【やおいトランスゲイ説を認めると、人権問題になります。】


ゲイ界から「やおいは僕たちに下品な質問ばかりするので失礼だ」というクレームが寄せられたのは、1990年代の半ば頃のことらしいです。

『やおい幻論』という書籍が発刊されたのは、1990年代の末です。

出版界は、この間に動揺したのだろうと思います。「やおいって何だ!? 竹宮恵子のせいなのか!? 小学館は訴えられるのか!?」

ことによると、少女漫画全体の基準見直し・検閲といった事態も考えられます。

事実上、それらを回避するために出された結論は、「トランスゲイのせいにすること」でした。

トランスゲイとは「可哀想な女の子」ではありません。肉体の機能にかかわらず、性自認が男性であるところの同性愛者です。

つまり、ゲイ界は「下品な質問をする女性は失礼だ」と言ったのに、「元々お前らの仲間じゃないか。可愛がってやれよ」と言い返されたのです。

彼らが対決姿勢を強めるのは当然です。

言った側としては「あの子たちが無礼なのは、トランスゲイだからです。トランスゲイが差別されるのは当たり前なので、頭がおかしくなるのも仕方ないですね」

といった意味になります。ことの重大さがお分かりになるでしょうか。

もし本当に、数十万人のトランスFtoMが自己実現できずに悩み、摂食障害をわずらい、心の慰めを求めて同人誌即売会を訪れた挙句に、駅頭で大騒ぎして周辺住民を悩ませたり、墓石に落書きしたりするなら、政府は対策を講じるべきです。

重大な人権問題であり、社会問題です。

もちろん、すでに了解されている通り、実際には「女性の少数派」に過ぎません。

そして勿論、少数派だからといって、自虐する必要はありません。

自虐とは、自分を虐待することです。虐待は続けられないほうが良いだろうと思います。

半年に一度のお祭りに興奮して、駅頭などでのマナーが悪いことは、男性の同人誌即売会参加者も同じことで、主宰者などが骨をおって沈静化を呼びかけているので、いずれ向上してくるだろうと思われます。

……昔は性マイノリティに関する情報が少なかったので、榊原さんが勘違いしたのも致し方ないだろうと思います。

問題は、今に至っても、ことの重大さに気づかない人が意外に多いことです。

今でも「腐女子は心のゲイ」などと、うまく指摘したつもりの学者もいれば、自称してしまう女性もいます。

日本人は権威に弱く、「○○なんだって。えらい人が言ってたよ」「ふーーん」と鵜呑みにしてしまいがちです。

サンデル先生は「さまざまな角度から考え直してみる」という姿勢を教えてくれました。




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