【それは同人が使った言葉です。】


山なし落ちなし意味なしという言葉には、三通りの意味があります。

文字通り、波乱万丈の冒険物語に対して、たいした盛り上がりもなく、教訓もないようなのに、なんとなく「おかしみ」がある。

いわゆる「脱力系」で成功したのが『紙兎ロペ』。

いまだに「なにが面白いのか分からん」と思っている視聴者もいると思います。

じつは、あれ自体はシュールではありません。実際の若者同士にありそうな会話をそのまま演じているだけです。

それだけで作品として成り立つとは思わなかったという、一般視聴者の既成概念を超えているわけです。

いっぽうで、アニメ番組『妖怪ウォッチ』には、ときどき「大騒ぎした挙句に本当に落ちない」という、出来の悪い脚本があります。

あれは明らかにパロディ同人のセンスでできているので、その良いところが出る時と、悪いところが出る時があるのですね。

もう一つが、頭文字を並べて「やおい」と称したタイプで、これじつは「山も落ちもないが、私たちにとっては世界一おもしろい作品である」という肯定的の意味を表しています。

それは、パロディ同人の使った言葉です。

パロディってのは「妖怪むかしばなしだと思ったら、SFおばあちゃんだった」ということです。一見したものと違うのです。障子の向こうには未知の世界が広がっているのです。

これを文字通りに「少女が自虐している」などと思うから、その後の分析が方向性を間違えるのです。

かつての社会学者は、あまりにナイーヴだったと思います。



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