、ほとんどがアマチュアなので、同人といえばアマチュアのことだと思い込んでしまいやすいだけですから、注意しましょう。

そして同人誌に投稿するものは、実生活に即した俳句や短歌はもちろん、小説も自分で世界観・キャラクターを用意したオリジナル作品が基本です。

太平洋戦争終結後になって、漫画という表現技法に人気が出て来ると、漫画同人も現れました。

もともと戦前からいたんですが、手塚治虫の登場によって、急に増えました。彼らが集まったのが漫画同好会・漫画研究会で、その会報としてまとめられる会員作品も、オリジナルが基本です。

が、1975年に「コミックマーケット」という若者同士の文化祭というか、バザーというか、今ふうに言えばフリマというか、そういうのの一種であるところのイベントが始まると、本来はオリジナル漫画研究会の大集合であって、オリジナル漫画を出展するべき場所だったんですが、だんだん「二次創作」を出展する人が増えちゃいました。

1977年と78年にSFアニメ映画の大ヒットがあって、男女ともこれがきっかけになったというのが、今んとこ定説です。

変化した意味


二次創作という言葉が使われるようになったのは最近のことで、TPPによる同人活動の規制という話題が本格化して来て、同人たちが「一次と二次の違い」を意識せざるを得なくなってからです。

また、1995年から日本でもインターネット接続が普及し始めましたが、ウェブで作品発表する人々は、物理的に「誌」の形になってないですから「このサイトは同人誌です」っていうの変ですよね。

だから、著作権法上の二次著作物という言い方を参考に「二次サイトです」といった言い方が流行り始めたのです。

それまでは、同人誌という言葉を隠語として用いていたわけです。

それは、当時の同人たちが本当に著作権を意識していなかったから一次と二次を混同していたのではなく、じつはちゃんと意識していたからこそ、言わずに済ませようとしていたのです。

つまり自分から「はい、こちらはパロディで~す」と言えば、すぐに権利者からツッコミが来ることを分かっていたのです。

けれども、1983年以降に同人誌即売会に参加するようになった当時の中学生たちが勘違いしたもんですから、ややこしいことになりました。それは別の記事で詳述するので、まずここでは「同人誌とは二次創作BLだけではない」という認識を共有してください。

大事なことなので繰り返しますが、まずこれを分かっておかないと、ご自分がタイムラインで赤っ恥かくことになります。

階層分化と同人自重


では、おさらいしましょう。

今なお「同人」または「同人誌」という言葉の第一義は、俳句などの会の人々も使うように、ごく一般的な、オリジナル作品を会員どうしが相互評価するための同好会と、その会報という意味です。

第二義が、個性的なイラスト表現をともなう(ことが多い)日本のサブカル分野のアマチュア創作家およびその自費出版という意味ですね。

第三義が、第二義の中でも特殊な二次創作BLまたはGLという表現です。最近「ドリーム」というのも加わりましたね。

よって、同人という言葉が示す範囲の広さ・視野の広さでいうと、当然ながら第一義>第二義>第三義です。

こういう具合に、階層分化の形で頭に入っていれば、うかつなことを言っちゃうこともないんですが、第三義の意味だけ知っている人は「同人誌」と聞いただけで興奮してしまって「ちょ、やばくないですか!?ww」とか「興味あるなら私の同人誌を売ってあげようか~~!?ww」とか騒ぎ始めちゃうもんですから、最悪の場合、SNS生命が終了します。


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