【シリーズD総集編】「原作者に大目に見てもらってる」とか言っちゃう同人が、一番の掟破りです。

当ブログの同人論・BL論は「皆さん、私たち同人は原作者に大目に見てもらってることを忘れちゃいけないんです!」と言って終わるレベルのものではないです。

それ言っちゃう人が一番の掟破り」と切り返すものです。



忘れもしない2014年4月末。ちょうど今頃の季節でしたが、あるSNSアカウントが「皆さん、私たち同人は」という連続ツイートを始めました。(念のため『シリーズR総集編』で紹介したのとは別のアカウントさんです)

要約すると「私たち同人は、原作者から大目に見てもらってるのに、原作者が無視できないような派手な動きをしちゃいけないんです。なのに、あの子はしている」と言って、特定の現役同人を名指しで非難するという内容でした。

それに対して、また別の人が「ようするに自分の二次創作を売ることができなくなると困るからじゃないか。同人ムラの掟に背いた若い者に公開の場で制裁を与えるとは、まるでマフィアだ同人怖い」と、コメントを付けました。それに大勢の人が便乗して「同人怖い」の大合唱となって、大炎上しました。当夜にリツイートがぶん回っただけでなく、大手ウェブニュースに取り上げられて、三日間くらいは余炎がくすぶっておりましたね。

ところが、告発者は連続ツイートの冒頭に「私自身は現在では出展していません」と、ことわっていたのです。ということは、もし本当に原作者が著作者人格権を行使して、当該ジャンルの二次創作を全面禁止したとしても、告発者自身は痛くもかゆくもないのです。大勢の現役同人と、そのファンたちが泣き崩れるさまを高みの見物できる立場です。

これは「同人が目立ってはいけない」という掟を利用した、内部の事情に詳しい者による復讐劇です。動機は怨恨。自分の同人誌が売れなくなったから。(売れてりゃ同人活動を続けてるはずですからね)

でも、多くの人が仕掛けに気づかずに、実際に派手なことをしていた現役同人を非難して、告発者には「よく注意してくれた。まったく今どきの若い者には困る」と感謝の意を呈する論調になってしまいました。ここの管理人は「こう来たか…」と思いました。

自分自身が、その騒ぎに先立って、やたらと売り上げを自慢した「もと同人」さんに向けて「法律違反を自慢するもんじゃない」と言ってやったことがあったので、それを逆手に取る「もと同人」が現れたということだったからです。

で、ここの管理人は「もともと派手なことをした(ことをツイートした)現役が軽率だったには違いないが、この人は赤の他人の復讐心のターゲットにされた被害者だ」と思いました。そして「同人が目立ってはいけない約束を逆手に取って、若い人を傷つけようとするOBがいるくらいだったら、その約束の本当の意味を暴露しちまったほうがマシだ」と思いました。

今回は、その総集編ということで、できるだけ手短にお伝えする企画です。

同人が「原作者に大目に見てもらってる」とか言っちゃうと、その真偽にかかわらず、原作者や出版社に「大目に見てやっているというのは本当か」とか「ああいう連中を野放しにするな」とか「もっとちゃんとしろ、著作権者のくせに。お前のような奴がいるから」とかいった抗議の電話やメールやSNSメッセージが殺到する可能性があります。また、イエロージャーナリズムが「同人の発言をどう思いますか~?」とか突撃インタビューする可能性もあります。

その対応に追われて、原作者や出版社が執筆・出版活動できなくなってしまえば、原作者および出版社にとって、身心の疲労という意味でも、経済的な意味でも大損害です。原作あっての二次創作なのですから、同人が自分(の好きなジャンル)を守るためにも、お礼の意味としても、原作者に迷惑かけてはいけません。

つまり、同人が守るべき真の掟とは「原作者に大目に見てもらってるとか言うな」です。

上記の人物は、もともとその人自身がSNSという公開の場で「あの子が売り出しているのは二次創作なのに、原作者に気づかれるような派手なことしちゃダメじゃないですか」と指摘しなければ、気づかれることがないわけですから、じつは原作者の注意を引き付けて、原作者を動かして、著作者人格権を行使させることによって、自分の復讐心を満足させようとしたのです。だから、そういうアカウントこそ、一番の掟破りです。その手に乗らなかったなら、原作者は賢明でした。

こういう騒ぎは、ようするに二次創作がなくなれば起きないわけですが、もし、二次創作を続けたいとしたら(続けてもいいとしたら)、同人にとって最低限にして最大の掟は「原作者を巻き込むな」です。

時代が変わって、原作者のほうから理解を示してくれることも増えましたが、その場合は、二次クラスタが他のクラスタを差別したとか言われないように留意する必要があります。でないと、二次創作の許可を出した原作者の責任ということになってしまうからです。

親しき仲にも礼儀はあり、一寸の虫にも五分の魂があるわけで、同人だからこそ守るべきマナーというものもあるのです。

二次創作(であるところのBL)という表現が急成長し始めてから30年が経過した頃に起きた一連の事件は、ここの管理人にとって(変に)感慨深いものでした。ここの管理人は、いまから30年の後には、この世にいない可能性が高いですが、二次創作にとって、人として、大事なことを覚えておいて頂ければ嬉しいなと思います。


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